【住宅営業の基本 | 着座ポジショニング編】住宅営業が座る適切な位置

ポジショニングとは、お客様に対する住宅営業の位置取りのことです。
適切なポジショニングによって下記のようなメリットがあり、受注に良い影響を及ぼします。

1.お客様のお考え、想い、価値観を感じとることができ理解できます。
2.お客様に住宅営業の考え、想いをお伝えできます。
3.お客様をリードすることができます。
4.お客様に好感を持っていただけます。

先月、お客様との物理的距離と人間関係について記事を公開しましたが、今回は、着座する場合の住宅営業がとるべきポジショニングの基本を考えてみます。

※住宅営業がお客様との間にとるべき接客距離のポイントをもう一度ご紹介します。

ビジネスシーンでの接客距離は、「個体距離」と「社会距離」の間の距離感を保ちます。
・初対面
極初期段階にいいては、1.5mほどの距離をとり、お客様に圧迫感や警戒心を与えないようにします。

・接客時(初期段階)
個体距離と社会距離にまたがる1~1.5mの距離を「接客距離」の基本にして、お客様の様子を見ながら距離を調整します。会話の距離、個人的に親しい関係の上限とビジネスシーンでの下限に属する距離であり、お客様と住宅営業双方で会話が聴き取れるが、あまり馴れ馴れしくなり過ぎない距離です。

・接客時(ご案内時)
笑顔での接客などでお客様の緊張感がほぐれた状態になれば、1mに近い下限の距離をとり、コミュニケーションがとりやすい距離を保ちます。

・物理的距離を縮めるキッカケをつくる
お客様との距離を縮めるためには、サンプルや資料をお渡ししたりすると自然と距離を縮めることが出来ます。しかし、こうした場合にも、個体距離の0.45m~0.6m以内には、極短時間を除いて入らないようにして、お客様にストレスを与えないようにします。

Contents

住宅営業が座る位置でお客様の心理状態が変わる

住宅展示場や完成住まいの見学会などのご案内時にお客様にお座りいただく場合、打合せスペース、リビング、ダイニング、和室に関わらず、お客様の正面に住宅営業が座ると圧迫感や緊張感が生まれやすいと言われています。初回来場されたお客様の正面には座らないようにすると良いでしょう。

推奨する住宅営業が座る位置

上述したように、住宅営業がお客様の正面に座ると、圧迫感や緊張感を与えてしまい、お客様の本音をお聴きすることが難しくなります。気楽にお客様にお話しいただくために、「斜め位置に座る」と緊張感が少し和らげることができます。

お客様がリラックスする位置

住宅営業がお客様の90度の位置に座ると、お互いの緊張感が和らぎます。コミュニケーションの邪魔になるといってよいマイナスの感情を軽減できるため、お客様のお話を聴いたり住宅営業が情報提供する場合に集中できます。
資料をお見せする際にも正面に座る場合と異なり、常にお客様を見ているのではなく、お互いの共通の目的である暮らしづくり、住まいづくりの資料を見ている状態で、身体的な距離も縮まるためスムーズにコミュニケーションがとれます。

住宅営業が座る位置の基本

お客様にお座りいただき、机の上に資料を置いて、90度ずれた45度のポジショニングが基本です。ただし、接客が進み、お客様の中で住宅営業への慣れが生まれてきた場合は、正面に位置しても問題ありません。

お客様に資料をご覧いただく場合は、お客様に資料をお渡しして手に取ってご覧いただくのが基本ですが、状況によってはテーブルに置いてお見せすることでも構いません。

お客様と住宅営業の共通の目的である暮らしづくり、住まいづくりを進める上では重要な位置取りです。

位置取りの豆知識

お客様に緊張感も安心感も与えてしまう座る位置を理解し、お客様に良い影響を及ぼす位置取りを心がけましょう。

・正面
緊張感や圧迫感を感じやすい位置です。
お礼や謝罪、重要、深刻な場面で位置取りすると効果的です。

・斜め
アプローチを受け入れてもらいやすい位置です。
初回来場時のご案内や着座の場面で効果的です。

・お客様から見えない位置
恐怖感や不安を与える位置です。
お客様の視野に入らない位置から話すの厳禁です。

まとめ

座る位置を意識することで、お客様に安心感を与え良い影響を与えることができます。
ビジネスマナーとしての座る位置をご存知の住宅営業は多いと思いますが、営業活動に役立つ座る位置も実践してください。

関連記事
・【住宅営業の基本 | 笑顔編】信頼を得る佇まいを身につける方法
・【住宅営業の基本 | 姿勢編】お客様に好印象を与える姿勢とは
・【住宅営業の基本 | 聴き方編】「聴く」と「聞く」では大違い。身につけるべき「聴き方」とは
・【住宅営業の基本 | 話し方編】ご案内内容より先に身につけるべきは話すスピードや声のトーン
・【住宅営業の基本 | 視線編】目を見て話す住宅営業のメリット
・【住宅営業の基本 ポジショニング編】お客様との正しい距離とは

