注文住宅のビジネスモデル転換
2026/03/11
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縮小した市場で、何を変えるべきか
日本の注文住宅市場は、長期的な構造変化の中にあります。
22000年、日本の持家着工戸数は約43万戸ありましたが、2025年は約22万戸前後まで減少し、持家市場は金額ベース(物価変動調整済)で2000年比約60%の水準まで縮小しています。さらに今後も人口減少の影響で、この傾向は続くと考えられています。
そこに加わっているのが物価高です。
建築資材価格は2021年比で約1.5倍。
住宅価格はこれだけで平均800万円/棟以上も上昇しています。
需要が縮小した市場で、価格が上がった商品を販売するという難しい環境に置かれています。
1.多くの住宅会社が陥っている発想

この状況の中で、住宅会社の多くが考えていることは次のようなものです。
・集客を少しでも増やしたい。
・値ごろな土地さえあればなんとかなる。
・顧客の予算に合わせて調整するしかない。
従来型のビジネスモデルの発想です。市場が6割減にまで縮小した現在、この発想では受注が伸びません。顧客は価格に敏感になり、企業は延床面積を小さくし、窓数も減らすなど、予算合わせに走り、契約に持ち込もうとします。
このようなことを続けているなら、顧客は、「節約」のため、ローコスト系住宅や建売分譲住宅という選択肢にとどまらず、賃貸集合住宅も含めて別の住宅市場へシフトしてしまい、さらに需要を失います。
■注文住宅を選ぶ理由はそこにはありません。
2.自由設計という言葉の誤解

注文住宅は自由設計が特徴と言われます。
この言葉が独り歩きしてしまい、顧客も住宅会社側も誤解しています。
自由設計の本来の意味は、「超長期耐久消費財」である住宅特性から、新築後約60年間という生涯時間の7割以上を過ごす住宅が、家族の成長とともにその「ライフステージ」での暮らしの、変化に対応できるように、その家族の暮らしにフィットした住まいを創るということです。
暮らしとは「場とコトと登場人物」で構成されていますから、家族の成長で「こころ豊かに楽しく暮らす」内容も変化します。顧客は、どうしても住宅を建てる時点での「現ライフステージ」発想で、しかも、結果として住まいづくりに関しての狭い範囲の知見で住宅会社に要求を出されてしまいがちです。もちろん最近の若い方は将来不安ですから、1階に寝室を持ってきたいとか、平屋の方が良いとか、それなりに考えておられますが、これは「一般論」であり、しかも最も重要な子育て期間の30年間を飛ばしての「概念的結論」から出た要求です。
3.顧客と一緒に考え「プロが暮らしを設計する」視点

ところが現実には、「お客様がそう言ったから」「お客様のご要望だから」という理由で、設計の主導権を顧客に渡してしまうケース(「言いなり営業」と「言いなり設計」、或いは「提案という名の(自社の定番押付プラン」)が一般化しています。
つまり、住まいづくりのプロとしての機能を安易に捨て、本来の暮らしを創る立ち位置を放棄している状態です。結果として、顧客が設計者(?)となり、住宅会社の設計者は「図面作成者(人間CAD)」になってしまっています。
4.顧客は自身の「未来の暮らし」に気づいていない

現在の物価水準で、注文住宅を納得のいくレベルで建てようとすると世帯年収1000万円前後クラスが主な顧客層が対象になります。結果として40歳前後の共働き世帯で子どもを育てることを人生に組み込んでおられ、こころ豊かに楽しい家庭を築かれていく未来を想定してられる顧客が中心です。
ところが現実には顧客が見ているのは現在のライフステージだけです。

