お客様の満足度・納得度が高くなる住宅営業とは

お客様も住宅業界関係者も気づかぬうちに暮らし方が変化しています。お客様のご要望に対して、経験値を基に「○○○の場合は△△△で対応する」というような、ある意味マニュアルのような対応では、現在のお客様の満足・納得を得られません。今回は、家族の暮らし方の変化に合わせて満足度・納得度が高める住宅営業について考えてみます。

家族団らんの場の変化

家族団らんと言えば「リビングでテレビを見ながら」というシーンを思い浮かべる方が多いと思います。実際に家族は多くの時間をリビングで過ごし、テレビもついていています。テレビを見ながら笑って会話が弾むこともあるでしょう。しかしながら、「リビングでテレビを見ながら家族団らん」がメインとなるコミュニケーションなのでしょうか。

家族団らんの場はリビング?

かつては、ダイニングで食事をとった後はリビングで団らんという流れが主流であり、コミュニケーションの象徴でしたが、現在は、帰宅してから一息つく、勉強や仕事をする、スマホを見る、洗濯物をたたむなど、リビングに家族が揃っていても別々のことをしている用途を限定しない空間です。リビングではそれぞれが別々なことをしてはいますが、ご主人様、奥様、お子様も年代を問わずリビングに「居る」ことを好み、多くの時間を過ごしています。リビングは、家族の団らんだけが目的ではなく、「空間を共有しつつ、それぞれがしたいことを行う場」として利用されています。

現在の家族団らんの場は?

上述したように、現在のリビングの現在の位置づけは、家族が揃い、同じ空間で過ごす時間が長くなっても、それぞれが別々のことをしている場と言えます。だからと言って団らんをしていない訳ではなく、リビングから別の空間で団らんするようになっただけです。

代表的な団らんの空間がキッチンです。

共働きのご家庭の増加や建築適齢期の男性は家庭科教育を受けていたりと、「料理は奥様」という、何となく浸透している通念が当てはまらなくなっています。その結果、キッチンでは、ご夫婦一緒に料理をしたり親子/家族で料理をするなど、家族のコミュニケーションの場になってきています。

暮らしの触発がお客様を惹き付ける

お客様が現在のお住まいのリビングで、「家族全員が揃っていても別々のことをしている」状況であったとしても、「家族団らんはリビングで」という思い込みにも似た想いをお持ちでもあります。このようなお客様に、「今は家族団らんの場はキッチンが主流になっているので、キッチン空間を充実させましょう!」などと住宅営業の言葉だけで説明しても「ふ~ん、そうなんだ。でも、家族団らんの場はリビングだよね。」などと、「家族団らんのキッチン」は情報としては受け取ってくださいますが「自分もキッチンで家族団らんしたい!」にはなりません。

楽しい暮らしを触発する方法

例えば、ご夫婦一緒に楽しそうに料理をしている、ご夫婦で料理をしている周りにお子様が集まり楽しそうに会話している、などの画像を数枚お見せするだけでも、お客様は楽しい暮らしに触発されます。そのうえで「家族団らんの場としてのキッチン」について説明すると、心から納得して「家族団らんの場としてのキッチン」を検討してくださるようになります。

楽しい暮らしを実現する情報提供

「家族団らんの場としてのキッチン」に関心をお持ちくださっている場合、どんな料理を作ることが多いのか、調理担当や鍋などのキッチンツールの洗い物担当など分けているのか、などをお聴きして実際に料理をするシーンを再現していただきます。そして、これから調理する食材を置いた場合の広さ感、調理担当・洗い物担当の立ち位置、お子様が加わった場合のコミュニケーションに不都合がないかなどを考えていただいて、お客様にとって最適なキッチンのあり方をお伝えします。その際には、「キッチンは『壁付けタイプ』『対面タイプ』『アイランドタイプ』がありますが、どのタイプにされますか?」などのように、キッチンを「モノ」として扱って選択していただく進め方をすると、「モノの良し悪し」や「価格」でキッチン採用の可否を判断されますので、お客様にキッチンでのシーンを再現していただいた際に得た情報を鑑みて、「このお客様」に最適な「家族団らんの場としてのキッチン」を住宅のプロとしての見解も含めて情報提供するべきと考えます。

まとめ

お客様の満足度・納得度を高めて受注を獲得するためには、従来の成功体験通りに営業を進めてもうまくいかない場合があります。お客様の暮らし方の変化に合わせて、「このお客様にとっての楽しい暮らし」が実現できる最適な住まいづくりの情報提供をすることが大切です。