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

関連記事

【住宅営業の基本 | 着座ポジショニング編】住宅営業が座る適切な位置

ポジショニングとは、お客様に対する住宅営業の位置取りのことです。適切なポジショニングによって下記のようなメリットがあり、受注に良い影響を及ぼします。 1.お客様のお考え、想い、価値観を感じとることができ理解できます。2. […]

【住宅営業の基本 | ポジショニング編】お客様との正しい距離とは

お客様が住宅展示場や完成住まいの見学会にご来場され、初対面でご挨拶する時、ご案内時など、お客様と接する時には、お客様との距離が大きく影響します。お客様との距離には、「物理的距離」と「精神的距離」の2種類があります。今回は […]

【住宅営業の基本 | 視線編】目を見て話す住宅営業のメリット

住宅営業に限らず、全ての業種の営業担当者はもちろん、日常生活においても、相手の目を見て話すことがマナーであると認識されています。目を合わさず視線が泳いでいる人と会話した時に、挙動不審に見えたり、何で目を見て話さないのかな […]

【住宅営業の基本 | 聴き方編】「聴く」と「聞く」では大違い。身につけるべき「聴き方」とは

「聴く」と「聞く」の違いをご存知でしょうか。辞書によると、「聴」・・・耳でとらえて知る「聞」・・・音声を耳に感じとるとあります。つまり、住宅営業の場合で言うと、お客様に真摯に向き合い理解しようと集中して聴くのか、住宅営業 […]

【住宅営業の基本 | 話し方編】ご案内内容より先に身につけるべきは話すスピードや声のトーン

住宅展示場や完成住まいの見学会など、お客様をお迎えする初回面談は、受注成否の80%を握るほど重要な場面です。ご案内時の内容も重要ですが、それ以前に、お客様に「信頼に値する住宅営業」と認めていただけなければ、どんなに素晴ら […]

【住宅営業の基本 | 姿勢編】お客様に好印象を与える姿勢とは

前回は「【住宅営業の基本 笑顔編】信頼を得る住宅営業の佇まいを身につける方法」をご紹介しました。今回は、その続編の「姿勢」についてです。お客様との応対の際に、笑顔や話し方などが完璧であっても、姿勢が悪いと「やる気がない」 […]

【住宅営業の基本 | 笑顔編】信頼を得る佇まいを身につける方法

住宅営業に限らず、営業という職種は第一印象が大切です。お客様は、住宅営業と初めて対面してからの7~90秒で、「話しても良い相手」かどうかを判断されるとも言われています。住宅営業の印象が悪ければ、ご案内時の内容がどれだけ素 […]

新着記事

モデルハウス・住宅見学会への「集客数の減少」をお客様の視点から見てみると

モデルハウスや住宅見学会で、「集客が伸びない」「来場者数が減った」という声は、コロナ禍に突入してから多少の波はありますが常態化しています。また、人口減少や物価高などの社会情勢の影響もあり集客数は減少していますが、いずれに […]

【工務店・住宅会社のSNS集客のコツ】必要なのは、たった1つの要素

住宅建築適齢期の20~40代は、SNS世代です。利用されているSNSは、Instagram、Twitter、LINE、YouTube、TikTokなど多数存在し、住宅展示場や完成住宅見学会や相談会などへの集客には、SNS […]

ハウスメーカー・住宅会社・工務店集客数減少 → 受注棟数減少の解決策

住宅展示場協議会と住宅生産振興財団が発表した2024年2月の住宅展示場の来場者組数は、対前年同月比2.7%増の24万9423組とのことです。2024年1月の減少から増加へと転じましたが、様々な理由で、従来通りの集客数は見 […]

【住宅営業のコツ】値引きせずに新築住宅を受注するコツ

お客様から値引きを匂わされたら応じなければならないと思っていませんか。値引きしなくても受注出来る住宅営業のポイントをお伝えします。 「お客様の予算枠に金額を合せないと受注できない」「失注するくらいなら、多少値引きしてでも […]

初回プラン提示でお客様の納得を得るプレゼンテーション―②

初回のプラン提示でお客様にご納得いただく為のプレゼンテーションについて、前回は、何故お客様に初回のプラン提示でのプレゼンテーションがご納得いただきにくいのかについてと、お客様に伝わりやすいプレゼンテーション資料の見え方に […]

受注歩留まり率を高める住宅営業とは

「なかなか受注ができない」と日々あの手この手と対策を考えながら営業活動をしているかと思います。数多くのお客様に営業活動をして、その中から反応の良いお客様の受注を目指すのは、人口減少の時代には厳しい方法です。また、エンドユ […]