後悔しない家づくり!! ~○○坪○LDKでつくらない住まいづくり~

多くの方が賃貸で部屋を探す時、「○○LDK」という言葉を使うと思いますが、戸建住宅を建てる時も、「○○坪」や「○LDK」という数字で判断していませんか?

確かに部屋数は必要ですし、ある程度大きさは必要です。
しかし、一般的な言葉の固定概念で家づくりをしてしまうのはとても危険です。
では、何から始めればよいのか考えてみましょう。

家族の暮らしに合った住まいづくり

朝食はパン派で、昼食は近くの中華屋さんに食べに行き、夕食は大好きなお寿司。
日本人は、和洋中何でも取り入れ、ファッションや車、化粧品なども自由で多様性を合わせ持つ国民性です。
そのため、どの国よりも個人の価値観は思いの外、多様です。
そんな日本人個々の住まいづくりを一般論の○○坪○LDKで決めてしまって良いのでしょうか。

①ご自身の暮らしを見つめる

自身の暮らしを見つめるとは言っても、暮らしとは具体的に考えてみると一体何なのでしょうか。
暮らしを因数分解してみましょう。

暮らし = 誰と(登場人物) × どこで(場) × どんなコトをするのか


では、リビングという「場」で考えてみましょう。
リビングにはソファーを置いて…、広ければ広い方が良いかな…と、固定概念を持っていませんか?
それぞれの価値観や過ごし方によってつくるべきリビングのあり方は変わるべきです。

・ワンちゃんと寝転んでくつろぐ

「リビングにはソファーセット」という固定概念でソファーを置くと、寝転んでくつろぐ人にとっては、スペースが狭くなってしまいます。
クッションを置くのか、ふわふわのラグにするのか、どのようなくつろぎ方が自身に合っているのか、何人でどのようにくつろぐのか、固定概念を取っ払って「自身の暮らし視点」で考えてみましょう。


・足を延ばして1人ゆっくり韓流映画を見る

ソファーに座って足を延ばしてくつろぎたい人は、リビングの幅だけでなく、必要な奥行きを理解した上で、テレビまでの距離やテーブルのサイズなどを考えて計画しましょう。


・1人座ってゆったり本を読む

座って本を読む人にとっては、2~3人掛けのソファーではなく、1人掛けのソファーが合っているのかもしれません。
他人の振動を気にせず、自分にとってくつろぎやすいチェアー探しも楽しいですよ。


・親子でヨガや筋トレ等 体を動かして過ごす

親子でヨガや筋トレ等を楽しんでいる人にとっても、固定概念でソファーを置くのではなく、ヨガマットが敷けるスペースを確保したり、カーペット敷きにしていつでもどこでもヨガやストレッチなどが出来るように、何も置かない広々としたリビングが合っているのかもしれません。


・子どもがおもちゃで遊ぶ

お子様がいると、おもちゃが散乱してくつろぐ空間がなくなるなんてことも少なくありません。
その場合はリビングの横の目の届く場所に思う存分おもちゃを広げることが出来るスペースを作るという選択肢もあります。


ご自身の暮らしを落とし込む

展示場やモデルハウスは新しいアイディアや素敵な空間が詰まっていて、あれも取り入れたい、これも取り入れたいと夢は膨らむ一方です。
今は、家事動線を如何に便利にするか等、各メーカー、工務店は力を入れており、どれも目移りしてしまいます。
自分に合った空間や家事動線を見つける方法は、「自身の暮らしを落とし込む」という事です。
例えば、洗濯動線で考えてみましょう。

・家事室

キッチンの裏に家事室を設けている展示場があります。
「1人で集中して家計簿をつけたい」という人や「裁縫をする時は没頭している」なんて方には合っているのかもしれません。
しかし、洗濯物を畳むという単純作業はテレビも無く狭くて寂しい家事室だとその内使われなくなり、結局無駄な空間になっているという方も少なくありません。

・洗濯物干し

キッチンの裏に室内物干しスペースのある動線を設けている展示場もよく見かけます。
「朝食を作りながら、お弁当を作りながら、洗濯を干さなければならない」という方には便利な動線です。
しかし、寝る前に洗濯物を干す人にとってはキッチン裏のスペースは他の空間に利用した方が良いということもあります。

まとめ

初めての住まいづくりで、何をどうしたら良いのか、何を決めたら良いのか、分からないことが分からないのは当然です。
「賃貸だから不満があるのは仕方ない」とよく聞きますが、ハコという住宅にご自身の暮らしを合わせなければいけないために不満が生まれるのです。
それなのに、家を建てる時に部屋数と部屋の広さが違うだけでは同じ過ちを繰り返してしまいます。
一度で上手く行く住まいづくりをする方法はたった2つです。

ご自身の暮らしを見つめる

まずはご自身の暮らしを見つめ、家を建てて誰とどこでどんなコトがしたいのかを考えてみましょう。
そして、お客様の暮らしの重視ポイントがはっきりさせ、優先順位をつけます。
お客様が住宅を建てる為の予算には限度があると思います。
35坪4LDKの住宅でも、35坪という面積を何となく各部屋に分散させるのではなく、それぞれのお客様ごとに異なる重視するポイントを出来る限り充実させて、優先順位の低いところは最低限の内容にした住宅にする。これが、1つ目の正しい住まいづくりのポイントです。

ご自身の暮らしを落とし込む

展示場に行って、最新の設備や素晴らしいアイディアを見ることはとても良いことです。
しかし、それでは本当にご自身の暮らしに合っているのかは分かりません。
「見る」だけでなく、ご自身の暮らしを落とし込み「体感体験」することでご自身用にカスタマイズさせることが2つ目の正しい住まいづくりのポイントです。

一生に一回の一番大きな買い物である住まいづくりを後悔しないよう、是非この2つのポイントに注意して楽しみながら住まいづくりを進めてください。

《執筆者》

一般社団法人 住宅研究所
「暮らし視点の住まいづくり」研究開発担当
主任 谷口真帆香

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