住宅会社の良い営業マンを見極めるコツ

住宅は、一生で1回の1番大きな買い物です。

最も高価な買い物であるのにも関わらず、ほとんどの方が初めて購入する物なので、右も左も分からない状態で住宅建築/購入を決心しなければいけません。

そこで、とても重要になってくるのが、住宅会社の営業マンです。

ここでは、良い営業マンの見極め方についてお伝えします。

営業マン

みなさんは住宅会社の営業マンに対してどのような印象をお持ちですか?

・自社の良いところしか言わない。
・しつこく営業される。
・他社を悪く言う。

しかし、そのような営業マンばかりではありません。

最初から、営業マンの話を聞かなかったり、質問に答えないといった対応をすると、営業マンも人間ですので、いくら良い営業マンだったとしても、良いサポートをしてくれないといったことに成り兼ねません。

しっかり見極めるポイントを持って、最高の住まいづくりのパートナーを見つけましょう。

良い営業マンを見極めるポイント

1.自社中心と他社比較

お客様の立場になって考えてくれるというのは、「自社中心」でも「他社比較」でもなく、「それぞれのお客様の暮らし方を中心にした商品選択や住まいづくりを考えてくれる」という事です。

■自社を中心とした説明
「自社は〇〇工法という構造だから強い」「自社は〇〇断熱だから温かい」「自社は大開口/大空間がつくれる」「自社は低価格」といった説明です。

■他社と比較した説明
「自社は、〇〇会社よりも高断熱」「自社は、他社よりも繰り返しの地震に強い」「自社は、〇〇会社よりも強い振動の実験にクリアした」といった説明です。

そもそも住宅は、既に必要十分な性能レベルに達しているのが現状です。

その性能を使って、いかに自身のご家族の暮らし方にフィットした住宅をつくるのかということが最も大切です。

自社説明でも他社比較でもなく、お客様がどのようなご家族で、どんな暮らしがしたいのか、その暮らしの実現のために自社商品はどう役に立つといった、お客様の暮らしを中心にした対話をしてくれる営業マンこそが、お客様の立場になって考えてくれる良い営業マンです。

2.過去の経験や知識、実績

良い営業マンとは、経験や知識が豊富な営業マンでも、実績がある営業マンでもありません。

それは、あくまであなたの家族ではない他の家族の家だからです。

あなたの家族は世界でたった1つのどの家族とも違うのです。

あなたの家族でない経験や実績があっても仕方がないのです。

過去の経験や知識、実績ばかりを話し、お客様自身を見てくれない営業マンは危険です。

お客様ご家族の事を知ろうとしてくれたうえで、過去の経験や知識という引き出しを上手く使う営業マンかどうか判断しましょう。

3.一般論と固有名詞

例えば、「収納がたくさん欲しい」と依頼した際に、「自社は収納をたくさん設けます」といった一般論で回答する営業マンは危険です。

収納と言っても、100人のお客様がいらっしゃれば100通りの荷物の種類と量の違いがあります。

洋服の量や子どものおもちゃの量も異なります。キャンプが趣味でキャンプ道具の収納が必要な方と料理が好きで食材や調味料、調理道具などの収納が必要な方では収納の種類や配置は異なります。

特にどのような収納に困っているのか、片付けの得意不得意など、固有名詞のお客様の特性に合わせた対応をしてくれる営業マンを選択しましょう。

更に言えば、お客様の現在の自宅の荷物の種類と量を把握し、それに対応した収納の確保をしようとしてくれる営業マンこそがお客様に寄り添って住まいづくりを考えてくれる営業マンです。

4.消費と投資

住宅を、消費と考えるか、投資と考えるかで全く異なってきます。

例えば、「お客様が安くしたいとおっしゃったから、安い住宅を提案した」というのは、一見お客様の立場になった対応に見えます。

しかし、お客様はその安くした住宅が持つ性能が何年持続するのか分からないことを良いことに、価格を落とすことをしてしまっている可能性があります。

お客様の残りの平均余命から考えると、残り60年その住宅で過ごすのにも関わらず、30年程度しか持続しない住宅性能で提案されているかもしれないのです。

確かに安いに越したことはありませんが、ただ安ければ良いというものではありません。

住宅は、ご家族の命を守るとても大切な物で、簡単に買い替えられない投資商品なのです。

お客様の言いなりで対応するのではなく、消費と投資の違いをお客様自身が判断可能な方法で説明をしてくれる営業マンこそが、お客様の立場になってくれる営業マンなのです。

まとめ

良い営業マンの見極め方は、年齢や性別には現れず、見た目で判断するのは難しいですが、会社や営業マンの実績の説明ではなくお客様の暮らしを中心にした対話になっているかということが1番の判断軸です。

自社や営業マン自身の自慢話、他社の悪口、一般論での解答、言いなり、をしてくる営業マンではなく、お客様ご家族の話を親身になって聞いてくれ、お客様の立場になって寄り添って一緒になって住まいづくりをしてくれる営業マンかどうかを判断しましょう。

《執筆者》

一般社団法人 住宅研究所
「暮らし視点の住まいづくり」研究開発担当
主任 谷口真帆香

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