住宅営業で値引きせずに受注するコツ

お客様から値引きを匂わされたら応じなければならないと思っていませんか。
値引きしなくても受注出来る住宅営業のポイントをお伝えします。

「お客様の予算枠に金額を合せないと受注できない」
「失注するくらいなら、多少値引きしてでも受注したい」
「お客様からは値引きを要求され、値引きを上司に相談すると嫌な顔をされてしんどい・・・」
「値引きが多く粗利が確保できない」

など、値引きは頭を抱える問題です。

住宅営業が値引きに至る原因

値引き対応に巻き込まれるのはなぜでしょう。
その原因が何なのか、事例を挙げながら考えてみましょう。

① お客様が考える予算枠

例えば、お客様は初期段階に住宅は2000万円などと予算について漠然と考えていらっしゃいます。
しかし、お客様がおっしゃる住宅建築の予算枠は「根拠が曖昧」な場合がほとんどです。
このことを、まず念頭に置いてください。

お客様の予算枠の決め方

お客様の「予算枠の根拠」は下記のような内容が多くを占めています。

・会社の同僚や知人が住宅を2000万円で建てたから、「こんなものなんだろうな」と思われている
・ネットで調べた価格相場
・SNSの「口コミ」情報
・ローコスト住宅の価格相場の印象だけが残っていらっしゃる

結論 : お客様が初回来場時などにおっしゃった予算枠に囚われる必要はありません。

② 住宅営業は、お客様の予算枠に合せないと売れないと思っている

住宅営業担当者が「この予算枠に納めなければならない」と考えているのは、お客様が「しっかりした根拠なくおっしゃった予算枠」を、いつの間にか「この予算枠が絶対」に営業担当者の頭の中で変化してしまっている、よくある現象です。
そして、この思い込みこそが、「お客様の予算枠に合わない場合には値引きして受注せざるを得ない」という行動に繋がっています。
この問題を解決できないまま住宅営業を進めて失注してしまう場合を考えてみましょう。

初期段階でお金の話をするのを躊躇する

お客様がおっしゃる「予算2000万円の根拠をお聴きすることが出来ない」「予算は2000万円とおっしゃっているお客様に資金計画の話が出来ない」と逃げ腰になっている営業担当者が多く見受けられます。
住宅は、お客様の生活・暮らしの器であり最も高額な商品です。重要な資金に関することには逃げ腰になる必要はありません。
お客様が無理なく最大限借入出来る資金計画を参考までに作成して共有化する方が、お客様の曖昧な資金/予算に対する考えに誠実に対応することになり、喜ばれることになります。

結論 : 資金の話は言いづらいことではない。むしろ、誠実に説明する方がお客様のためになり喜ばれる

自社住宅の価格の理由が伝わっていない

住宅営業担当者は資金計画・自社住宅の価格にギャップがあることを曖昧にしたまま、自社住宅の耐震等級・断熱性能・構造など「モノ」の説明をされている住宅営業担当者が多々見受けられます。

例えば、住宅の予算枠が2000万円のお客様に対し、自社住宅価格が3000万円の場合、この1000万円のギャップについて説明しているつもりが、「金額のギャップについての内容説明」というこの前提条件を共有しないまま住宅というモノの説明をしているため、お客様は2000万円の予算で出来る住宅の説明だと思い続けています。

結論 : お客様の予算枠と自社住宅価格に差額があることを共有してから、自社住宅はその差額以上のユーザーメリットがあることを説明

お客様の予算枠が氷解する対応方法

お客様がおっしゃる「住宅の予算2000万円」と自社が提示する住まいづくりの差額が、ユーザーメリットとしてどこにあるのか、その差額はお客様にとって投資価値があるのか、また、投資可能なのかを詰める作業が必要です。
実は、お客様はご自身の予算枠を住宅営業担当者に伝えていますが要求はしていません。
もう少し予算を追加すれば良い住宅が建てられることをご理解いただき、お客様が支払い可能な根拠を確認する必要があります。

【事例】リビングのご案内

■ご案内時に押さえるポイント

・お客様とそのご家族に必要な住宅規模や性能をご理解いただく
・自社住宅がもたらすお客様とそのご家族それぞれのメリットをご理解いただく
・お客様とそのご家族にとっての最適住宅価格をご判断いただくための情報を提供する

「ソファーに座って、そこの雑誌を見てみませんか。明るくて見やすいと思いますか?」

すぐそばの大きな窓からの光で明るく文字や写真がハッキリと見やすいということを感じていただきます。
窓際に座っていることも意識していただいて体感体験していただきます。

「窓からの冷気を感じますか?」

冷えは感じずに、むしろ充分に暖かいことを感じていただきます。

「窓際で冬の柔らかな光を存分に取り入れて、明るく目に優しいリビングでのくつろぎと窓際の冷えを防ぐトリプルガラスを採用しています。」

冷えを感じさせない根拠をお伝えします。
「良さを伝える」「デメリットの解消」「デメリット対策」の説明をして、「どこに、どういう理由で、どこにお金をかけているのか」を明確に説明します。

「こんな気持ちがいい場所ができたら何をなさいますか?」

「ご自身が暮らすとしたら」というこれからのご自身の過ごし方を具体的に思い描いていただき、漠然としていた暮らしを具体的な実現したい「コト」として考えていただきます。

「お客様が良いと言ってくださったトリプルガラスのサッシを住宅の全ての窓に取り付けると高額になりますので、リビングのこのくつろぎコーナーだけでもトリプルガラスにいたしましょうか?」

お客様にとって必要なもの、必要でないものを考えていただきます。

「良い住宅を無理なく建てることが出来るか資金計画をたててみませんか。」

ここだけでもお金をかけると良い住宅が出来ることをご理解いただき、そのための資金計画を考えましょうという自然な流れを作ります。

このような、「良さを伝える」「デメリットの解消」「ご自身の新しい暮らしのイメージを共有」するご案内を2~3ヵ所で出来ると自社住宅の良さをご理解いただけます。

■お客様に自社住宅で建てるメリットを実感していただくための伝え方のポイント

① 初めにメリット(窓からの光の明るさ)を体感体験していただきながら伝える
② デメリット(近くに窓があると冷えるかもしれない)を体感体験で「冷えない」と感じていただく
③ デメリットを解消するために採用した対策(トリプルガラスのサッシを採用)を伝える
④ お客様がその部屋をご自身の新しい住まいでの暮らしとしてどのように評価されているのかを共有する
 
このような、「良さを伝える」「デメリットの解消」「ご自身の新しい暮らしのイメージを共有」するご案内を2~3ヵ所で出来ると自社住宅の良さをご理解いただけます。

まとめ

お客様がアンケートに記入された予算枠や初回来場時などにおっしゃった予算枠は「根拠が曖昧」な金額です。
つまり、住宅営業担当者はお客様の「予算枠の根拠」を把握する前に「この予算枠に納めなければならない」という対応をする必要はありません。
お客様がおっしゃる予算枠と自社が提示する住まいづくりの差額を縮めるために、もう少し予算を追加すれば良い住宅が建てられること、お客様が無理なく支払いできる資金計画について確認しましょう。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
代表取締役社長 松尾俊朗
一級建築士

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