工務店/住宅会社向け 「行ってみたい」見学会/集客イベントの仕掛けづくり
2022/03/16
住宅見学会、集客イベントでは、地元の方へ自社の住宅商品特長などを周知するための企画では集客はおぼつかず、住まいづくりを検討されている方、これから検討を始められる方が「これなら新しい住いでワクワクする暮らしができそう」というような、行ってみたいという来場に繋げる集客企画が必要です。
従来の住宅見学会やイベントでは、『暖かい家』『涼しい家』『地震に強い家』『健康にいい家』などの住宅性能、デザインや雰囲気で、お客様が関心をお持ちの『家』についてチラシや広告、SNSなどで告知を行っていました。
この客層は無くなった訳ではありませんが、集客数が減少しているなかでは新たなアプローチの手法が必要です。
ここ数年増えてきている客層として、『家=モノ』には関心が薄く、『暮らし=コト』に関心を示される客層があります。
来場されたお客様の中にも、TikTokやInstagramの写真や動画を見せて、こんなことをしたいとおっしゃられるお客様がいらっしゃると思います。
こうした客層を集客するためには、『いいモノ』を訴求するのではなく、「こんな『楽しいコト』が実現できる」を訴求した集客企画が必要です。
『行ってみたい』を作るのは『やってみたい』を見せる
『楽しいコト』を求められる客層のお客様に、『行ってみたい』と思っていただくためには、『いいモノ=家』を訴求するのではなく、『やってみたい』と思っていただける『楽しいコト=暮らし』を見せる必要があります。
『やってみたい楽しいコト』を訴求するためには、暮らしのシチュエーションを具体的に表現して、訴求していくことになります。
その時は、文字での訴求よりも動画や写真を使ってのイベント告知が有効です。
『やってみたい楽しいコト』を見せるということは、具体的な暮らしのシーンに『場所+人物』を入れ込み『やってみたい楽しい暮らし』を見せることです。
『やってみたい』が見える作りこみ
集客イベント、特に住宅見学会では、家具や小物がない状態になっている場合が多く見受けられます。
『やってみたい楽しい暮らし』を見せるためには、具体的な暮らしを楽しんでいるシチュエーションが見えなければなりません。
例えば、住宅見学会の見どころとして、リビングとリビングに繋がるフリースペースが特徴のお宅が会場の場合。
ただ、リビングとフリースペースがあるだけでは『やってみたい楽しい暮らし』は見えません。
リビングで、誰が(誰が誰と)、どんなことを楽しんでいるかを見せるためにシチュエーションの作りこみが大切です。
具体的な『やってみたい楽しい暮らし』のシチュエーションとして、休日のリビングで奥様がテレビを見ながらお嬢様と話をしている。
その隣のフリースペースでは、ご主人様と息子様と一緒にボードゲームを楽しんでいる。
ということを見せようとした場合には、そのシチュエーションに必要な家具や家電として、テレビやローボード、ソファ、ラグ、ボードゲームが必要です。
住宅展示場でのイベントでは家具はそろっていますが、住宅見学会会場で実際の家具をお客様に先に入れていただけるわけではありません。
家電まで全てを用意するのは予算もかなりかかってしまいますので、共通して使えるテーブルやソファ、椅子などは見学会セットとして、ある程度を事前に用意し、必要な家電は段ボール製などのモック(原寸大の模型/モックアップ)でそろえておくなど、暮らしが見えるようにする事前準備の必要があります。
お客様がイメージできるのは手元から
集客企画は人を集めるだけでなく、いかに受注に近づけるかということが大切です。
家具や家電、小物を入れ込んだ画像や動画で『やってみたい』と思っていただき、ご来場されたお客様を受注に結び付けるためには、ご自身の新居で『やってみたい楽しい暮らし』をどう実現していくイメージを持っていただけるかがポイントです。
人間が生活する空間をイメージをするときに、想像できる順番があります。
一番想像しやすいのは『手元』です。
普段自身が色々と使っているモノが変わるのは想像が付きやすいものです。
次に『手の届く範囲の自身の周辺』で、最後に『目の届く範囲の空間』です。
住宅見学会で空間を見せられても、良さや工夫を理解できるのは住宅のプロだけです。
お客様に『やってみたい楽しい暮らし』をイメージしていただくためには、まず手元や周辺のモノです。
先ほどのリビングの例では、リビングで奥様とお嬢様がくつろいでいる場所にローテーブル配置されていて、ゆったりと過ごすための『手元』に飲み物やおやつを入れる器が、ランチョンマットにおしゃれなグラスやお皿があると自宅でも優雅な休日を過ごしている感じが伝わります。
『手の届く範囲の自身の周辺』のローテーブルもソファに座った時に使いやすい高さになっている。
これはお客様に実際座っていただき、ご自身のくつろげるソファの高さとテーブルの高さなども体感していただきます。
『目の届く範囲の空間』は家族が集まりくつろげる場所として、明るく開放感のある空間にする為に窓も大きく取っていて、フリースペースとも繋がっていることで大きな空間を感じることができている。
お客様がイメージしやすい手元、周辺からはじまり、空間の説明ができると『やってみたい楽しい暮らし』を実現するために必要なモノやプランについてご理解いただけることができます。
ここで初めて『やってみたい楽しい暮らし』に必要な住宅の性能についてお客様に話ができます。
大きく明るい空間を作る為に、開口を大きく取り大きな空間を作る為に必要な構造や断熱気密性能、プランの工夫について説明することにより、ご自身の『やってみたい楽しい暮らし』に必要な住まいについてご理解いただくことができます。
まとめ
集客が減少している中で、従来の『いい家=いいモノ』が欲しい客層ではなく、『楽しいコト』を求められる客層が増えてきています。
従来とは違った客層を取り込むために、『楽しいコト』を見せて集客し受注するための住宅見学会、集客イベントの工夫が必要です。
『やってみたい楽しい暮らし』を見せるためには、具体的な暮らしのシチュエーションの『場所+人物』を見せることが効果的です。
また、新たな集客手法で集めた客層を受注するためには、営業の仕掛けも変わります。
『やってみたい楽しい暮らし』をお客様が想像しやすい『手元』のことから試していただき、『手の届く範囲の自身の周辺』、『目の届く範囲の空間』と範囲を広げていきます。
そして、お客様ご自身の『やってみたい楽しい暮らし』を具体的にイメージしていただくことができれば、実現するために必要な住宅の性能について説明をしてきます。
『やってみたい楽しい暮らし』を具体的に見せて集客し、来場していただいてご自身で体感・体験していただくことにより、新たな客層を取り込む集客企画が可能になります。
【参考】「やってみたい楽しい暮らし」のイベント企画
《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
企業サポート事業部
取締役事業部長 松尾励朗