「強い営業」より「伝わる営業」が受注できる

「一戸建て住宅を所有することが目的」であった時代から、現在は、「自分が住む住宅で楽しく暮らすことが目的」へと変化しています。こうしたお客様の思考や行動の変化に伴い、「お客様を引っ張り、時には多少の強引さを持つ強い営業」「売る事にだけに強固なまでのこだわりを持っている」などの「押し売り」になり得る営業活動は、お客様には受け容れがたいものになっています。今回は、お客様の意を汲みつつ自然な流れで受注につながる営業活動について考えてみます。

住宅のハード比較の終焉

ローコスト住宅から中高級住宅まで、性能、構造、安心、安全、健康、快適などの耐震等級、断熱性能等級、耐火等級などの基準をクリアしている住宅がほとんどです。工法の差があっても、各性能等級が高いレベルの「基準をクリア」していることに変わりなく、お客様は、住宅のハード面は特徴ではなく当たり前であり、一部の性能マニア的なお客様以外は「どこの工務店・住宅会社の住宅は、多少性能の差があるにしても基準をクリアしているならOK」として認識しています。一戸建住宅を所有することが目的であった時代には、「家というモノの良さ=性能の良さ」がアピールポイントとして有効でしたが、「暮らしをより楽しくしてくれるコト」にお金を使う現在のお客様には通用しません。

楽しいコト比較へ

例えば、音楽を聴くとこが好きな人の場合、通勤中に聴く、料理しながら聴く、ゲームしながら聴く、好きなアーティストのLIVE映像を楽しむなど様々な楽しみ方があります。YouTubeなどで無料で視聴する人もいれば、サブスクを利用して視聴する人、有料でLIVE配信を視聴する人など、ご自身が「いつ」「どこで」「何」を視聴したいのか、そして、自分にはどの媒体が合っているのかを比較して、より楽しめる方法を選びます。

住宅業界においては、お客様も住宅業界関係者も現在は、「モノとしての住宅」に意識が向いていますが、お客様の話を聴いていくと、家族でボードゲームで遊んだり、休日に好きなコーヒーを飲みながら本を読んだりと必ず何かをしています。「休日は何もしないでゴロゴロしている」という方も「ゴロゴロ」しています。こうした日常すぎて気づきにくいコトにフォーカスして、「コト」がより幸せに楽しく感じられる空間にする情報提供をすると、「楽しいコト比較」で「より楽しい家」として自社住宅を選んでくださるようになります。

「楽しいコト」の伝え方①

お客様に伝わる最も有効な手段は、「体感体験」していただくことです。リビングでボードゲームを楽しむご家族の場合、「どこ」で「誰」と楽しむのかをお聴きし、住宅展示場や完成住まいの見学会会場のリビングで再現していただきます。例えば、床にボードゲームを置いて楽しむご家族の場合には、床に座ってぼーどゲームを楽しむのか、寝転びながら楽しむのか、その時の床の材質は柔らかい方が良いのか、広さはどうか、または、大きなダイニングテーブルで、そこで楽しむのはどうか、大きなダイニングテーブルだとボードゲーム以外にもお子様が勉強したり、その横でお父さんが子供に勉強を教えながら仕事もできる、といった楽しみ方の情報提供すると、「もっとこうしたい」というような具体的なご要望が出てきます。

「楽しいコト」の伝え方②

「体感体験」空間のインテリアなどのイメージ、使用するモノなど、その場には無いものを伝えたり共有する時に活用すると有効なのが画像や動画です。「プラン(間取図)」や言葉での説明では行き違いが生じやすいだけでなく、画像や動画などのパッと見て分かる資料よりもインパクトが弱いため画像や動画を活用した資料の活用をお勧めします。

お客様に「楽しいコト」を伝えるポイント

文字情報より画像や動画で理解する方を好むデジタルネイティブ世代が建築適齢期の主力である現在、「耳から取得する言語情報」よりも「目から取得するビジュアル情報」の方が抵抗なく受け容れてくださいますし、パッと見てわかりやすい情報です。「会話力がある」ことよりも「わかりやすく見せる」ことが重要です。

話しすぎない

住宅営業担当者は、自社住宅の魅力を伝えたいがために、一生懸命話して伝えることに注力しています。伝えたい気持ちと熱意はわかりますが、従来からの「性能重視型説明」のクセが抜けていない状態でお客様に言葉で説明をすると、どうしても性能視点からの言葉になってしまいます。「楽しいコトの画像や動画」をお見せして興味関心を持っていただこうとしているのに、言葉は性能の話だと、お客様の方も「自分の楽しいコト」を考えるのに集中しきれません。したがって、画像や動画をお見せする際の住宅営業担当者から発するのは「コトに関する質問」や「お客様が興味関心をお持ちの楽しいコトの内容の確認と共有化」する程度に抑えた方が良いでしょう。

画像、動画を見せるポジション

住宅展示場や完成住まいの見学会時に、事前に資料をカウンターやイーゼルなどに設置し、お客様に自由にご覧いただく場合は別として、住宅営業担当者が直接お客様に画像や動画をお見せする場合は、お客様が画像や動画が見やすいお客様が見やすい高さと距離を保ち、住宅営業担当者は同性の側にポジショニングすることが基本です。

「楽しいコト」のバリエーションがわかる画像

上述したような、ボードゲームを楽しむご家族の場合、リビングの床でボードゲームを楽しむ、テーブルでボードゲームを楽しむ、などのどのように楽しんでいるのかがパッと見てわかる画像や動画をお見せすることがポイントです。お客様は、画像を見ただけでボードゲームの楽しみ方のバリエーションがわかり、自分ならこのパターンが良いなどの想いを持っていただけるのと同時に、住まいづくりが具体的に進みます。

まとめ

建築適齢期の主力世代である生まれた時からインターネットに触れているデジタルネイティブ世代は、文字主体より画像や動画で理解する、という傾向があります。さらに、個々の価値観を重視する世代でもありますので、パワー溢れる強い営業よりも自分が知りたいコトを教えてくれる「伝わる営業」の方を「信頼できる営業」として認めてくださいますので、「モノありき」ではなく、「コトありきの伝わる営業活動」にシフトすることをお勧めします。

ハウジングラボでは、暮らしの楽しさを画像でお見せし、触発することで、営業活動をサポートしてくれる「はたらくツール」をご用意しています。お客様にお見せするだけで伝わる便利なツールです。言葉による住宅営業を補完し、よりお客様のご理解を得やすいツールとしておすすめです。工務店の住宅営業をサポートし、リーズナブルな料金で大きな効果が期待できるハウジングラボの「お役立ちLabo」サービスです。是非ご活用ください。詳細は、下記URLからご覧ください。

https://www.housing-labo.com/onlinesupport

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

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