【売れる住宅営業になる!】今の時代に適した住宅の売り方

インフレ下での顧客心理は「節約志向」になり、住宅の「予算」も「低めの予算」に下振れしています。このような市況環境で、従来通りの住宅営業のしかたを進めると、良い住宅を提供しているにもかかわらず、「高い」と言われて自社から離れてしまうケースも珍しくありません。今回は、節約志向のお客様に、競合他社と価格で比較されずに、「価格以上の価値がある住宅」と認めていただいて受注を獲得する住宅営業について考えてみます。

住宅建築適齢期の特徴

現在の20代後半~40代前半の住宅建築適齢期の方々の思考・言動の主な特徴は、下記の通りです。

① コストパフォーマンスを重視する
② モノへの執着が薄く、コト重視の価値観を持つ
③ 自分らしさを大切にする
④ デジタルネイティブ

➀コストパフォーマンスを重視する

リーズナブルな価格であるに越したことはありませんが、住宅価格に対してどれだけ満足感が得られているかが判断基準です。この「満足感」の判断基準は人それぞれです。自分にとって有益(メリット)であるのか否かが購入する判断基準となります。自社が提供する住宅は、お客様にとって何が有益(メリット)なのかを、お客様ごとに提示する必要があります。

➁モノへの執着が薄く、コト重視の価値観を持つ

「必要なモノだけあれば良い」と考える、いわゆるミニマリストや「必要なモノは、必要な時に、必要な分だけ利用できればいい」という考えを持っている人が多いのもこの世代の特徴です。自社住宅の価値に納得いただかなければ、「家を建てるのではなく賃貸住宅で良い」という結論になり得ます。一般に、「良い住宅と言われる家」、「良い品質の部材を使った家」、「上位グレードの設備を使用した家」というような「モノの良し悪し」では「欲しい」という気持ちにはなっていただけず、住宅によって「どんなことを体験・経験できるのか」という「コト」に住宅購買意欲をくすぐられると考えます。

➂自分らしさを大切にする

各国の国民性を表した「沈没船ジョーク」のように、「みなさんは○○ですよ」という一般論でのアピールは、他人と違うことを「恥ずかしい」「変だ」と捉える傾向にあり、「右にならえ」を良しとする時代には効果がありましたが、現在は、「人と違って当たり前」と考えており、自分らしくあることを大事にします。「自分に合っている住宅か」が重要なポイントになります。

④デジタルネイティブ

自分が知りたいコト・モノの情報収集はインターネットが中心です。Instagramでは、画像で自分に合うか合わないかを知り、YouTubeやTikTokでは、動画で知りたいコト・モノを調べます。「自分の家でこういうことがしたかった」という「コト」で共感を得えられる提示が住宅建築適齢期世代を惹き付けるポイントです。さらに、新婚時代、子育て時代、2度目の夫婦2人時代などの、時を経て変わる楽しい暮らし方の提示もできれば良いでしょう。

住宅建築適齢期をターゲットにした売り方

現在もリビングは家族のコミュニケーションの場として捉えられていますが、実際には、家族全員がリビングにいても、ご主人様はテレビを見て、お子様はスマホでSNS、奥様はスマホでネット検索など、何かしらをそれぞれしていて、コミュニケーションをとっているわけではありません。

「家で出来る楽しいコト」で触発する

例えば、ご主人様も奥様も料理をされるご家族の場合、アイランド型キッチンにすると、ご夫婦一緒に料理をしている様子がお子様にも見え、ご夫婦の周りにお子様が集まってくる。そして、お子様も一緒に料理をするようになり、楽しいコミュニケーションが交わせるキッチンになることをお伝えすると、「楽しいコミュニケーションの場としてのキッチン」に気づいていただけ、新しい住まいでのキッチンへの期待が高まります。

「コト」の触発のポイント

人の情報吸収量は、視覚情報が80%以上を占めていると言われていますので、お客様への「家で出来る楽しいコト」を触発する際には、言葉や文字よりも「パッと見てわかる」、「いいなと感じる」画像や動画を中心にした資料をお見せすることをおすすめします。

