地場工務店/住宅会社向け 少数でも本気度の高い集客方法
2022/02/16
地場工務店/住宅会社のみなさんが、お客様と出会うまでという意味でのマーケティングは大きく分けると2段階あります。
①地元への認知段階
②行動喚起段階(集客、資料請求)
地元への認知段階は、オンラインでの情報発信や看板などのオフラインでの地道なマーケティングは必要ですが、受注という視点で考えると、最も効果が高い行動喚起段階で集客ができるのか。
それも情報収集で数社回ろうと思う一社としてではなく、自社に関心を持っていただいてご来場いただくことです。
今回は、ホームページでのSEO対策やSNSでの情報発信、ネット広告、ポータルサイトの活用など、中長期に行うマーケティング活動ではなく、次のイベントや見学会に少ない集客でも本気度の高いお客様を集客して受注に繋がる集客方法について考えていきます。
本気度の高いお客様とは
本気度の高いお客様とは、『これが欲しい』と思ってご来場いただくお客様です。
では、住宅において『これが欲しい』というモノは何なのかについて考えていきます。
安心安全の性能などの自社特徴を打ち出せば『これが欲しい』と思っていただけるかというと、計画初期段階のお客様には違いが見えにくいため、自社が選ばれるのは難しいものです。
住宅建築の計画が進んでいるお客様は、比較するために各社の特徴について調べますが、今はローコスト住宅も進化しているため高いデザイン性や高い性能の住宅を提供でき、住宅性能表示では最高等級を実現している会社もありますので、ますます競合他社との差別化が難しい状況です。
細かい部分を見ると各社で違いは出てきますが、計画初期の段階のお客様に詳細な情報提供をしても伝わりませんし、興味がありません。
計画初期段階のお客様に『これが欲しい』と思っていただくためには、お客様の身近で分かりやすい情報でなければなりません。
お客様にとって身近なご自身の暮らしや生活に関わるものが、こんなにも良くなるということが分かると行ってみたくなります
一般論では『いいよね』で終わる
お客様にとって身近で分かりやすい情報でも、一般論では「それもいいよね」や「新築するなら当然」で終わってしまいます。
例えば、冬に暖かい家というのは「新築するなら当然実現したい」と思っていただけますが、性能の良い会社を何社か比較してみようとなってしまいます。
リビングとウッドデッキをフルフラットで繋ぎ、大開口で広々した写真を見ても「予算内でできるならそういうこともやれたらいいな」と思われます。
『これが欲しい』を生み出すためには一般論ではなく、ご自身が手に入れたいものをピンポイントで提示しなければなりません。
お客様に身近で分かりやすく、ピンポイントでお客様の心に刺さる集客手法ができれば、少ない集客数でも受注に向かう集客が可能になります。
お客様の『暮らし』に焦点を当てる
お客様にとって身近な『暮らし』に焦点を当てる集客手法は、計画初期段階のお客様にわかりやすい情報です。
一般論にならずにお客様の心にピンポイントで刺さる『やってみたくなる魅力的な暮らし』について考えていきましょう。
例えば、収納というのは以前から集客イベントで成功してきた内容の一つです。
これは『すっきりと片づけられる家の工夫』というイベントであれば、「本当はモノを見せずに収納したいのに、そういう収納になっていない」というお客様が今抱えておられる問題について具体的に解決できそうだということが見えるので、行ってみたいと思っていただけるイベントです。
ただし、収納の工夫などはどの工務店/住宅会社も積極的に取り入れている商品特徴であり、収納問題を解決するということはお客様にとっても「新築するなら当然」という認識になっています。
ただ、この収納のイベントのように、『すっきりと片付いた家で暮らせる』ということが具体的に見えるということが有効なのはわかります。
お客様が『やってみたくなる魅力的な暮らし』は、収納問題のように今のお住いでのマイナスを解決するのではなく、『やってみたい』プラスの魅力的な暮らしにすることがポイントになります。
『こんな暮らしがしたい』を見せる
お客様の『やってみたい暮らし』というのは、ほとんどの場合顕在化していません。
収納のように今のお住いでのマイナス面を解決するということは思い浮かびますが、プラス面を思い浮かべていただくためには、『魅力的な暮らし』をお客様にお見せして『やってみたい』を触発できる情報を発信しなければなりません。
具体的な『楽しい暮らしが見えるイベント』の内容については過去の記事で紹介しています。
https://www.housing-labo.com/attract-customers/post-1165.html
仕事のしかた、ご夫婦やお子様との関係、教育の考え方、友人やご近所とのかかわり方などで、お客様ごとに魅力的な暮らしは違います。
リビングでも『家族で一緒に同じことをやって過ごしたい』と思われている方もいますし、『それぞれ違うことをやっているけれど同じ場所で繋がっていたい』と思われる方もいます。
お客様の心に刺さる『魅力的な暮らし』の情報発信が、少ない集客数でも受注に向かうマーケティングのポイントです。
まとめ
地元に周知する段階で、あまりニッチなマーケティングをしてしまうと一定数以上の受注は見込めませんが、来場段階でのマーケティングでは、数が少なくても受注に向かう集客が有効です。
地元の方に『いいな』と思っていただいて数を集客すると、『いいな』と思っている中の一社になってしまいます。
『これが欲しい』と思って自社を目掛けて来場していただけると、競合になりにくく商談がスムーズに進みます。
住宅に関して『これが欲しい』を作り出すためには、お客様の心にピンポイントで刺さる魅力的な『楽しい暮らし』についての情報発信が有効です。
数は少なくても本気度の高いお客様の集客は受注に直結します。
来場段階では量を確保して競合を勝ち抜くことや中長期で見込み客の育成を最初から狙うよりも、受注に繋がるお客様を確保するべきです。
もちろん、全てのお客様が最短で受注できるわけではなく、中には中長期化してしまうこともありますが、狙うのは最短で受注できるお客様を集めることです。
《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
企業サポート事業部
取締役事業部長 松尾励朗