営業のスキル不足の解消法
2024/01/19
営業は、普段の「トーク」が上手ければ受注できるわけではありません。では、営業が成果を上げるために必要なのは、どんなスキルなのでしょうか。今回は、成果が上がらない営業には何が足りていないのか、そして、その解消法について考えてみます。
Contents
成果が上がらない営業の特徴
思うように成果が出ない営業には、以下のような特徴が考えられます。
・見込み客がいない
・ヒアリングがうまくいかない
見込み客がいない
住宅展示場や完成住まいの見学会などでの初回面談は、受注成否の80%に影響すると言われています。
この初回面談を「名簿獲得」の位置づけにして、どのお客様にも同じようなご案内をした場合、お客様の心が動かず、見込み客にはなりません。
また、住宅は超高額商品なため購入するかどうかの決定には慎重になるのが当然なうえ、物価上昇率に給与所得の上昇率が追いついていないことなど、住宅の購買行動がさらに慎重になっていますので、印象に残らない初回面談では、尚更見込み客の獲得が難しくなるのです。
ヒアリングがうまくいかない
ご来場されたお客様の住所/氏名/資金/土地の有無などの建築与条件を「お勤めの会社は?」、「建築予定地は?ご両親様の土地?」、「部屋数のご希望は?」といった質問ばかり投げかけていませんか?このような場合、お客様にとっては尋問のように感じられ、さらには、「自分の話を聞いてくれない信用に値しない営業担当者」というレッテルを貼られてしまい、受注どころか見込み客にもならないのです。
また、ヒアリングが苦手という意識から、お客様に対して説明ばかりしている場合もあります。営業にとっては「自社住宅の特徴を説明しきった」という達成感があるかもしれませんが、お客様の住まいづくりに対する考えをお聴きできていない、つまり、受注を獲得するために重要なことをお聴きできていないことが成果が上がらない原因です。
営業が成果を上げるために必要なこと
営業の仕事は、お客様が希望する暮らしが実現する住まいづくりのお手伝いをすることです。
初期段階では建物としての「新しい住宅」を求めて来場されるお客様がほとんどです。予算は3000万円、広いリビングが欲しい、部屋数は4部屋などのご要望ですが、お客様ご自身でも気づいていない潜在している「暮らしへの希望」を引き出し、これが実現できるような情報提供とスピード感ある対応が営業には必要なスキルです。
お客様の話をじっくりお聴きする
お客様は、自分に関心を持って聴いてくれる住宅営業担当者には、不信感ではなく安心感を覚え、心のバリアがなくなります。営業が「もう十分に話は聞いた」と判断するのではなく、「お客様ご自身がお話になりたいことを十分に話せた」と満足されるまで十分にお聴きします。判断軸はお客様側にあります。これによってお客様は自身の住まいづくりについて「重視された」と満足度が上がります。
建築適齢期である20代後半~40代前半のお客様は、個性や人間性を尊重された学校教育を受けており、「みんなと一緒」である必要は無く、「自分に合ったモノやコト」を好みます。したがって、「一般に良い住宅と言われる家」、「良い部材や設備を使った家」、「高い性能の家」などの「モノの良し悪し」で判断しかねない表現には魅力を感じません。家を建てることによって出来る「楽しいコト」「うれしいコト」「安らぐコト」などに魅力を感じます。したがって、お客様が関心をお持ちのことや知りたいことには営業からお応えしますが、基本は、ご家族それぞれの興味関心事をお聴きし、深く堀り下げていきます。
例えば、家族と過ごす時間も楽しいが、「一人で動画見ている時間も好き」というお客様には、一人になれる場所で動画を見たいのか、リビングやダイニングなどの家族もいる場所でTVで動画を見たいのか、寝転ぶのか、スマホ(タブレット)スタンドは必要なのかなどの動画を見る環境もお聴きし、最適な空間についても共有して、家族全員の新しい暮らしへの期待を高めます。
また、お客様のご希望を実現するために、お客様が好きなコト/モノ、よく行っている場所など、一見住まいづくりに関係ないようなことでもじっくり話をお聴きして、「お客様の暮らしが幸せになるポイント」を見つけます。
こうした「暮らしのコト」を見つけ出し、お客様と共有することで、自社での住まいづくりへの期待値が上がり、見込み客になり得ます。
「聞き取り調査」というヒアリングはしない
年収を推測するために勤務先の会社名をダイレクトにお聞きしても答えを渋られるお客様もいらっしゃいます。営業からの質問攻めにうんざりしていらっしゃる状態なら、尚更お答えくださるはずもありません。しかしながら、お客様の話をお聴きしている流れでのやりとりであれば、お答えくださいます。
例えば、パソコンを操作できる専用スペースが2人分欲しいというお客様の場合、仕事をするためにパソコンを使うのか、YouTubeに公開するための動画編集をするためなのか、など、パソコンで何をするのかをお聴きすることで職業を知ることが可能になりますし、お客様の実現したいコトの情報も得ることもできます。
そして、自分が興味関心があることに関しては、「語りたい」のがお客様ですので、お客様の話をじっくりお聴きして情報を得ます。
まとめ
営業で成果が上がらない場合、「見込客がいない」「知りたい情報を聞き出せない」などの原因が考えられます。お客様の不満の約6割は「自分の話を聴いてくれない」「相談したかったのだが・・・」という内容ですので、営業は話すよりも、お客様の話を聴くことに集中して「自分たちのことを理解してくれている」という信頼を得ます。そうすることで、見込客獲得とヒアリングの課題を解決できます。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子