【住宅展示場・見学会のご案内の基本】お客様を惹きつける資料の見せ方・伝え方

同じ資料を使ったとしても、住宅営業がお客様への資料の見せ方・伝え方の違いで、理解度や共感度、さらには自社への関心度に大きく差が出ます。
今回は、住宅営業が住宅展示場や完成住まいの見学会でお客様を惹きつけて関心を高める資料の見せ方・伝え方について考えてみます。

人は情報を吸収するとき、どの感覚を使うのか

人が情報を取得する時は五感を使って情報を吸収しようとします。
五感から受け取る情報量は下記の割合とされています。

① 視覚 83%
② 聴覚 11%
③ 嗅覚 3.5%
④ 触覚 1.5%
⑤ 味覚 1%

これが、知識面に関しての情報取得となると、下記の構成比と言われています。

① 視覚 70%
② 聴覚 20%
③ 嗅覚
④ 触覚 10%
⑤ 味覚

つまり、目からの情報が圧倒的に多く、耳からの情報は20%しかありません。これに対して、住宅営業は口頭での説明のみをしている場合が多いのが現状です。

どのような資料が有効なのか

住宅展示場や完成住まいの見学会では、お客様は五感全てを使って住宅についての情報を吸収されていますが、住宅として工夫をしている部分のご説明には、口頭が主体ではなくビジュアルな資料を主体として活用すると、より深くご理解いただけるようになります。ここで言う「ビジュアルな資料」とは、お客様に「ご自身が暮らすとしたら」という「実現したい暮らし」を考えていただくためのソフト面の資料や住宅の性能や構造などのハード面の資料など、お客様にお見せするすべての資料が画像や動画を中心とした「パッと見てわかる資料」のことです。
情報を吸収するときに使う感覚の割合が低い聴覚に頼った住宅営業の口から発する「言葉」と、お客様にとっては暗号にも見え兼ねない「プラン(間取図)」による説明だけでは、画像や動画などのパッと見て分かる資料よりもインパクトが弱いため、現在、プランと口頭だけで説明している住宅営業は、すぐにでもビジュアル資料に切り替えることをお勧めします。

住宅営業が資料をお見せする位置も重要

住宅営業がお客様に資料をお見せする場合は、お客様に着座いただいてからお見せするのが大原則です。大原則だからと言って強引に着座を促すのはお客様に不快感を与えてしまいますので、無理やり着座していただくことは避けます。やむを得ず立ったまま正面から資料をお渡しせずにお見せする場合は、特に資料はお客様の見やすい高さと距離へ持って行きます。

着座して資料をお見せする位置と見せ方

お客様に着座いただき、机の上に資料を置いて、90度ずれた45度の位置が住宅営業の位置の基本です。ただし、接客が進み、お客様の中で住宅営業への慣れが生まれてきた場合は正面に位置しても問題ありません。そして、お客様に資料をお渡しして手に取ってご覧いただくのが基本です。状況によっては、上図のようにテーブルに置いてお見せしても構いません。

立って資料をお見せする位置と見せ方

お客様から見て資料が読みやすい位置に住宅営業がポジショニングを執ります。120度のポジショニングが基本です。やむを得ず立ったまま正面から資料をお渡しせずにお見せする場合は、特に資料はお客様の見やすい高さと距離へ持って行きます。

お客様に強い印象を残す伝え方

資料を見つめ、資料に書いてあることを読みながらお客様に資料をお見せする住宅営業をお見かけする時がありますが、このような資料の見せ方をしてしまうと、お客様の表情や目の動きなどの反応を把握することができず、独りよがりな説明になってしまいます。さらに、「資料を読んでいる」と話のテンポが単調になりがちで、お客様が関心を持って聞いてくださるのが難しくなります。お客様に関心を持って資料を見ていただき、そして、住宅営業の説明を聴いていただくためには、資料の内容が住宅営業の頭に入っており、お客様を見ながら自分の言葉でお伝えすることが条件です。

お伝えする情報量にも注意する

住宅営業として「この部分とあの部分もご理解いただきたい」という想いをお持ちだとは思いますが、あくまでも、お客様が関心をお持ちの部分と知りたいと思っておられる情報の深さを見極めて、その部分をご理解いただけるように進めます。情報の過剰提供をしてしまうと、最終的に自社住宅特徴がお客様の印象に残らないという悪影響を及ぼしますので、伝えたい気持ちを抑制してください。

資料の見せ方・伝え方を実践するために

充分にお客様がご理解いただけるように、情報提供の量を調整し、資料に向かうのではなく、お客様の様子を確認して関心をお持ちの部分を把握して一方的に話し続けたり、お客様がウンザリされているのに気づかずに説明を続けたりということがないように自社住宅特徴をお伝えするためには、下記の項目のロープレ訓練を繰り返し実施し、身につけることが必須です。

① 画像/動画資料の要点把握訓練
② 画像/動画資料の各内容への自在なアクセス訓練
③ お客様の着座位置・立ち位置と住宅営業の位置
④ 視線
⑤ 話し方
⑥ お客様の反応の理解

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まとめ

今回は、お客様に資料をお見せする際の営業技術について考えてみましたが、これはあくまでも営業技術であって、営業技術だけではお客様の心に響きません。最も重要なことは、「お客様の人生を楽しみ、暮らしを楽しむための住まいづくり」という強い想いを持つことです。この住宅会社・住宅営業としての使命を持ってお客様に向き合うことを強くお勧めします。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

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