住宅営業の1丁目1番地は「お客様を受容れる」こと

春の需要期に入ってきていますが、思うように集客できないという住宅会社が多いのではないでしょうか。
住宅営業には売りづらい時期かもしれませんが、30年近くに亘って長期にデフレと超低金利が続いた方が異常な事態だったと思います。
そんな中で来場された新規客を取りこぼさないということが、重要な営業活動の考え方になってきています。
そのためには先ず「お客様を受容れる」ことが最初の一歩です。

「話を聴いて欲しい」お客様と「自社の特長を話したい」住宅営業

住宅営業が自社の商品特長を早く伝えたい気持ちもわかりますし、このお客様の資金は大丈夫なのだろうか、土地はお持ちなのだろうかと、早くお客様へお聴きしたい気持ちもわかります。
しかし、そのような初回面談は「全くの間違い」です。
お客様は話を聴いてもらいたいのです。
その内容についても、住宅営業が聞きたい内容の情報でなく、むしろ「無理ですよ、そんな話!」というようなことであったとしても、「お客様の住まいづくり」なのですから、先ず、住宅営業がお客様のお話しをお聴きするのが「普通」です。
マシンガントークのように、住宅営業ばかり話し続けるのはもってのほかです。

先ず、「お客様を受容れて話しをお聴きします」。
「お客様を中心に置いた住まいづくりが基本」です。
お客様ファーストです。

顧客満足の3段階の心理を理解する

1、顧客満足度の第一段階
:営業に受け入れてもらえたことでお客様が「認められた」と感じる満足段階。

2、顧客満足度の第二段階
:営業が話をよく聴いてくれたとお客様が「重視された」と感じる満足段階。

3、顧客満足度の第三段階
:営業が意図を理解してくれたとお客様が「特別扱いされた」と感じる満足段階。

つまり、お客様を「受容れ」、よく話を「お聴きし」、お客様の話の意図を「理解しよう」とする住宅営業の接客態度が、お客様自身がプロの住まいづくりの住宅営業に「認められ」⇒「重視され」⇒「特別扱いされた」と感じていただければ満足度が高くなり、お客様を住宅営業がコントロールすることができるようになります。

●徹底的に「受容れる」

中途半端にお客様のお話しをお聴きするのではなく、「徹底的に」受容れてお聴きします。
しかし、「受容れる」が「言いなりにはならず」、お客様の「メリットになることをひたすら考えて行く」のが住宅営業の姿勢です。

これによって、お客様は「認められた」という初期の満足を得ます。
これでお客様が住宅営業と向き合ってくださいます。
例えば、キッチンを出来るだけ広くというご要望であれば、どれほど広くしたいのかなど具体的にお聴きして受容れます。

●お客様のお考えを「重視する」

お客様の話を十分によくお聴きします。
「住宅営業がもう十分に話は聞けた」と判断するのではなく、「お客様ご自身がお話になりたいことを十分に話せた」と満足されるまで十分にお聴きします。
判断軸はお客様側にあります。


これによってお客様は、ご自身の住まいづくりについて「重視された」と満足度が上がります。
このプロセスで、どのようなコトをされたいのかがある程度見えてきます。
「実現したいコト」の共有化につながります。
休日にはキッチンで夫婦一緒に、あるいは家族一緒にワイワイ食事を作って食べたいから広いキッチンが欲しい、という「実現したいコト」が見えてきます。

●お客様の「意図を理解する」

食事を作ることが目的ではなく、家族で料理をするときの楽しさが、この「広いキッチン」を要求されている意図だということにお客様も気づき、住宅営業も共感して「それならこんな工夫をしましょうか」という「特別扱いを受けながら」、意図をよく理解してもらったというお客様の満足感が住宅営業への信頼感につながっています。

●敷地と資金の制約の中で優先順位を決めることができるようになる

お客様を受容れるところから始まって「顧客満足の3段階」で丁寧に対応し、お客様への住宅営業の接客に対しての満足度が上がれば、「何を捨てて何を残すのか」という敷地や資金面での制約の中で現実的な妥協点を求める話にも前向きになっていただけます。

「お客様の新しいキッチンに対する意図を再確認」して「実現したいコト」を明確にすれば、「妥協」ではなく「この暮らしが手に入る」とご納得いただくことができます。

まとめ

「住まいづくりはお客様が中心です」。
分かっているようで、いつの間にか「住宅会社中心」「住宅営業中心」になってしまっているのが現状の住宅営業の問題点です。

「天動説から地動説への転換」です。

住宅営業が描くシナリオ通りに従ってくださるお客様だけを狙っていたのでは、現状の集客数の少なさを考えると受注棟数の確保は難しいと思います。
「全てのお客様を受注する」ためには、先ず、「お客様を受容れること」です。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
代表取締役社長 松尾俊朗
一級建築士

関連記事

新着記事