新卒の住宅営業新人をGWから戦力化させる方法

春になると新卒新人が入社される会社も多くあると思います。
「早く一人前にと会社は考え」、「本人も早く戦力になりたい」という気持ちで両者の方向性は一致しています。
ところが実際には「そうは言ってもそれなりの時間はかかる」と上司、先輩は考えています。
総論一致ですが、実務面では乖離した状態が会社と新卒新人の間に存在します。

このギャップをどう埋めて即戦力化するのか。
特に住宅営業の新卒新人に絞って早期戦力化について考えてみたいと思いまます。

新卒住宅営業新人の育成目標を明確にする

育成目標は「期限・質・量」を明確にして、育成担当者(チューター役の先輩)と新人が共有化します。

・期限:4月末から始まるゴールデンウィーク(GW)で初回面談対応デビュー
・質 :初回面談対応ができ受注に有効な内容で次アポ取得可能なスキルの修得
・量 :GW期間中に1件の有効な次アポ取得

受注プロセスのすべてについて一人前にするというのではなく、初回面談という単独でしか対応できない受注プロセスの最初のステップで成功体験を目指します。

20日間で初回面談を成功できるレベルへ育成する

4月入社の新卒住宅営業社員を実働20日間で初回面談対応で成功させるスキルへ引き上げるためにはどうするのか、という発想で考えます。

育成研修方法の目標設定(期限・質・量)です。

・期限:GWの初日まで
・質 :初回面談で受注に有効な次アポ取得可能なスキル修得研修(テキスト・見本動画・ロープレ訓練)
・量 :研修時間20日×4時間=80時間+自主トレ

教材と研修方法は次のように進めます。

・テキスト(A4サイズ2~4枚程度):初回面談から受注までの全体の流れ+初回面談のポイント
・見本動画(5カットに分けた動画):「来場~アンケート取得/案内方針設定」から始まり「エンディング着座」までの先輩営業の5カットに分けた見本動画
・朝2時間(1時間のロープレ訓練〈5つに分けた部分ロープレ訓練〉+1時間のフィードバック〈自身のロープレ訓練動画を見ながら指導者からフィードバック〉)、同様の内容で夕方2時間の訓練

●動画とロープレ訓練中心の育成研修

先輩が制作した初回面談の見本動画を5つのパーツに分け、先ずは「真似」するところから育成研修はスタートします。

テキストはポイントを頭に入れるという位置づけです。

毎日2回各2時間づつ新人教育係の先輩がロープレ訓練を指導しながら実施します。
また、各回のロープレ訓練時には必ず録画します(フィードバックに活用します)。

新人より教育係の先輩がこの新人訓練期間内は確実に訓練時間を確保できることがポイントです。

●ロープレ訓練よりフィードバックが重要

新人のロープレ訓練の状況を見ていれば、先輩の指摘していることは周囲にいる方々は理解できていますが、「新人本人だけが自身の初回面談状況を見ていない」ので指摘内容を理解できずにいます。

したがって、ロープレ訓練1時間に対してロープレ訓練時の動画を見ながらポイントを絞って先輩から新人へフィードバックを行います。

このフィードバックがあって初めてロープレ訓練は有効になります。
ロープレ訓練時には必ず連続する時間内でフィードバックを行ってください。

初回面談ロープレ訓練を自主トレで補強

朝夕の初回面談ロープレ訓練とフィードバックを新人が有効に吸収していただくためには、「自主トレ」が欠かせません。
複数人の新人が入社している場合は、新人同士でロープレ訓練やフィードバックを相互に実施しますが、人数が少ない場合は先輩や他の部署の管理職も応援に入っていただき自主トレを進めます。
全社挙げての新人戦力化プロジェクトです。

●訓練「後半日程」は「実戦編」で進めます

20日間の訓練期間の内、前半は初回面談を5パーツに分けて部分ごとの習熟度を上げて行きます。
後半は、実戦を想定して「よくあるタイプ」のお客様バリエーションで、多少の揺さぶりをかけても、お客様をコントロールできるかという実戦編で訓練を進めます。
あまり難易度を上げすぎないように注意しながらも実戦を想定したロープレ訓練を実施します。

