受注のコツはスピード感

住宅営業が受注を獲得するためにはスピード感が大変重要です。住宅営業活動上のスピード感とはどういうことを指すのでしょうか。自社住宅の特長をお客様にご理解いただいて受注に向かう上で必要な、住宅営業の「スピード感」について考えてみます。

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住宅営業のスピード感とは

スピードには、「早い」と「速い」があります。仕事で求められる「早い」は「対応が早い」、「速い」は「動作・処理が速い」です。住宅営業に必要なのは「早い:対応が早い」です。

例えば、「まず、資料を作ってからアポ獲得のための連絡をする」などの、「○○してから」では対応が遅くなります。資料の説明をするアポを取る場合、資料を作ってからアポを取るのではなく、アポを取ってから資料を作るのが正解と考えます。「アポが先だと充分な資料を作る時間が無い」という声もありますが、その資料には詳細情報まで必要なのか、それともポイントを絞って要点が理解できる資料で良いのかの情報の深さレベルを検討し、「確保できる時間内で出来る最善の資料」を作ることに集中することで解決します。

受注を獲得するための住宅営業の「対応の早さ」とは

人は1週間後には覚えたことの約8割を忘れるとも言われています。したがって、住宅営業が受注を獲得するためには、お客様が知りたい情報に対応する早さと次回のアポ獲得間隔の短さが重要です。例えば、対面型キッチンの住宅展示場や完成住まいの見学会にご来場されたお客様が、「アイランド型キッチンも見てみたい」とおっしゃられ、お客様にスケジュール決定を委ねた結果、ご案内するのが3週間後になった場合、対応が遅いと言えます。「お客様が指定したから」という理由は、住宅営業がスケジュール決定をお客様に委ねたことが原因ですので、住宅営業が「○月○日○時は空いてますか?」などと、間隔を開けずに日時指定でアポを獲得していく必要があります。

「空いている日が無い」とおっしゃるお客様には、「○日に2時間でも時間をとっていただけませんか」などと、1日のうちの1~2時間程度のアポを打診します。また、「長時間より短期集中の方が住まいづくりの知識を集中して効率よく得ていただくことが可能で、よりお客様の住まいづくりに活かせます」などの、お客様にとってのメリットをご理解いただくようにするとスムーズにアポが獲得できるでしょう。

効果的なアポ間隔

上述したように、人は1週間後には覚えたことの約8割を忘れますので、ご来場されたお客様の次回のアポは1週間以内に獲得します。アポを前倒しするのはOKですが、先送りすると記憶が薄れ、お客様のワクワク感や楽しさも無くなってしまいますので、お客様が興味関心をお持ちの部分をご案内できる住宅展示場やOB宅への「ご案内アポ」を必ず獲得するようにします。この時、「週中訪問アポ」という前回ご来場された日と次回のご案内アポの間にお客様宅へ訪問するアポも併せて獲得することをお勧めします。この週中訪問アポは、お客様が知りたい情報をお届けし、次回の「ご案内アポ内容」の魅力を伝え、お客様のモチベーションを上げるためにも有効です。

前回の面談から1週間以内に「週中訪問アポ」と「ご案内アポ」の2回のアポのスピード感です。

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お客様の質問への対応

お客様の質問に対してはその場でお答えするのが原則ですが、難しい場合は、「○月○日○時に、住宅展示場で資料の説明をします」というように、いつまでにどのような形で解決を図るのかをお客様に明示します。回答を避ける、質問に対してずらして回答する、流す・放置するなど、お客様の言動を軽く捉えていると受け止められる対応はしてはいけません。

お客様への連絡

「タイミングが合わず電話で連絡が付かない」と電話連絡が取れるまで電話をかけ続けるのは避けた方が良いでしょう。特に住宅建築適齢期でもあるデジタルネイティブ世代は、「即レスは当たり前」の方が多数存在し、返答までに数日かかると「イライラする」「忘れられている?」などのマイナス感情を抱き、信用を失います。多くのお客様がスマホでLINEをしていたり、SNSのDM機能を利用していたり、電話以外での連絡手段を用いていますので、電話にこだわらずにSNSやアプリを活用して、素早く連絡を取ることをお勧めします。

まとめ

住宅営業のスピード感のある対応は、受注を獲得するためにはとても有効なスキルです。

素早い対応は、お客様のモチベーションをアップさせていくことに加え、良い対応をしてくれる営業として信頼も得られます。お客様に関するすべての事を先延ばしせずに、素早い対応で臨むことをお勧めします。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

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