「受注歩留率」視点の住宅営業政策へ転換

住宅市場を俯瞰してみれば、人口の漸減に歯止めがかからず、お客様の所得も横ばい、空家率13.6%で住宅が余っているというのが現実の「縮みつつある市場」です。
この環境で住宅を新たに建てようとお考えの「新規来場者が減少する」のは当然です。

新規来場者が減少したからと宣伝媒体にSNSも加えたところで、従来発想の広告訴求では来場者の増加は期待できません。
また、いつもの接客と営業内容でお客様と対応しても受注は上がらないと思います。
ところが、受注が上がらない原因は「来場者数の減少」ということで自己納得してしまい「集客減だから受注減、現状維持ならましな方」という「発想の負のループ」に入ってしまいます。

「集客」と「営業方法」の発想転換が必要です。

集客と営業は量から質へ

「自社の狙いの客層の暮らしを触発」する「新規来場者の質を伴った『集客イベント』で集客」と「このイベントへ来場されたお客様を100%受注(資金計画さえ合えば)」する「暮らし触発営業」という営業政策そのものが、「量から質へ」の発想転換が必要な時期に差し掛かっています。

「ときめきの暮らしに気づく」集客イベント

「ときめきの暮らしに気づく」という発想の集客策は、お客様にとって住宅購入は「住宅というハコ」という「モノ」を購入することなのかという「本質的な問い」を含んでいます。
つまりお客様が生涯に亘って「ときめく暮らしを実現」するために「住宅へ投資」することこそが「本質の住まいづくり」という視点の集客策です。

「モノ」から「コト」へと集客の視点を変えて、こんな暮らしが実現できるという「暮らしが見える」触発イベントを企画します。

女子力の高い社員を中心にイベント企画を進めます。
女子力が高いのは、必ずしも女性だけではありません。
女子力の高い男性も多くいらっしゃいます。
そういう意味では確かにジェンダーレスの社会は当たり前化しています。
「暮らしの見える」触発イベント企画は社内の隠れた才能を発見するチャンスでもあります。

「光と風とグリーン」関連イベントは人気

お客様のことを考えると「ときめきの暮らしに気づく」能力は、ジェンダ―レスとは言うものの、奥様の方が「暮らし感度」は高いと言わざるを得ません。
そこで、奥様の「ときめきの暮らしに気づいていただく要素」で多いのが、「光と風とグリーン」という要素からイベント企画を組み立てます。

「家」という「モノ」が主役ではなくその家で行われる「コト」が主役のイベントです。

「ときめきの暮らしの見えるセッティング」がポイントです。
人物も入れて暮らしの見える化で「ときめきの暮らし触発力」を発揮させます。

集客数は少なくても良い

週末2日間で新規来場者の予約が2件でも3件でもOKです。
「ときめきの暮らし」に気づいていただけたら受注に大きく前進します。
慣れてきてツボを掴めば毎月手を変え、品を変えの発想でイベントを実施できるようになれば、この手のイベントでの展示場単位のチームとして年間で24件程度まで受注をプラスすることが期待できです。

「ときめきの暮らし実現」で受注歩留率80%

お客様の「ときめきの暮らしを実現する営業」ですから、受注歩留率80%程度を狙います。
お客様と営業が同じ方向で考えて実現するお客様にとって楽しくストレスフリーの住宅営業方式です。
ここでも営業の女子力が問われます。
他業界では実現していながら、住宅業界ではなかなか実現できてこなかった「『モノ』売りから『コト』売りへの転換」です。

営業政策の転換

「『モノ』売りから『コト』売りへの転換」が目的ではなく手段です。
「量から質への営業体質の転換」が本当の目的です。

少ない見込客数の中から確実に受注するという「『受注歩留率』をどう上げて行くか」という営業の視点の転換です。
「お客様の暮らしを中心に考える」という基本的な考え方が納得した腹落ちしていることが前提条件です。
新たな注文住宅事業は、「お客様のいいなりにならず」お客様が気づいていない「ときめきの暮らし」を「触発して気づいていただく」ことから始まります。

「暮らし触発営業」方式

「『ときめきの暮らしに気づく』暮らしイベント」と対になっているのが「暮らし触発営業」方式です。
この暮らしイベントでご来場されるお客様は、イベント目的を理解されている「比較的暮らしを楽しむことへの高感度客」とはいうものの、その場でセッティングされた暮らしは「私にぴったり」というお客様は稀です。
従って大まかな方向性は合っているから来場されたのでしょうが、「フォーカスはまだ甘い」状態ということです。
モデル住宅の「セッティングされた暮らし」の仮想施主家族の考え方を明示して、「だからこうされています」という「セッティングされた暮らし」の基準線を共有した上で、「お客様ならどうされますか」と実現したい暮らしへのフォーカスを進めます。
暮らしを触発する「暮らし触発営業」方式とお客様ご自身の実現したい暮らしに気づいていただく「気づき共感営業」方式の組み合わせで対応します。

まとめ

やや遅きに失していますが、「『モノ』から『コト』へ」の実践が住宅業界にもいよいよ必要な時代になりました。
この発想の転換は数を求めても今後の縮む市場を冷静に認めれば、「受注歩留率」を従来の住宅業界の常識とはケタ外れのレベルへ上げることが求められます。
この「受注歩留率」視点の営業政策への転換は、天動説から地動説へ切り替えるほどの天地逆転ほどの転換です。
「質の高い少数の見込客から高い受注歩留率で目標棟数を受注する」という考え方が今後の営業政策の中心になります。

結果として、お客様へ「住まいを楽しみ人生を楽しむ暮らしの実現」という住まいづくりの本質を実現していくことに繋がり、生き残り、継続成長する住宅会社になれます。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
代表取締役社長 松尾俊朗
一級建築士

問い合わせ
https://www.housing-labo.com/contact

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