建築適齢期のお客様に受け容れられる住宅営業になる

建築適齢期である20代後半~40代前半のお客様は、「個性や人間性を重視・尊重」した学校教育を受けていますので「みんなと違うこと」に対して違和感なく受け容れ、「他の人と同じ」というより「自分に合った」モノ/コトを選ぶ傾向があります。したがって、「一方的に説明された」「自分の意見を聞いてもらえない」と思われてしまう対応はNGです。今回は、個性や人間性を重視・尊重されて育ってきた建築適齢期のお客様への営業について考えてみます。

Contents

お客様が重視するポイントを知る

内閣府 国民生活に関する世論調査

内閣府の統計調査の結果にもありますが、お客様は「モノが豊かに揃っている」ことよりも「心が豊かになるコト」を重視する傾向があります。
先日、あるテレビ番組を見ていたら「今、何か欲しいものある?」という質問に「う~ん・・・、無いなぁ。っあ!モノじゃないけど、一緒にジョギングしてくれる犬が欲しい!絶対楽しい!」と答えている出演者がいました。
つまり、「自分が楽しくなるために何かを手に入れたい」ということです。判断基準がモノありきではなく「コトありき」なのです。

SNSを活用する

お客様は、気になった工務店・住宅会社をホームページやSNSで調べています。そして、自社住宅の何かが気になったため、ご来場されています。まずは、自社住宅の何が気になっているのかをお聴きするのも良いでしょう。お客様にお聴きしても「このキッチンがいい」などの、モノが欲しいと受け取れる反応かもしれませんが、ここからキッチンでの「楽しいコト」に話題を展開していくと、お客様も乗り気になってくださいます。

楽しいコトが見えるツールを活用する

「コト」のシーンは、口頭で伝えても、「話としては何となく分かるが実感がわかない」状態であるため、住まいづくりを具体的に進めるにはどうしても弱くなってしまいます。
建築適齢期のお客様は、「文字・言葉」よりも「画像・動画」で情報収集し、理解しようとしている傾向もあります。人が情報を理解する際には、目から入る情報が8割を超えているとも言われていますので、お客様に自社住宅の良さをご理解いただくために「画像・動画」をツールに活用しない手はありません。
マニュアルが画像・動画になっているスーパーマーケットなどの小売店が増えているのも、このような背景があるからです。
数枚の「家の中で過ごす楽しいコト」の画像をお見せすると、お客様の実現したい「楽しいコト」の触発が可能です。「この場所でこんなことやあんなことができる」画像を見ることにより、楽しい暮らしが触発され、「自分だったらこの場所で○○○がしたい」などの具体的なシーンが浮かんでくるようになりますので、住まいづくりが前進します。

ご夫婦それぞれに対応する

男女平等の教育を受け、さらに、共働きのご家庭が増えて奥様が経済力をお持ちのご家庭が多く存在する現在、ご主人様だけの意見で物事を決めていくご家庭は減少しています。したがって、ご主人様や奥様のどちらかだけを重んじることは危険な対応です。もちろん、ご家庭内のパワーバランスはご家庭ごとに異なりますので、コミュニケーションをとりながらパワーバランスを把握して対応することをおすすめします。

「一般的」より「個別具体論」の住まいづくり

注文住宅は、「人生を楽しみ暮らしを楽しむための器」であるべきです。
「ご夫婦とお子様1人の3人家族であれば、主寝室と子ども部屋ができる2LDKはどうですか?」「インテリアはどんなイメージですか?」「キッチンはどのタイプがお好みですか?」などの、お客様の表面上の情報だけをお聞きして営業活動を進めると「コト」の楽しさが全く見えないため、お客様にとっては「決め手に欠ける住宅」というポジションになってしまいます。お客様に受け容れていただき、唯一無二の住宅、自分を分かってくれる住宅営業として営業活動を進めるためには、お客様の暮らしにフィットした住まいのための情報提供が重要なポイントです。

まとめ

建築適齢期である20代後半~40代前半のお客様には、「自分のことを分かってくれる人」として認めていただくことが大切です。「自分に合っているか」が判断基準となるため、お客様のことを理解しようとする姿勢が重要です。お客様の趣味思考を理解するために、SNSや楽しいコトが見えるツールを活用してお客様の関心部分を知り、ご夫婦それぞれに対応することをおすすめします。

