モデル住宅が「楽しそうでしょ」と語りかける集客

コミュニケーションの80~90%以上は視覚情報によるものだと言われています。言葉によるコミュニケーションは、思っている以上にそのウェイトは少なくある意味驚きです。総合住宅展示場、もしくは単独住宅展示場のモデル住宅の集客の手法についても考え方を変える必要があります。「玄関前にテーブルを出して呼び込み」などは一定の効果はあるというものの、「これで良いいのか」「前線ではこれぐらいのことしかできない」という声はいつもあります。そもそも「モデル住宅が集客の主役」です。主役であるモデル住宅に「楽しそうでしょ。この住宅での暮らしは」と視覚的に語りかけてもらうというのが「前線で出来る集客策」です。

Contents

「楽しい暮らしが出来そうなモデル住宅」は意外と見当たらない

総合住宅展示場を歩いてみても、あるいは「ああ、あそこにあるな」と気づいてはいるが行ったことがない単独住宅展示場も、「楽しい暮らしが出来そうなモデル住宅」には見えません。賑やかしの昔ながらの手法で万国旗を飾ったり、風船を飾ったり、「マスコットキャラクター」や「ゆるキャラ」を表に出したりはしても、「楽しそうな暮らし」を訴えかけて来るモデル住宅は中々見当たりません。何かモデル住宅の集客の主旨が間違っているのではないかと思います。総合住宅展示場の主催者が「アンパンマンショー」で集客数を確保した数字を出展企業に伝えても、「こういう集客じゃ、住宅の客じゃないよね」とブツブツと不平が聞こえてきますが、同じことを各モデル住宅で行っているように見えます。
楽しい暮らしが見えるように工夫をしましょう。モデル住宅に「楽しそうでしょ、このモデル住宅での暮らしは」とモデル住宅にビジュアルな視覚情報の発信で語り掛けてもらいましょう。

「キャンプをテーマ」にしただけでも楽しい暮らしが伝わる

幾つかの会社で「お家でキャンプ」あるいは「お家でもグランピング」というテーマで可能な限りリアルで「ド本気」のセッティングのグランピング企画を実施しました。リビングを開け放し、ウッドデッキを一杯に使って「どうだ楽しいだろう」「お家でここまで出来るんだぞ、グランピングが」とモデル住宅に前を通るすべての人にインパクトを持って伝わるように、ビジュアルで語りかけてもらいました。効果は絶大です。集客数はそんなに増えませんが、目的を持った方が来場されますから「暮らし触発営業」が最初からできています。その結果、「こんなことも、あんなこともできそうだねと」新しい住いでの楽しい暮らしが具体的に見えたというお客様が多く、受注へ直接結びつくお客様が中心で、しかも短期間で成約に結び付きました。モデル住宅によっては2階のベランダや、屋上でも「こんなグランピングはどうですか」的な提示もでき、「アウトドアを楽しむならあそこを見た方が良い」とSNSで波及していきました。モデル住宅による楽しい暮らしの発信例です。

●インナーガレージのあるモデル住宅

インナーガレージのあるモデル住宅は結構あっちこっちにありますが、ミニクーパーなんかが置いてある程度です。それでも具体化して見えるので効果はありますが、インナーガレージの中まで完全に作り込んで「こういう車の楽しみ方はどうだ」とか、バイクいじり、オールドカーのレストア、陶芸のスペースとして電気釜まで用意して、楽しみ方のバリエーションも発信します。あの手この手のアイデアは社員の発想力の問題です。
手間もお金もかかりますが、「受注につながる楽しい暮らし」のモデル住宅を使っての発信は受注に結び付き効果的です。SNSなどでの情報発信と併せると、新たな客層を拡げ、自社商品の魅力的な付加価値を伝えることができます。

