集客策は事前の自社情報発信のウェイトが高まっている

昨年は多くの住宅会社/工務店で新規集客組数は減少しましたが、受注は好調でした。2020年がコロナショックで受注状況が悪すぎたという反動ということもありますが「異変」です。住宅市場では、従来強い相関関係にあった「新規来場組数」と「受注棟数」の正比例の関係が崩れたということです。このことは、総合住宅展示場での見て回り会社数が従来の3.3~3.5社から1.3社くらいに減少したという現象と併せて考えると、お客様の行動変容の方向が分かります。
つまり、コロナ感染を避けるため、ネット情報で訪問するモデル住宅と住宅会社を事前に絞り込み、「狙い打ち」で来場されたということです。この動きに対応するためには、自社情報の発信内容を充実させる必要がります。

自社情報の発信内容と発信媒体、伝え方

発信する自社情報の中核は「自社商品」です。商品特徴は大きく3つの分野に分かれます。

1、「安全/安心/快適」分野
2、「生活利便性」分野
3、「心豊かな暮らし」分野

この3分野の内「安全/安心/快適」は各社の強みとして大きく取り上げていますが、「耐震実大実験動画」「温熱環境の外皮性能やらのグラフや数値」などで多くの会社は訴求しています。これではお客様向けの情報発信内容ではありません。業界内の用語を使って自慢話を公開しているに過ぎません。

業界ではなくお客様の視点で見たときに「高い耐震性能で『何が手に入ったのか』」が具体的ではありませんから、お客様は「ふーん」程度です。

例えば、消防関係の仕事をしている方をはじめ、官公庁や公共交通機関、医療関係者などは大きな災害時には2週間程度公務のため自宅に帰れないかもしれませんから、「大きな地震が発生してもガラス1枚割れない性能」だとしたら、1才と2才の娘さんを抱えた奥様が避難所で夜泣きする娘さんをあやしながら周囲の人への迷惑を気にするなどの不自由な生活をすることもないし、避難所で2人の幼い娘さんが感染症に掛かる心配もない、という具体的な「ユーザーメリット」の情報発信であるべきです。これが「行ってみたいモデル住宅/会社」に選ばれる情報発信です。「伝え方」も文字ではなく「動画」「画像」を中心に「見たらわかる」表現を心がけます。媒体は自社ホームページでの情報発信はもちろんですが、ホームページ内でも「特集記事」等でより詳しく具体的な状況での「ユーザーメリット」を「手を変え、品を変え」最新情報でお届けする工夫が必要です。また、もはや当たり前のことですがSNSを使った情報発信も怠りなく行います。

「不安要因」と「不満要因」の解決だけなら安い方が良い

「安全/安心/快適」分野と「生活利便性」分野は、暮らしの中の「不安要因」と「不満要因」の分野です。新しい住宅になる以上、この「不安と不満という『生活のマイナス要素』」については解決されてあたり前です。この2分野に限定するなら「安い方が良い」か、あるいは「同じ金額なら広い方が良い」という結論になってしまします。
従ってポイントになるのは3つ目の分野である「心豊かな暮らし」です。「ときめきく暮らし」「ワクワクする暮らし」の実現というのは「暮らしのプラスの要素」を取り上げることが重要です。そしてその「『ときめきの暮らしに気づく』本質の住まいづくりを体感体験できますよ」と言うのが「集客策」もコア部分です。

「心豊かな暮らし」という「暮らしのプラス要素」の訴求が集客のコア

住宅価格が上昇し従来の客層では1/3が予算内では建てられず脱落、1/3はお客様の想定予算を超えて「Max資金計画内」なら受注可能、1/3はMax資金計画からさらに両親他から追加資金調達、これに加えて不足分を従来客層の上の所得層を1/3集客するなら「心豊かな暮らし」という「暮らしのプラス要素」の訴求が集客のコアとするのは必須です。価格上昇場面に合っては、多くの付加価値を採用することは難しいものの「他社同等」の内容なら安い方が良いに決まっています。同じ金額なら床面積が広い方が良いはずです。「個々のお客様にとって魅力的な楽しい暮らし、心豊かな暮らし」への「お客様の暮らしへの投資」するモチベーションを高めない限り、限り受注敗退が続きます。

モデル住宅への最終的な集客は、「こんな暮らしが体感体験できる」という具体的な暮らしをビジュアル化して訴求することです。

モデル住宅は「暮らしが見える設え」を

お客様は多様化していますので「心豊かな暮らし」は個々のお客様によって様々です。
モデル住宅の「住人家族」はこういう方だからこういう暮らしを楽しまれているという詳細な設えを具体的に置くなって「行ってみたい」を触発します。
集客のための発信情報です。

まとめ

お客様の住宅会社選びの行動が、ネット上の情報から訪問するモデル住宅/会社を事前に決めているということは今後も続くと思われます。

「行ってみるか」という会社にネット情報で選ばれるための情報発信の内容と表現方法の改革は「足切点」のようなものです。この「事前審査」に合格しないと「かすりもしない」状態で集客数不足に陥ります。事前情報で「行ってみるか」から直接行動へつながるようなSNSなどでの集客広告宣伝を「ワクワクする暮らしが見えるモデル住宅」という視点で実施します。モデル住宅は本気の設えで「心豊かな暮らし」を具体的に見えるようにして触発し、ご来場された個々のお客様にご自身の「実現したいコト」に気づいていただくという「受注につながる集客」までの一環(リンク)した具体策が必要です。全ては「お客様中心の発想」です。ウィッズコロナ下でしかも価格上昇局面にある現在、特にこうした考え方の仕掛けを持った集客策が求められています。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
代表取締役社長 松尾俊朗
一級建築士

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