住宅営業の新人を即戦力化する! モデルハウスや見学会でのご案内応対ツールが味方になる

ご来場された全てのお客様への接客応対を営業のエースやベテラン営業が対応できるわけではありません。
週末には住宅営業担当が住宅展示場に詰めていても、平日は、住宅営業担当者は営業活動をするため常駐しているわけではなく、住宅展示場アドバイザーの方がお客様に対応していることが多いものです。
見学会でも住宅営業担当者だけでなく、他部署からの応援で駆け付けた方がお客様に対応することもあるでしょう。

従来は、新人には数か月もの間、お客様への応対をせずに、社内の研修や住宅営業訓練が終了してから、ようやくお客様の前に立てるようになっていました。

しかし、営業活動のすべてを新人が行うことは難しいですが、初回面談の一部分だけでも入社したての新人が担当できるだけでも変わります。

お客様にとっては、誰が対応していようと関係ありません。
住宅営業の新人に限らず、住宅展示場のアドバイザーや他部署から応援に来た方が対応した場合でも、一定以上のクオリティで接客応対をしなければなりません。

今回は、誰が接客をしても一定のクオリティを実現し、新人を即戦力化できる初回面談応対ツールについて解説していきます。

Contents

新人にベテラン営業の会話スキルは求められない

初回面談では、お客様とコミュニケーションを取り、自社住宅の特徴をお伝えする必要がありますが、ベテラン営業のような会話スキルを新人に求めることはできません。
特に、自社住宅商品の特徴をお伝えする場合の住宅建築の知識が求められるような場面では、新人はそもそも知識が不足し成立しません。

少なくとも、お客様とコミュニケーションを取るにあたって、住宅建築知識や自社住宅商品知識、会話スキルの代わりになる補助ツールが必要です。

会話以外のコミュニケーション

お客様とのコミュニケーションに必要なのは会話だけではありません。
人間の情報取得の8~9割が目からの視覚情報と言われています。
会話で耳から入ってくる情報は1~2割に満たないということです。
新人のため会話スキルを持っていなくても、お客様に視覚情報からお伝えできれば、お客様に自社住宅商品の特徴をお伝えできます。

この時に気を付けなければならないのが、自社住宅商品の特徴が詳細に書かれている資料をお客様にお見せするのはNGということです。
せっかく来場しているのに、ホームページや資料請求でわかる情報をお伝えしているだけでは来場していただいた意味がありません。
来場していただいた場所で自社住宅商品の特徴が伝わり、お客様のお住いの計画を進めることに役立つ内容である必要があります。

視覚的コミュニケーション

お客様をご案内している場所、例えばリビングを案内している時には、『いいリビングを作るための情報』をお届けします。

左図の資料は『いいリビングを作るための情報』をお伝えする資料の一部です。
この資料をお客様と一緒に読むことで、

『明るさ感』と『開放感』があるとリラックスしてくつろげ、家族が自然と集まるリビングになり、『明るさ感』を生み出すために大きな開口部(幅、高さ)や吹き抜けや夜間照明の工夫などをしているので、実現できている

という自社特徴についてお客様にお伝えすることができます。

人間は初めて知る情報については、理解できるまでに少し時間が掛かります。
資料一枚当たりの文字での情報量を抑え、画像など視覚情報を入れると、お客様がパッと見てわかる資料になります。
お客様がパッと見てわかる資料を一緒に読むことで、視覚情報でのコミュニケーションが成立し、新人でも自社住宅商品の特徴をお客様にわかりやすくお伝えすることが可能になります。

新人を即戦力化するツールの活用方法

お客様がパッと見てわかる資料を、より効果的に活用する案内方法があります。
お客様と一緒に資料を読むと、視覚情報でわかりやすく自社住宅商品の特徴をお伝えすることはできますが、お客様は頭で理解できたという状態です。
これでは、まだお客様に本当に自社住宅商品の特徴を伝えられたことにはなりません。
お客様に実感を持って自社住宅商品の特徴をお伝えする必要があります。

お客様に体感体験をしていただく

ご案内している場所を体感体験していただくことで、体感的にも頭でも自社特徴を理解していただくことができます。
ただし、体感体験をしていただいて良さを実感していただくには、例えば先ほどのリビングにただ座っていただいているだけでは伝わりません。
「『明るさ感』についてはいかがですか?」と、体感していただいている方向性を指定して、初めてお客様に実感していただくことができます。

『いいリビングを作るための情報』の資料に書かれている『明るさ感』について体感していただいた感想について質問をすることができますので、何を質問しなければいけないのか覚える必要がありません。
新人の住宅営業担当者は、説明する内容や質問しなければならない項目が多いと、緊張などで慌ててしまったり飛ばしてしまったりしてしまいます。
お客様にお伝えすること、質問する内容が資料に書かれていると安心して案内に集中することができます。

ご案内場所ごとにツールを配置

全てのツールを持ってご案内をすると、ツールを出すときに中々出せなかったり落としてしまったりとバタついてしまうことがあります。
ラミネート加工するなどして案内場所ごとにツールを配置していくことで、スムーズな案内ができるようになります。

お客様をご案内する場所全てで、お客様に自社住宅商品の特徴がパッと見てわかる資料で頭で理解していただき、体感体験していただくことで、自社特徴を複合的にお伝えしていくことができます。

まとめ

住宅展示場や見学会では、すべてのお客様に対して十分な接客スキルを持った住宅営業担当者が対応することはできません。
新人や他部署からの応援、住宅展示場アドバイザーの方が対応するときでも、一定以上のレベルでの対応ができていなければ次につながりません。

会話スキルをまだ習得していない新人でも、お客様の住まいづくりに役立つ内容で自社住宅商品の特徴を伝えられるツールを活用します。
文字の情報量を抑えて写真などビジュアルなデータを入れた、お客様がパッと見て伝わる資料にすると、お客様が初めて知る内容でもわかりやすく伝わり、お客様と資料を一緒に読むことで建築知識のまだ無い新人でも対応ができます。

お客様に実感的に自社住宅商品の特徴をご理解していただくために、ご案内か所でツールを使い頭で理解したことを体感体験していただきます。
体感体験していただく際には、何を体感していただきたいのか方向性を示すことで、お客様も実感していただきやすくなります。


ツールをお客様と一緒に読み、内容をお伝えし、書かれている内容を体感体験していただくことで自社住宅商品の特徴を理解していただく手法は、説明することや体感体験していただくことがツールに書かれていますので、新人や応援スタッフは覚える必要がなく気持ちに余裕をもって接客ができます。
建築知識や自社商品知識が不十分で、会話スキルが拙い新人でもツールの使い方さえ覚えれば即戦力化できます。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
企業サポート事業部
取締役事業部長 松尾励朗

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