快適で楽しく心豊かな暮らしを実現するために

せっかく新しい住まいづくりを実現されるなら「快適で楽しく心豊かな暮らしを実現」をしたいものです。

この中で特に「楽しく心豊かな暮らし」という部分は「お客様の意向」がその大部分を占めています。
どの住宅会社/工務店に住まいづくりをお願いするのかというよりも、先ず「どのような暮らしがしたいのか」という「ご自身の考え方」をある程度まとめておく必要があります。

そう言われても「自分がどんな暮らしがしたいのか」などということは、今まで考えたこともないというのがほとんどのお客様ですから安心してください。

モデル住宅で「ご自身が暮らすという視点」で見学を

先ず住まいづくりは「体感体験」することが基本です。
図面という紙面上で考えるよりモデル住宅を見学に行って「体感体験」をしましょう。

その際にモデル住宅の観方で大事なことは「ご自身の住まいづくり」ですから「モデル住宅の見学」ではなく「自身がこの家に住むとしたら」という視点が大切です。

モデル住宅はどうしても幅広いお客様受けを狙って「一般的にはという考え方で」や、逆に他の住宅会社/工務店との差別化をするために「特別な見せ場」という、やや現実離れした見せ方をしていると思います。

「一般的でもなく特別な見せ場ではなく私が暮らす家」ですから、どのようなモデル住宅であっても「自身が暮らすとして」という考え方で「体感体験」をしてみましょう。

「自分が暮らすとしたら」という「体感体験」の仕方

モデル住宅を訪れると営業が対応してくれると思いますが、そこでご自身の意向を伝えて案内場所を特定して見学しましょう。

せっかくその会社のモデル住宅に来たのですから「このモデル住宅の一番の特長は何処ですか。
そこを見せてください」、つぎにご主人様と奥様が観たい部屋/部位をそれぞれ1カ所指定します。

事前に「2人で立って調理できるキッチン」とか「リビングと庭とのつながり」など「楽しく心豊かな暮らし」かなと思える部分が一番良いのですが、思いつかない場合は毎日の暮らしで「不満、不便、不足」という場所を指定して見学しましょう。
どれほど「不満、不便、不足」が解消されているのかを「体感体験」で確かめます。

大事なことは「出来るだけお客様の日常を具体的にその場で行うこと」です。

日常の暮らしを出来るだけ具体的に持ち込み「体感体験」

洗濯動線なら実際の洗濯物の量(これぐらいとか想定しながら)を洗濯機に入れる、洗濯機から出して物干し場まで持って行く(重さも想定して)、洗濯物を取り入れたら何処でたたむ(必要な広さを想定する)、それを何処へ収納するのかというリアルな暮らしの再現をそのモデル住宅で行ってみて、その「体感体験」を通じてどこをどう修正したいのかを掴み、ご自身の暮らしにフィットした住まいづくりへつなげましょう。

営業が邪魔をすることが多いので注意しましょう

一般に住宅会社/工務店の営業は自社特長(主として構造/仕様)を先に説明したがりますので、悪意はないのですが結果としてお客様の「体感体験の邪魔をする」ことが多いと思います。

適当にいなしながら、ご自身の現状の暮らしをモデル住宅に持ち込んで「体感体験」で「こうしたい」を徐々にはっきりさせて行ってください。

住まいづくりは3つの分野で構成されています

1、「安全/安心/快適」分野:耐震性、断熱気密性、換気等の躯体の「構造と性能」

2、「生活利便性」分野:収納、動線、便利機能等

3、「心豊かな暮らし」分野:新しい暮らしで心豊かになる楽しいコトなどの「実現したいコト」

この3つの分野ですが、「安全/安心/快適」分野と「生活利便性」分野については現状の生活上の「不安、不満」の裏返しの分野です。
営業が説明したがる分野は主としてこれらの分野です。
程度の差はあると思いますが新しい住まいになるのですから「実現できて当たり前」ですが、「生活利便性」分野については「一般的には便利」というのではなく、「ご自身にフィットした解決策」のために住むとしての具体的な「体感体験」でその内容を「こうしたい」と明確にしましょう。

「心豊かな暮らし」分野はお客様の「実現したいコト」がポイント

「心豊かな暮らし」についての「実現したいコト」はささやかな「幸せな時間」「楽しい時間」という視点で考えてみましょう。
キーワードは「ささやかな」ということです。
最上段に振りかぶって「心豊かな暮らし」というのは「自らの暮らしで発見しにくいもの」ですが「ささやかな」という言葉を頭に着けて考えてみると案外思い浮かびます。
モデル住宅での見学は、このそのささやかな「幸せの時間」「楽しい時間」として思いついた部分を中心に「体感体験」を出来るだけ具体的に行ってみましょう。

例えば休日に大きくリビングを開け放して外のテラスで家族でサンドイッチを昼食に食べるとか、具体的に想定して「体感体験」をしてみましょう。
自分達にとってささやかなものだけれど「幸せで楽しい時間」になりそうだという「気づき」が芽生えればその調子で「こんなこともいいかも」とご夫婦、ご家族で互いに「触発」しあって「心豊かな暮らし」を具体化していきます。

実はこの時に「安全/安心/快適」分野の耐震性や断熱気密性という躯体の「構造と性能」が実現できるものでるのかという本来の「構造と性能」のレベル差が効いてきます。
大開口をとっても高い耐震等級が確保できるとか、大開口のサッシの断熱性が高く、視覚的に開放的でも真冬の寒さも気にならない温熱性能を有しているとかが影響します。

このように実際にお客様が「実現したいコト」を支える躯体の「構造と性能」という視点で評価ができます。

まとめ

住いづくりの中心はお客様です。

特に3つの分野の内「心豊かな暮らし」分野についてはお客様が「実現したいコト」自から気づかない限りスルーしてしまう分野です。
そもそもこの分野が住まいづくりの目的であるはずです。
多くの場合この「心豊かな暮らし」に実現を支えているのが「安全/安心/快適」分野の住宅の性能です。
そう考えるとこの専門分野である技術的な部分もお客様が判断できると思います。
「生活利便性」分野は「一般的に良い」というレベルからご自身にとってという視点でご納得の行くレベルへ実生活の体感体験で引き上げましょう。

このような考え方と行動で、快適で楽しく心豊かな暮らしを実現していただければと思います。

《執筆者》

一般社団法人 住宅研究所
代表 松尾俊朗
一級建築士

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