●住宅営業責任者による検定と訓練修了証書授与

訓練最終日に住宅営業責任者による検定を行い、60点以上レベルに達していれば「初回面談訓練修了証書」を授与してGWデビューをしていただきます。

80時間(自主トレ含むと相当な時間)の努力の評価と共に、「初回面談という限定した段階」ではあるが「プロの営業として認める」ことでデビューへのモチベーションアップを図ります。

まとめ

どの企業にとっても将来を担う新人の戦力化、特に新卒新人の戦力化は重要です。
育成目標を明確に定めて短期間で戦力化を図るという考え方を実践してください。
初期教育を集中的に実施できなかった場合、「新人でもなく一人前でもない」、という実力は無いが年月が経ってしまったという「モラトリアム若手社員」の在庫が増加するか、入社して間もない早い段階で他社へ、他業界へと人材が流出していきます。
是非GWデビュー可能な新人育成を図っていただきたいと願っています。

【参考住宅営業研修】
気づき共感営業研修
  効果:初回面談でNo.1工務店/住宅会社として認めていただけます
・いい暮らし実現営業研修
  効果:受注成否の80%を握る初回面談を確実に成功させます

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
代表取締役社長 松尾俊朗
一級建築士

関連記事

住宅営業に役立つ持ち物とは

住宅営業の持ち物についてですが、モデル住宅内、あるいは内見会(完成住まいの現場見学会)などの住宅内で営業活動を進めるために、有効に使う持ち物について考えてみたいと思います。 モデル住宅を有効に使おうとすると、本来、初回面 […]

住宅営業の新人を即戦力化する! モデルハウスや見学会でのご案内応対ツールが味方になる

ご来場された全てのお客様への接客応対を営業のエースやベテラン営業が対応できるわけではありません。週末には住宅営業担当が住宅展示場に詰めていても、平日は、住宅営業担当者は営業活動をするため常駐しているわけではなく、住宅展示 […]

住宅営業の基礎力を身に付けるために

住宅営業には会話力、プレゼン能力など様々なスキルが求められます。もちろん、自社住宅商品や住宅建築に関する知識は前提として必要ですが、最初に身に付けるべきスキルは「お客様に見られるスキル」「お客様を見るスキル」です。 Co […]

新着記事

2023年 住宅営業のトレンド

インフレや住宅ローン金利の上昇などの家計を圧迫する要因がある場合、お客様は資金に対して「節約志向」です。「今まで、この営業方法で上手くいっているから」という理由で従来通りの営業を進めると、お客様の思考や言動に対応できずに […]

プライスレスの価値を持つ中高級住宅とは

ウッドショックによる住宅関連資材の価格高騰やインフレによって住宅価格は300~400万円ほどアップし、さらには住宅ローン金利のアップという環境下では、お客様は「住宅を建てるならなるべく安く」という意識が強まります。お客様 […]

価格で判断されない住宅営業とは

インフレによる物価上昇率に給与所得の上昇率が追い付いていないことに加え、住宅ローン金利の上昇の影響で、住宅購入を検討されているお客様の価格に対する意識がより一層シビアになることが予想されます。このような環境下でも「他社の […]

【2023年おすすめ】工務店・住宅会社の集客策

住宅価格の上昇、住宅ローンの金利上昇に伴い、2023年は集客数の減少が見込まれます。人口減少も相まって、今後は以前のような集客数を確保するのが困難と言わざるを得ません。年明け早々先行きが暗くなってしまう話題ですが、このよ […]

「良い住宅なのに売れない」の解決策

「お客様の予算に合わせたプランでは納得してもらえないし、ご要望通りのプランだと高くなりすぎて失注する」、「良い住宅だからこその価格であることを理解していただけず、価格で他社に負ける」「暮らしやすい住宅なのに『検討します』 […]

お客様の満足度・納得度が高くなる住宅営業とは

お客様も住宅業界関係者も気づかぬうちに暮らし方が変化しています。お客様のご要望に対して、経験値を基に「○○○の場合は△△△で対応する」というような、ある意味マニュアルのような対応では、現在のお客様の満足・納得を得られませ […]