ハウスメーカー・住宅会社・工務店集客数減少 → 受注棟数減少の解決策
2024/04/12
住宅展示場協議会と住宅生産振興財団が発表した2024年2月の住宅展示場の来場者組数は、対前年同月比2.7%増の24万9423組とのことです。2024年1月の減少から増加へと転じましたが、様々な理由で、従来通りの集客数は見込めない状況ですので、全国大手ハウスメーカーをはじめ、地域の住宅会社や工務店でもかつての集客数を望むのは不可能と言えます。集客数減少→受注棟数減少は、ある意味自然な現象ですが、この流れを覆す集客策について考えてみます。
Contents
ハウスメーカー・住宅会社・工務店の集客数減少の原因
全国大手ハウスメーカーをはじめ、地域の住宅会社や工務店の集客数の減少の原因は様々ありますが、大きく分けると、社会情勢の影響と工務店・住宅会社からの発信内容がお客様には魅力的でないということです。
避けられない人口減少
随分と以前から言われていますが、集客数減少の原因のひとつは人口減少問題です。戦後から続いていた人口増加が、2008年(平成20年)をピークに人口減少傾向にあります。注目すべきは、生産年齢人口という15~64歳までの住宅建築適齢期の方が属する年齢の人口減少は、総人口よりもはるかに速いペースで減少すると推計されているということです。つまり、母数となる人口が減少しているため、必然的に集客数も減少するということです。
コロナやインフレなどによる社会環境変化
コロナ禍前の2017~2019年の総合住宅展示場への来場者数は34~35万人/月、コロナショックの2020年の平均月間来場組数は26万組、2020年の反動で2021年は相対的に好調に推移しましたが、2022年は1~7月まで平均で約28万組で7~11月まで減少が続きました。そして、現在は、住宅建築資材の高騰による住宅価格上昇や日銀の金利政策解除によって、緩やかではありますが住宅ローンの金利上昇も予想され、社会情勢の変化は、住宅購入という「大きな買い物」に大きく影響するのがわかります。
工務店・住宅会社の発信内容のワンパターン化
多くのハウスメーカー・工務店・住宅会社が発信する自社住宅商品の特徴は、「安全/安心/快適」、「生活利便性」「デザイン性」などが多くを占め、これに偏重していると言っても過言ではない状況です。その内容は、耐震性や温熱環境などのグラフや数値を活用して、「いかに優れているか」を表現し、また、「毎日の家事がぐっと効率的に」と家事動線などの生活利便性を訴求し、「優れたデザイン」の住宅の特徴を発信しています。これらは、住宅の表面的な特徴を訴求していますが、その住宅で手に入る暮らしが見えていません。安心安全な構造で温熱環境も問題なく快適に暮らし、家事が効率的になり、自分好みのデザインの住宅で生活できるのは良いのですが、その先にある「どんな暮らしができるのか」が抜けています。お客様にとっては、「暮らし」こそが重要であり、関心事です。お客様ご自身の関心事が見えない工務店・住宅会社には行って見てみたいとは思いません。この「お客様の暮らし」に触れないまま自社住宅商品の特徴を発信していることが集客数減少の原因のひとつです。
これからのハウスメーカー・住宅会社・工務店の集客の考え方を変える
従来は、住宅展示場や完成住まいの見学会への「大量集客」し、その中から自社に関心を寄せてくださったお客様のみを営業の対象にするという「放置する名簿の大量さ」も特徴でした。しかしながら、今後、大量集客が見込めないのであれば、この方法では立ち行かなくなるのは明白です。
「量」から「質」の集客へ
「数多くのお客様を集客し、その中から手ごたえのあったお客様に営業する」方法では難しい現在、「少ない集客数でも見込度が高いお客様を集客して確実に受注する」という「集客の質」が大切なポイントです。
「住まいを楽しみ人生を楽しむ暮らしを実現するのが注文住宅」とするなら、集客策のコアは「お客様の暮らしを中心に考える」です。
「暮らし」は、「モノ」とは異なり「これだ!」と数値化してアピールすることはできませんが、現在のお客様の思考・言動の特徴を捉えて、そこに響く対策をとると本気度の高いお客様を集客することは可能です。
暮らしを魅せる発信で「質」の集客
SNSやwebサイトを活用して情報収集するお客様が一般的となり、その中でも画像や動画というビジュアルに訴えたものでご自身の興味の有無を判断されています。したがって、工務店・住宅会社の発信のひとつとして、「暮らしが見えるシーン」を発信することをおすすめします。ただし、楽しさが伝わらない画像や動画は効果がありません。家族の集合写真や記念写真のような、全員が揃っていても暮らしが見えない画像などでは暮らしの楽しさが伝わりません。親子で調理中、お子様が走り回って遊び、お父さん、お母さんはコーヒーを飲みながらそれを嬉しそうに眺めている、など、楽しいシーンの動きを捉えた画像や動画が楽しい暮らしを伝えます。
このような発信は、「この家族はそういう楽しみ方なのか」と理解し、「自分たちなら、こうしたいかな」と興味を抱いていただき、「行ってみようか」という行動へつながります。反応されるお客様は「本気で住まいづくりを考えている」ということですから、「本気度の高い集客」が可能になります。
そして、この方法は、お客様ごとに異なる楽しみ方にも対応できています。
参考記事:【2024年 おすすめ】集客のポイントは、年代ではなく「コト」に絞ってターゲット層を決めること
まとめ
従来からの「大量集客」し、その中から感触が良かったお客様のみを営業の対象にするという集客は、今後は難しい集客方法です。「量」を求める集客ではなく、来場されたお客様を着実に受注するための本気度が高いお客様という「質」を求める集客へ転換することをおすすめします。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子