消費行動の変化を知ることが受注へのカギ
2022/10/28

新型コロナウィルス感染拡大による行動の自粛、ウッドショック、ロシア・ウクライナ戦争、世界的なインフレなどの影響で消費行動に大きな影響を及ぼしています。将来への不安から節約志向の人が増加し、結婚前の若者でも老後を見据えた住宅を希望する人が増えつつあります。今回は、あらゆる面で資金的には慎重指向のお客様傾向の中で、自社住宅商品の価値を適正に認識していただき、お客様の消費行動の変化の角度から「高くても売れる住宅」について考えてみます。
Contents
モノを購入するキッカケの変化

景気が悪くなり家庭の収入も悪くなると考える人が増加し、「今よりも少ない収入」を前提とした生活設計を考える人も増加しています。しかしながら、現状の生活に満足している人は約80%存在するという調査結果もあり、充実した暮らしをしていることがわかります。将来の家庭の経済面や社会情勢に不安があり、消費を抑えているにも関わらず充実感を持っている原因を企業からの情報発信視点で探ってみます。
新聞・雑誌などへの広告
2000年頃までの主流であったのが新聞、雑誌などへの広告やテレビやラジオへのCMという企業と消費者とのコミュニケーションが存在しない消費者への一方通行の情報発信でした。したがって、消費者がご自身で情報を探して得るためには、かなりの手間暇をかけなければならない時代でした。消費者は広告やCMでモノを知り、欲しいと思ったら実店舗で見かけた時に購入するという流れです。
インターネット検索の充実
インターネット環境が充実してくると、消費者ご自身がインターネットで情報を検索し、WEBサイトや口コミからモノの情報を探して得たり、利用したモノの情報を発信できるようになりました。広告やCMを見て興味を持ったが、詳しいことが分からないので詳細をネット上で探して「モノに納得」したら購入するという流れです。
スマホとSNSの充実
2008年に日本でiPhoneが発売され、2010年頃から本格的なスマートフォンの普及が進み、より多くの人が気軽にインターネットを利用できるようになりました。そして、FacebookやTwitterなどのSNS利用も拡大し、誰でも気軽に情報を発信できるようになりました。消費者は、興味を持ったモノを口コミで調べ、自分が良いと思った「モノで実現するコト」に共感したら購入するという流れです。
「個」に対応した情報発信
2015年頃から企業は消費者にとってメリットになり共感してもらえる情報をWEBサイトやSNSなどで視点を変えながら継続して発信し、自社から消費者が離れないように、さらに興味を持っていただくような対策を取っています。消費者は、モノを扱う企業とつながり、「コトを実現するためのモノ」が見つかったら購入するという流れです。
生活が満足する理由
将来への不安から家計の出費を抑える傾向が強まり、我慢をしていると想像が容易な中、生活の満足度が高いのは、「モノ」に価値基準があるのではなく「コト」に価値基準があるからと考えます。
つまり、
・高ければ良い、安ければ良いという価格で決めない
・モノによってどんなコトが出来るのか、コトのためにどんなモノが必要なのか
が消費者の購買基準であり、コトが満足すると経済面などへの不安があっても充実して幸せということです。
住宅業界では、自社住宅の工法・性能・設備などの「モノ」の良さをメインに訴求しているのが大多数ですが、手に入れる住宅で実現できる「コト」の発信でお客様を惹き付ける必要があります。
住宅によって手に入れられる「コト」とは

住宅を持つにしても、充分な収入があるにも関わらず、「なるべく低価格で」と望まれるお客様が多いのが現実ですが、こうしたお客様は、住宅での「コト」に気づいていらっしゃらない方がほとんどです。上述したように、良いモノの判断基準は、価格や品質だけでなく「コト」ですので、「コト」の発信のしかた次第でお客様を惹き付け、高価格帯の住宅でも手に入れたいと思っていただけます。
暮らしの「コト」の例
例えば、キッチンに関する情報発信では、現在のキッチンのポジションを鑑み、様々な楽しみ方を発信します。従来、キッチンは調理をする場として機能していましたが、現在は、ご夫婦や親子など複数人で楽しくコミュニケーションをとりながら調理をする場としても存在しています。広告やSNSなどには、一人で本格的な料理を作っている画像、夫婦で楽しそうに料理を作っている画像、お父さんと子どもがお菓子作りをしている画像、お母さんが料理をしている周りで子どもが話しかけている画像など、何気ない日常のシーンではあるけれど、楽しさやほっこりした幸せが伝わる画像を用いて発信して行くと効果的です。
まとめ
先行き不安の状況下では、「住宅はなるべく低価格で」と考えるお客様が増加すると考えられますが、自社住宅で実現できる「楽しいコト」の発信で自社住宅の良さ=価値を認めていただけると「この家が欲しい」を強く想っていただけます。この「コト発信」は住宅業界では極稀な発信ですので、今手掛けるとお客様の方から積極的になっていただけます。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子