お客様の満足度・納得度が高くなる住宅営業とは
2022/12/23
お客様も住宅業界関係者も気づかぬうちに暮らし方が変化しています。お客様のご要望に対して、経験値を基に「○○○の場合は△△△で対応する」というような、ある意味マニュアルのような対応では、現在のお客様の満足・納得を得られません。今回は、家族の暮らし方の変化に合わせて満足度・納得度が高める住宅営業について考えてみます。
Contents
家族団らんの場の変化
家族団らんと言えば「リビングでテレビを見ながら」というシーンを思い浮かべる方が多いと思います。実際に家族は多くの時間をリビングで過ごし、テレビもついていています。テレビを見ながら笑って会話が弾むこともあるでしょう。しかしながら、「リビングでテレビを見ながら家族団らん」がメインとなるコミュニケーションなのでしょうか。
家族団らんの場はリビング?
かつては、ダイニングで食事をとった後はリビングで団らんという流れが主流であり、コミュニケーションの象徴でしたが、現在は、帰宅してから一息つく、勉強や仕事をする、スマホを見る、洗濯物をたたむなど、リビングに家族が揃っていても別々のことをしている用途を限定しない空間です。リビングではそれぞれが別々なことをしてはいますが、ご主人様、奥様、お子様も年代を問わずリビングに「居る」ことを好み、多くの時間を過ごしています。リビングは、家族の団らんだけが目的ではなく、「空間を共有しつつ、それぞれがしたいことを行う場」として利用されています。
現在の家族団らんの場は?
上述したように、現在のリビングの現在の位置づけは、家族が揃い、同じ空間で過ごす時間が長くなっても、それぞれが別々のことをしている場と言えます。だからと言って団らんをしていない訳ではなく、リビングから別の空間で団らんするようになっただけです。
代表的な団らんの空間がキッチンです。
共働きのご家庭の増加や建築適齢期の男性は家庭科教育を受けていたりと、「料理は奥様」という、何となく浸透している通念が当てはまらなくなっています。その結果、キッチンでは、ご夫婦一緒に料理をしたり親子/家族で料理をするなど、家族のコミュニケーションの場になってきています。
暮らしの触発がお客様を惹き付ける
お客様が現在のお住まいのリビングで、「家族全員が揃っていても別々のことをしている」状況であったとしても、「家族団らんはリビングで」という思い込みにも似た想いをお持ちでもあります。このようなお客様に、「今は家族団らんの場はキッチンが主流になっているので、キッチン空間を充実させましょう!」などと住宅営業の言葉だけで説明しても「ふ~ん、そうなんだ。でも、家族団らんの場はリビングだよね。」などと、「家族団らんのキッチン」は情報としては受け取ってくださいますが「自分もキッチンで家族団らんしたい!」にはなりません。
楽しい暮らしを触発する方法
例えば、ご夫婦一緒に楽しそうに料理をしている、ご夫婦で料理をしている周りにお子様が集まり楽しそうに会話している、などの画像を数枚お見せするだけでも、お客様は楽しい暮らしに触発されます。そのうえで「家族団らんの場としてのキッチン」について説明すると、心から納得して「家族団らんの場としてのキッチン」を検討してくださるようになります。
楽しい暮らしを実現する情報提供
「家族団らんの場としてのキッチン」に関心をお持ちくださっている場合、どんな料理を作ることが多いのか、調理担当や鍋などのキッチンツールの洗い物担当など分けているのか、などをお聴きして実際に料理をするシーンを再現していただきます。そして、これから調理する食材を置いた場合の広さ感、調理担当・洗い物担当の立ち位置、お子様が加わった場合のコミュニケーションに不都合がないかなどを考えていただいて、お客様にとって最適なキッチンのあり方をお伝えします。その際には、「キッチンは『壁付けタイプ』『対面タイプ』『アイランドタイプ』がありますが、どのタイプにされますか?」などのように、キッチンを「モノ」として扱って選択していただく進め方をすると、「モノの良し悪し」や「価格」でキッチン採用の可否を判断されますので、お客様にキッチンでのシーンを再現していただいた際に得た情報を鑑みて、「このお客様」に最適な「家族団らんの場としてのキッチン」を住宅のプロとしての見解も含めて情報提供するべきと考えます。
まとめ
お客様の満足度・納得度を高めて受注を獲得するためには、従来の成功体験通りに営業を進めてもうまくいかない場合があります。お客様の暮らし方の変化に合わせて、「このお客様にとっての楽しい暮らし」が実現できる最適な住まいづくりの情報提供をすることが大切です。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子