●お客様の想像力を利用する

「お家でキャンプ」とかで発信すると、そういう客しか来ないのかと考えがちですが、お客様はモデル住宅からの発信情報を「自分なりに昇華」して来場されます。「キャンバス生地をパーゴラの上に張って地中海の海岸通りにあるようなカフェのような雰囲気でホームパーティがしたい」というように「お家キャンプの触発がそのお客様の実現したいコト」を引き出しています。
「インナーガレージ」の発信も、実際の来場者で程度の差はあっても、車いじりがしたい人は1割程度であとの方は「花屋を妻がやりたがって」とか「途中で雨が降っても大丈夫だから近所のお子さんを遊ばせるアウトドアのプレイルーム/スペース」にしたいとか、まさにお客様の多様な発想に驚かされます。お客様の想像力を触発したのはモデル住宅での「こんな楽しい暮らしができますよ」のビジュアル化による「見ただけでワクワクする暮らし」が伝わる「ド本気」の暮らしディスプレイです。

まとめ

集客は量を追う時代から受注につながる集客の質の時代に入ったと思います。また、コミュニケーションの大半はビジュアルによるものということから、集客の場の主役であるモデル住宅に「そこでの楽しい暮らし」を発信させるという視点を持ってください。
ただし、受注に直結させるためには「暮らし触発営業手法」や「気づき共感営業手法」の修得が必要です。3カ月に1度程度のモデル住宅からの楽しい暮らし発信内容の新規企画も含めて営業手法と集客企画の在り方も変革が必要です。

「暮らし触発営業」についてはこちら。

「気づき共感営業」についてはこちら。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
代表取締役社長 松尾俊朗
一級建築士

関連記事

住宅営業は何処が競合先と考えて行動すべきか

競合先を考えるとき、同じエリアで住宅事業を展開している価格帯が同じ住宅会社/工務店を考えるというのはごく一般的です。これは、私たちが住宅業界という世界でビジネスをしている以上そう考えるのが普通です。ところがお客様視点で考 […]

住宅の価格アップ時代には「気づき共感営業」が強力な武器になる

住宅業界は30年振りの価格アップ時代に突入しました。「超低金利デフレ時代」が続きましたが、外的要因によって資源/資材のインフレへと急速に転じています。住宅価格アップ時代に適応させ、住宅事業を発展させる方策がこの春からは必 […]

「モノからコトへ」の住宅事業の新スタイル

景気は回復基調にありますが、目の前の集客が少ないとか、建設資材は上がり続けるとか、明暗が混ざった昨今の市況環境です。もう少し全体を俯瞰して考えてみると、自動車産業と同じように住宅産業も100年に一度の大変革期に差し掛かっ […]

新着記事

建築資材高騰で坪単価アップへの対応

建築資材高騰で坪単価アップが加速しています。コロナ禍での世界的な原材料不足に加え、インフレで住宅業界のみに限らず大きな影響を受けています。日本は新型コロナウィルス感染拡大からの景気回復が遅れており、中国やアメリカなどに材 […]

顕在化する住宅業界の集客数減少対策

集客数が減少していく時代の見込み客増加策は、「住宅の購入に対して本気度が高いお客様をどれだけ集客できるか」です。 これは今後、住宅会社の受注数に影響します。従来の住宅会社の集客方法とは別角度からの見込み客獲得策について考 […]

【営業会議の進め方】受注につなげる作戦会議の場が営業会議

本来の営業会議とは、いかにして受注を獲得するかを検討する場ですが、営業活動の進捗報告、目標達成見込報告、その報告をうけて上司が住宅営業担当者に指導とはかけ離れたしっ責が延々と続くなどの営業会議の進め方をされている工務店・ […]

モデルハウス・住宅見学会への「集客数の減少」をお客様の視点から見てみると

モデルハウスや住宅見学会で、「集客が伸びない」「来場者数が減った」という声は、コロナ禍に突入してから多少の波はありますが常態化しています。また、人口減少や物価高などの社会情勢の影響もあり集客数は減少していますが、いずれに […]

【工務店・住宅会社のSNS集客のコツ】必要なのは、たった1つの要素

住宅建築適齢期の20~40代は、SNS世代です。利用されているSNSは、Instagram、Twitter、LINE、YouTube、TikTokなど多数存在し、住宅展示場や完成住宅見学会や相談会などへの集客には、SNS […]

ハウスメーカー・住宅会社・工務店集客数減少 → 受注棟数減少の解決策

住宅展示場協議会と住宅生産振興財団が発表した2024年2月の住宅展示場の来場者組数は、対前年同月比2.7%増の24万9423組とのことです。2024年1月の減少から増加へと転じましたが、様々な理由で、従来通りの集客数は見 […]