ハウジングラボでは、お住まいでの楽しいコトのシーンを画像でお見せし、触発する営業ツールをご用意しています。お客様にお見せするだけで営業力を発揮する便利なツールです。お客様の「納得」と「満足」を得やすいツールとしておすすめです。工務店の住宅営業をサポートし、リーズナブルな料金で大きな効果が期待できるハウジングラボの「お役立ちLabo」サービスです。是非ご活用ください。詳細は、下記URLからご覧ください。

https://www.housing-labo.com/onlinesupport

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

関連記事

他社とは別の売り方で差をつける

「住宅営業担当者が知りたいお客様の情報」は、「予算」「年収(世帯年収)」「土地の有無」が代表的です。そして、説明したいことは、安全/安心/快適をお約束する自社住宅商品の耐震・制震性/耐火性/断熱気密性/耐久性/防犯などの […]

【売れる住宅営業になる!】今の時代に適した住宅の売り方

インフレ下での顧客心理は「節約志向」になり、住宅の「予算」も「低めの予算」に下振れしています。このような市況環境で、従来通りの住宅営業のしかたを進めると、良い住宅を提供しているにもかかわらず、「高い」と言われて自社から離 […]

気に入ったInstagramの画像を見せてくださるお客様への対応方法

Instagramをはじめとする各SNSの画像を検索して、ご自身が気に入ったインテリアなどの画像を見せてくださり、「こんな家が欲しい」とおっしゃるお客様が増えています。今回は、増加するSNSの画像を見せてくださるお客様の […]

住宅営業のご夫婦への対応のポイント

ご主人様が主導し、奥様は夫の意思に沿う夫婦関係は、現在は減少傾向にあります。家族や夫婦関係の在り方や家事・育児などの行動も変化しており、ご夫婦関係を見極めずに、従来の「ご主人様が家庭内権力者」として対応していると、ご夫婦 […]

デジタル時代の注文住宅事業の進め方

デジタルネイティブ世代と言われる世代は1981年前後に生れた世代以降のことを指しますが、まさに建築適齢期の世代は全て「デジタルネイティブ世代」です。 情報は無料であふれているのが当たりまえ、お見合いという制度には否定的で […]

家を所有することの目的が変化している

一戸建住宅を持つことそのものが人生の大きな目標になっていた時代から、居住形態の多様化で都市生活を楽しむマンション生活、この暮らしが良いと生涯都心に住み続けるなら分譲マンションで。一方、やがて齢をとったら都心の生活をやめて […]

新着記事

集客難を乗り切る発想の転換

建築適齢期の20~40代の人口の漸減が避けられない状況です。居住する形態の選択肢も多数存在し、お客様の所得も大きく伸びない環境では、新規来場の集客の減少が避けられません。今回は、集客に対する発想を転換して集客数が減少して […]

集客の量が無くても質があれば集客難が解決する

SNS広告を打つ、ポスティングするなどの新規来場者獲得のための様々な施策をとっても、来場者数が増えない、または減少しているなどの集客難は、多少の増減があっても常態化しています。今回は、「より多くのお客様を集める」という従 […]

「消費」から「投資」への意識変化が受注へのカギ

「建設資材価格が2カ月連続下落」と経済調査会から発表されました。とはいえ、数年前に比べ住宅の価格が数段アップしている現在、コストダウンなどの企業努力だけでは対応しきれない状況です。この難局を乗り切り、注文住宅事業を安定継 […]

「考える営業」で全てのお客様を受注する

30年ぶりの住宅価格上昇局面を迎え、住宅営業の役割がより重要になってきています。住宅の予算に、今までよりもシビアになっているお客様に、従来通りの営業の進め方は通用しません。今回は、戦略を考える、プランを考えるなど、様々あ […]

注文住宅を受注できない原因

「お客様のご要望通りのプランと価格なのに受注できない」「他社には負けない良い住宅なのに価値をわかってもらえず受注にいたらない」 など、住宅営業の受注に関するお悩みは多々あると思います。今回は、なぜ受注できないのか、その原 […]

土地なし客への対応方法

「希望の条件を満たす土地が見つからないので住まいづくりが進まない」などの、土地探しから始めるお客様への対応に難しさを感じている住宅営業の方は多いと思います。お客様も住宅営業担当者も、土地探しには、エリアや大きさ、形状など […]