「良い住宅なのに売れない」の解決策

「お客様の予算に合わせたプランでは納得してもらえないし、ご要望通りのプランだと高くなりすぎて失注する」、「良い住宅だからこその価格であることを理解していただけず、価格で他社に負ける」「暮らしやすい住宅なのに『検討します』で終わってしまう」など、自社住宅の価値をご理解いただけないがために失注に至ってしまう工務店・住宅会社様をお見かけします。今回は、「良い住宅の価値」を納得していただき、住宅購買意欲を刺激して受注を獲得する住宅営業にについて考えてみます。

売れない理由は、価格? 構造? 性能? 仕様?

日本銀行の大規模な金融緩和策に伴い、住宅ローンの金利の引き上げげられる見通しです。さらに、物価上昇で住宅の価格に敏感に反応されるお客様が増加することも予想されます。このような環境下では、「良い住宅」の伝え方を間違うと失注してしまいます。

お客様の判断基準

何かを購入する時のお客様の判断基準は、購入後に「何ができるのか、心が満たされるか」という部分の比重が高くなっています。「心が満たされる」というのは、「うれしい」「楽しい」「ワクワク」「癒される」などの感情がプラスに向かうということです。住宅を手に入れると「心が満たされる」ことが伝わる伝え方をすることが大切です。ここで注意したいのが、「新しい住まいでは現在のお住まいの不満が解消できる」というのは、現在のお住まいのマイナスポイントを0ポイントまで上げることはできますが、0以上にはならないということです。確かに、「収納量が増える」「ツライ冷え/暑さの緩和」などはうれしいことですが、このようなことはマイナス事象の解決であって「心が満たされ豊かになる」こととは異なります。

他社との違いが見えない訴求に陥っていないか

安全/安心/快適を備えた性能や構造、生活動線などの利便性を考えたプラン、カッコイイデザイン、良い仕様の設備や部材などは、多くの工務店・住宅会社が優位性を熱心に説明されている部分です。しかしながら、一部のお客様以外には、「冬は暖かく、夏は涼しい家なのね」「地震がきても安心なのね」などの認識をしていただいた程度で、「他社と多少の違いはあれど大差はないなら安い方で」と、構造・性能・仕様などの優位性の訴求だけでは「モノに見合った価格なのか」という判断をされてしまい、「心が満たされたから購入を検討する」状況とはかけ離れています。

心を満たす付加価値提供ができているか

耐震等級、断熱性能等級、耐火等級などの基準をクリアしている住宅がほとんどで、工法も他社と差があっても、お客様にとっては「基準をクリア」していることに変わりなく、各等級の優位性は、お客様にとっての付加価値であるとは限りません。「モノが良い=良い住宅」という意識が「良い住宅なのに売れない」の原因です。「心が満たされるか」という判断基準で購入を検討する現在のお客様には、「あなたが心満たされる暮らしが実現する住まい」がお客様にとっての付加価値と言えるのです。価値観の多様化が進んでいる現在、一般解ではお客様は満足されませんので、「個」への対応がポイントとなります。

ご主人様偏重対応をしていないか

現在は、ご主人様・奥様と立場が対等もしくは奥様の方に決定権があるご家庭が多々存在します。したがって、ご夫婦/ご家族のキーマンになる方だけを尊重したような営業の進め方は避けます。ご夫婦/ご家族それぞれの疑問点や不安点の解消はもちろん、ご夫婦/ご家族それぞれの「心満たされるコト」に対応することをおすすめします。

「心が満たされるコト」を共有して受注に向かう

「心が満たされる暮らしのコトは何ですか?」と質問しても答えられるお客様は皆無に等しいですので、普段の暮らしでお客様がどのように過ごされているのかをお聴きします。毎日のルーティーンになっているコト、休日にされているコトなどです。例えば、「食事を作る前に必ず1杯の紅茶を飲んでいる」などの日常すぎて気にも留めていないようなことでも良いのです。そして、この「コト」が幸せになる空間にできることをお伝えし、お客様がノッてきてくださったらこの部分を深堀していくのも一つの方法です。

まとめ

自社住宅の価値をご理解いただけないがための失注をしないためには、自社住宅の構造や性能に偏重した訴求ではなく、「新しい住まいで心が満たされるか」という視点で自社住宅の特徴を訴求して付加価値提供をご理解いただくことが、受注を獲得するためのポイントです。

ハウジングラボでは、お客様の「納得」と「満足」を高めて受注を獲得して住宅事業を安定継続/発展するための、「商品」「商品開発」「集客・マーケティング」「営業」「設計」「マネージメント」の分野からアプローチする注文住宅事業の「総合ビルドアップサポート」をご用意しています。
是非ご活用ください。
詳細は、下記URLからご覧ください。

https://www.housing-labo.com/consulting

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

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