ハウジングラボでは、お客様の「納得」と「満足」を高めて受注を獲得して住宅事業を安定継続/発展するための、「商品」「商品開発」「集客・マーケティング」「営業」「設計」「マネージメント」の分野からアプローチする注文住宅事業の「総合ビルドアップサポート」をご用意しています。
是非ご活用ください。
詳細は、下記URLからご覧ください。
https://www.housing-labo.com/consulting

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

関連記事

お客様への提案営業は時代遅れ 多様化する価値観に対応する住宅営業方法

提案営業と言われて早半世紀が経過しましたが、この間にネットが導入され、SNSが進化するなど、情報発信者が「エンドユーザー」へ移った令和の時代に、「提案営業は逆効果」となってしまいました。「提案営業」は情報化社会では「見方 […]

建築適齢期のお客様に受け容れられる住宅営業になる

建築適齢期である20代後半~40代前半のお客様は、「個性や人間性を重視・尊重」した学校教育を受けていますので「みんなと違うこと」に対して違和感なく受け容れ、「他の人と同じ」というより「自分に合った」モノ/コトを選ぶ傾向が […]

【受注力の上げ方】中高級住宅には中高級住宅に合った営業をしないと売れない

価格の話はお客様にとっても住宅営業担当者にとっても判りやすく、他社との違いが見えやすい話です。価格が安いことが魅力であることは否めませんが、価格だけで勝負すると低価格帯の住宅を売る工務店/住宅会社に中高級住宅が勝てるのか […]

【中高級住宅の必須条件】「小さな幸せ」の積み重ねの住まいづくり

自社住宅の価格や性能は確かに大事ですが、「安ければ売れる」「性能が高ければ売れる」「良い設備(モノ)であれば売れる」といった要素が良ければ売れる時代ではなくなっています。「お客様にとって良い住宅」であることが重要であり、 […]

中高級住宅は、お客様中心の「時間の質」向上ビジネスへ

お客様にとっては、数ある住宅会社の住宅展示場や完成住まいの見学会に参加しても、従来通りの営業対応ではローコスト系の住宅と「価格の割には大差がない」ように伝わってしまっています。価格の割には大差がなく伝わってしまう原因と中 […]

新着記事

注文住宅のビジネスモデル転換

Contents1 縮小した市場で、何を変えるべきか1.1 1.多くの住宅会社が陥っている発想1.2 2.自由設計という言葉の誤解1.3 3.顧客と一緒に考え「プロが暮らしを設計する」視点1.4 4.顧客は自身の「未来の […]

画像・動画がメインの住宅営業ツールは営業の代わりに働いてくれる

実物が目に見えない「住宅」という商品を売る注文住宅営業は、お客様にお見せできる「モノ」が限られているため、「会話力」での営業力を重要視してきました。現在もこの傾向が根強く残っていますが、お客様にとって住宅に関する「言葉」 […]

工務店・住宅会社向け 展示場/見学会で少数でも本気度の高い集客方法

工務店/住宅会社のみなさんが、お客様と出会うまでという意味でのマーケティングは大きく分けると2段階あります。 ①地元への認知段階②行動喚起段階(集客、資料請求) 地元への認知段階は、オンラインでの情報発信や看板などのオフ […]

住宅展示場・見学会でのお客様を惹きつける資料の見せ方・伝え方

同じ資料を使ったとしても、住宅営業がお客様への資料の見せ方・伝え方の違いで、理解度や共感度、さらには自社への関心度に大きく差が出ます。今回は、住宅営業が住宅展示場や完成住まいの見学会でお客様を惹きつけて関心を高める資料の […]

今の時代住宅事業で『安ければ売れる』『付加価値があれば高くても売れる』という考えは、どちらも間違い

住宅営業にとって自社住宅の価格や付加価値は確かに受注状況に大きく影響します。従来の「他社より価格が『安ければ売れる』」や「他社より価格は少し高いけれど自社住宅は差別化できる『付加価値を持っているので売れる』」という考えだ […]

注文住宅は「耐久消費財」から「未来への投資」へ変革の時

数年前に比べ住宅の価格が数段アップしている現在、コストダウンなどの企業努力だけでは対応しきれない状況です。この難局を乗り切り、注文住宅事業を安定継続させるための従来とは異なる考え方の住宅営業について考えてみます。 Con […]