・新婚期
・家族形成期
・家族成長期
・家族完成期
・大人家族期
・ゆとり期
・老後期
と、子育て期間の仕上期である「家族完成期」「大人家族期」までは、概ね6年単位で、ライフステージは上がり、変化して行きます。つまり住まいとは、「人生の7割以上の時間を支える器」です。
顧客がそこで過ごす「質の高い時間を提供するビジネス」が注文住宅ビジネスの本質です。
■「住宅造り」ビジネスモデルから 「暮らし創り」ビジネスモデルへの転換」が必要です。
5.注文住宅の本当の価値

注文住宅ビジネスは建物を建てて、販売し利益を得ています。しかし、「注文住宅の本当の価値」は建物ではありません。顧客の生涯に亘る(約60年間)「未来の暮らし」です。
ご家族がこころ豊かに楽しく暮らしていただくことが価値であり注文住宅の本質です。
住まいづくりの落とし穴もここにあります。重要なポイントは、住まいづくりを始めるときに、「顧客がまだ実現したい未来の暮らしに気づかれていない」ということです。
・現在のライフステージで「実現したい暮らし気づいていただき」
・未来のライフステージで「実現したい暮らしに気づいていただくこと」
が、住まいづくりでは最も重要な営業上のポイントになります。
例えば
・子どもが成長したときの家族関係
・共働き家庭の生活動線
・家族が集まる暮らしの重心空間
・夫婦の将来の生活
という抽象的な概念ではなく顧客の「未来の暮らしを可視化」することで、触発され、「未来のワクワクする」実現されたい暮らしに気づいていただきます。顧客は「こんな暮らしを実現したい」と感じます。この瞬間、住宅は単なる建物ではなくこころ豊かな人生を実現するプロジェクトになります。そしてこのとき、「予算は絶対」と仰っていたお客様ですら、価格が優先順位の一番ではなくなります。
6.受注歩留率と契約金額が上がる

このような住まいづくりを行う企業は、「価格競争」に巻き込まれず、「受注歩留」が高くなり、「契約金額」が伸びます。つまり少ない見込客で大きな成果を出すことができます。
市場が縮小している今、必要なのは集客数ではありません。集客の質と受注の質です。
営業と設計/プレゼンも含む「暮らし創り」のしくみを有しているということと、この新しいビジネスモデルへ転換する決断です。
7.ビジネスモデル転換のジャストタイミング

住宅市場は縮小しています。しかし、まだ需要はあります。現状規模の需要があるうちにビジネスモデルを転換することが重要です。
市場がさらに縮小してからでは遅いのです。住宅会社は、「住宅を売るビジネス」から「暮らしを創るビジネス」へ転換する必要があります。
まとめ
■ハウジングラボが提供しているのは「注文住宅の新たなビジネスモデル」と「現状から円滑に移行するための具体策」です。
ハウジングラボは26年以上に亘り、様々な環境変化に対応し、継続して住宅会社の営業・設計・商品企画・人材育成・経営戦略を支援してきた実績があります。
現在の住宅事業から新しい注文住宅ビジネスモデルへ転換するための
・営業手法
・設計手法
・運用プロセス
・人材育成プログラム
を体系化してテストランも行ない効果も確認済みです。
・テキスト
・動画教材
・チェックリスト
・専用ツール
を活用しながら、営業・設計・マネージャーの現在までの実績スキルをベースにした現実的な「注文住宅事業のビジネスモデル転換」を実現する、実戦型コンサルティングを行っています。
景気動向は、世界秩序の揺らぎによって不確定要素もある中ではありますが、比較的景気回復が進んでいる現在の市況環境が住宅事業のビジネスモデルを転換するタイミングです。
新しい注文住宅ビジネスモデルへ転換するための個別相談を承っています。
貴社の状況に合わせた導入プロセスや具体的な支援内容について、オンライン(Zoom)で個別にご説明いたします。
まずは、お気軽にお問い合わせください。住宅事業の未来を変える第一歩は、ここから始まります。
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https://www.housing-labo.com/seminar
執筆者
株式会社ハウジングラボ
代表取締役 一級建築士 松尾俊朗