まとめ

節約志向のお客様に自社住宅を選んでいただくためには、価格以上の価値がある住宅として認めていただかなければなりません。「モノ」よりも「コト」重視の価値観を持つ現在のお客様には、「家で出来る楽しいコト」のアプローチが効果的です。「コト」提案の営業を試してみてください。お客様の反応が今までとは変わるはずです。

ハウジングラボでは、家で出来る楽しいコトを画像でお見せし、触発することで、営業活動をサポートしてくれる「はたらくツール」をご用意しています。お客様にお見せするだけで伝わる便利なツールです。言葉による住宅営業を補完し、よりお客様のご理解を得やすいツールとしておすすめです。工務店の住宅営業をサポートし、リーズナブルな料金で大きな効果が期待できるハウジングラボの「お役立ちLabo」サービスです。是非ご活用ください。詳細は、下記URLからご覧ください。

https://www.housing-labo.com/onlinesupport

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

関連記事

【住宅営業のコツ】値引きせずに新築住宅を受注するコツ

お客様から値引きを匂わされたら応じなければならないと思っていませんか。値引きしなくても受注出来る住宅営業のポイントをお伝えします。 「お客様の予算枠に金額を合せないと受注できない」「失注するくらいなら、多少値引きしてでも […]

【中高級住宅の必須条件】「小さな幸せ」の積み重ねの住まいづくり

自社住宅の価格や性能は確かに大事ですが、「安ければ売れる」「性能が高ければ売れる」「良い設備(モノ)であれば売れる」といった要素が良ければ売れる時代ではなくなっています。「お客様にとって良い住宅」であることが重要であり、 […]

中高級住宅は、お客様中心の「時間の質」向上ビジネスへ

お客様にとっては、数ある住宅会社の住宅展示場や完成住まいの見学会に参加しても、従来通りの営業対応ではローコスト系の住宅と「価格の割には大差がない」ように伝わってしまっています。価格の割には大差がなく伝わってしまう原因と中 […]

モデル住宅が「楽しそうでしょ」と語りかける集客

コミュニケーションの80~90%以上は視覚情報によるものだと言われています。言葉によるコミュニケーションは、思っている以上にそのウェイトは少なくある意味驚きです。総合住宅展示場、もしくは単独住宅展示場のモデル住宅の集客の […]

新着記事

新しい「中級住宅」の定義と現状認識

かつては、多くの家庭が手の届く価格で、ある程度の性能やデザイン性、暮らしやすさを兼ね備えた「ちょうどいい住宅」として捉えられていた中級住宅ですが、今はその基準が崩れつつあります。 経済状況の変化、ライフスタイルの多様化、 […]

【2025年住宅市場】60歳代に目を向ける注文住宅事業

現在の新築住宅市場において、中心となる顧客層は30〜40歳代のファミリー層です。特に35歳前後の世帯が主なターゲットとなっており、結婚し、子育てを始めるタイミングで住宅を取得するケースが一般的です。しかしながら、日本の人 […]

住宅事業の集客革新!|令和の集客方法を、考え方から新しいアイデア、イベント活用事例まで徹底解説

住宅業界の集客において、従来の手法では限界が見え始めています。多くの住宅会社や工務店が住宅性能や間取りを中心に訴求していますが、お客様にとってはどれも似たように映りがちです。これからの住宅事業での集客では、新しいアイデア […]

【2025年住宅市場】城南地区から横浜/湘南方面エリアで住宅事業成功を掴むには

現代の住宅市場においては、単なる「住むための家」ではなく、「心豊かな暮らし」を実現する住まいが求められています。特に、東京の城南地区(品川区・目黒区・大田区・世田谷区・渋谷区・港区)から横浜/湘南方面にかけてのエリアでは […]

住宅会社の未来を切り拓く「集客と受注」戦略——市場変化に適応するために

近年、住宅業界はかつてないほどの変革期を迎えています。従来の集客戦略や営業手法では通用しなくなり、住宅会社や工務店は、新たな時代に適応するための「集客と受注」の再構築が求められています。 人口減少や少子高齢化、ライフスタ […]

新築同等以上のフルリフォーム事業成功のポイント-③

今回は、従来のリフォームのような小規模な案件が多い、一般的なリフォーム事業ではなく、新築するのと同等か、それ以上のメリットをお客様に提供する「フルリフォーム事業」成功のポイント③として、フルリフォーム事業の営業について考 […]