住宅営業で「プラン」を「訪問ツール」に使うと失敗する

注文住宅営業は「知力」が問われます。現在接客対応している、このお客様は営業プロセスのどの位置にいるのか、一つ一つの行動の目的を考えて、効果的な動きをしないと受注は上がりません。そういう時代です。初回面談ではアンケートで、ある程度個人情報が取れれば、それでよい、先ずは自社の強みを訴求したい、というような「ほとんど考えていない」ような営業レベルでは、受注が上がるとは思えません。特に次アポについては「次アポを取得する」ことが目的化し、それをKPI(キー・パフォーマンス・インジケーター)として管理している会社も多く見受けられます。

誰でも次アポが取れる「土地紹介」と「FP」、そして「プラン提出」は次アポ獲得の「3大コンテンツ」になってしまっています。これを使えば初回面談後、上手くすれば3回は続けて次アポが取れるかもしれません。でもそれだけです。受注にはつながりません。

初回面談後の受注につながる「次アポ」の内容という「質」が欠落

確かに「土地紹介」「FP」「プラン提出」は、誰でもアポが取れますから「仕事をしているような気分にはなれます」。また、確かにこれらの3つの内容について、住まいづくりの「ある段階のプロセス」では必ず必要になりますので、実施した方が良いという項目ではありますが、「この今のタイミングで実施することなのか」ということが問題です。

住宅会社の拠点での営業ミーティングでこの点が論議されていないということが多く、それを指摘しても「なんでそんなことを聴くのですか?」という顔をされ、時々驚かされます。まるでトランプ遊びの「七並べ」で手持ちの使えるカードから(結果として対戦相手が喜ぶカード)、自分の首を絞めるカードであっても次々に並べて行く、自滅型の「七並べ」です。「知力」を使っていないということは、勝つ気持ちが無いということです。「七並べ、ごっこ」という稚拙なトランプ遊びです。仲間と遊んでいる感はあると思います。
初期に「プラン提出」をするのも同じで「住宅営業ごっこ」です。「仕事している感」は前述の通り持てると思いますが、これではプロの営業の行動では無く受注は上がりません。

「プラン」は「次アポ獲得ツール」ではなく「クロージングツール」

そもそも「なぜこのタイミングでプラン提示したのか」と営業へ問うと、「お客様がとりあえずプランを出してください」と言われたので、あるいは「他社がプラン出しているので、出していないのは当社だけだから」という程度の話しの堂々巡りで埒(らち)が開きません。つまり「目的」で考えずに、ただその場のあやふやな話に「流されている」状況です。

そもそも「そのプランはどのような情報に基づいて作成すれば良いのでしょうか」という、設計の問いには「とりあえずプラン」ですからというのが営業の回答です。お客様の暮らしや考え方にフィットするはずもなく、そのような調子で作成されたプランは「良くても他社同等」レベルでしょう。無駄な仕事をさせられる設計こそいい迷惑です。

お客様が新しい住まいで「実現したいコト」が明確になり、資金計画や敷地条件内で「これだけは実現したい」と「暮らしの重心」が共有化できてから提出するプランは、お客様が楽しみに待っていてくれるプランです。初回のプレゼンで実質的に契約成立します。つまり「プラン」は「クロージングツール」です。

「FP」は必要に応じて切るカード

すべてのお客様にFPを行うという会社もありますが、必要ではないお客様に対しては余計なお手間を取らせているだけです。
当初お客様が心の中で「こんな感じかな」と思われていた「予算」では、ご自身がこれから先、半世紀以上に亘って暮らす住まいを考える中で、思うような住宅が建てられずMax資金計画を精度高く確認したい、というような場面ではFPは極めて有効な手段です。

FPを実施する目的とタイミングをよく考えて実施しましょう。

「土地情報」はMax資金計画と実現したい暮らしを共有化してから

そうは言っても「土地」「土地」「土地」とおっしゃられるお客様はいらっしゃいますが、「そうおっしゃっても住まいづくりは土地ではなく住宅が先です」と押し問答せずに、「お客様を受容れて」お客様の土地に対するお考え、条件などをしっかりと共有化させていただき、全力でご希望に叶う条件の土地探しも約束します。一方で「土地の件は承知しました。次週までに対象エリアの中から、物件をプロの目で2件に候補を絞ってお持ちします」として、折角ご来場されたのですからと、モデル住宅で暮らしへの触発と気づきを重ねるようにします。

「新しい暮らしで実現したいコト」を住宅と土地、さらには資金計画のバランスを取りながら現実的なエリアの土地へとお客様が決心できる情報を提供するという、受注戦略を持ったバランスの取れた土地情報提供が必要です。「受容れるが言いなりにならず、お客様が幸せに暮らせる住まいづくりとなるアウトプット」を目指します。

まとめ

「次アポを取る」ことが目的ではなく「受注に向かうステップを上がる次アポ」にするためにはどのような内容にすべきか、ということを「個々のお客様の要求やお考え」も受容れて理解しながら考えます。
注文住宅営業は「知力」の戦いです。イージーにアポが取れるからと「プラン」作成の約束や、何度も土地情報をお持ちするという「無駄な営業」をすべきではありませんし、そのようなことを繰り返していては受注に結び付きません。
お客様によって様々な事情や状況がある注文住宅営業では、一人の「知力」では限界があります。
チームの経験/知識を総動員して、「チーム脳」を駆使することで受注に近づけます。

ハウジングラボでは、受注に有効な訪問、次アポで実戦で結果を出すための受注検討ミーティングを研修で行っています。チーム全員で受注を取る『チーム脳』を活用したミーティングの具体的な手法を実戦を通じて身に着けていただけます。
是非お問い合わせください。

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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
代表取締役社長 松尾俊朗
一級建築士

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