ネットがあれば、全国どこでも住宅を受注できる

全国には良い住宅を建築できる優良な住宅会社/ビルダーは多くあります。
一方そうした住宅会社/ビルダーの多くは「お客様を中心に考える暮らし視点の住いづくり」という最新の住まいづくりを苦手とされており、優れた住宅ハードを建築できるという折角の長所部分を活かし切れないというのはもったいない限りです。

また、お客様の価値観を理解し、暮らし視点の住いづくりを組み立てられる「住まいづくりスーパーバイザー」というエキスパートは極少数に限られています。
コロナ禍でZoomなどのオンライン対面が普及した社会環境では、「暮らし視点からプランへ落とし込むソフト部分」をオンラインで進め、それを「現地で住宅として完成させていく建築ハード部分」を結びつける分業化も可能になってきました。

最新にして「最良の注文住宅事業スタイル」を生み出す可能性を秘めた分業ネットワーク系の注文住宅事業の試みです。

住まいづくり相談

ネット上で建設予定の土地を保有する潜在客を育成し見込客として顕在化するまでのネット上でのプロセスとノウハウは重要ですが、ここでは割愛させていただきます。

「暮らし視点の住まいづくり相談」を求める見込客ご夫婦とZoom面談で対応するところから実質的な住まいづくりが始まります。

初回面談でお客様の現状の暮らしへのまなざしなど暮らしに対する価値観を共有化します。
自宅内で過ごす時間と自宅以外で過ごす時間の構成比、ご家族様一人一人の24時間の過ごし方(平日と休日)などの暮らしの外形的な部分から、初めて徐々に暮らしの各シーンを共有化しながら「近未来の暮らし」を組み立てて行きます。
特に新しい住まいで実現したい暮らしに気づいていただきながら価値観の共有化を進めます。

多くのお客様は「暮らし視点」でご自身とご家族の在り方を考えたことがありませんので、先ず取り上げやすいのは「現状の生活への不満/不便さ」への対策です。

奥様の洋服の収納量の不足、洗面脱衣室が寒い上に床が冷たい、洗濯動線が悪く干すのが一苦労などなどご不満点は顕在化しやすい項目です。
この解決はどの住宅会社でもレベルの差はあっても対応可能です。
しかしそれだけのために何千万円という資金を使おうとするのであればもったいない、人生100年時代の長い時間を「暮らしを楽しみ人生を楽しむ」ための「投資」としての住まいづくりに気づいていただくことが重要です。

モデル住宅で体感体験するところから協働ネットワーク開始

住まいづくりは、実際にモデル住宅で体感体験していただくことが重要です。
先ずお客様が建築されるエリアで気に入った住宅会社/工務店がおありなのかを確認し、「ある」場合はその会社を「優良住宅会社としての一定の基準をクリアしているのかを簡易審査」し、「ない」のであれば審査基準をクリアした住宅会社/工務店を推薦します。

選択した住宅会社のモデル住宅の各部屋、部位の中で特にお客様ご自身が重視される暮らしに関する部分について、自分が住むとしてという視点で体感体験していただくことを事前に明確にして見学に行っていただきます。
ここで「ソフト」担当住宅会社/ビルダーと「ハード」担当住宅会社/ビルダーのコラボが始まります。
両社は事前のオンライン面談での打ち合わせで充分にご案内するポイントを共有化しておきます。

お客様には体感体験していただきたい部位の他に気に入った点、気になった点を体感体験後の2回目のオンライン面談でお話しいただき、「そう感じた原因」を整理してご自身の実現したい暮らしを具体的に共有化します。
この情報に基づきプラン/デザインへ落とし込みます。

●プレゼンテーション

事前に資金計画は「ソフト」担当の住宅会社/ビルダーがお客様と共有化します。
敷調、役調など必要な調査を「ハード」担当の住宅会社/ビルダーが実施し設計与条件を共有化します。

設計与条件内で「お客様が実現したい暮らしの重心」をメインに、こういう暮らしが実現できるというプランデザインをご用意し、暮らし視点のプレゼンテーションをオンライン面談で実施します。

概算予算として実現可能なのか主要な仕様を仮設定して事前にソフトとハード担当の住宅会社/ビルダーで協議します。

初回のプレゼンテーションでプラン/デザイン決定(細かな修正は別途)に持ち込みます。

ソフト担当住宅会社/ビルダーとお客様は3回目の面談でクロージングです。

●役立ち高に応じたフィー配分

元請契約はハード担当住宅会社/ビルダーです。
ソフト担当の住宅会社/ビルダーは、ハード担当の住宅会社/ビルダーから「潜在客育成・集客/見込客化・営業活動・基本プラン(1/100の平面立面)・契約合意」の役立ち高に応じたフィーバックを受けます。

大まかにはこうした協働ネットワークの注文住宅事業スタイルです。

「コアノウハウは暮らし視点の潜在客育成と個別お客様の価値観を把握」することにあります。

これなしにプラン、プランといくらプランを描いて動いても受注に至りません。
お客様の暮らしの価値観を育み創造して共有化することが注文住宅事業のポイントです。

●住宅営業と基本設計を兼ねた人材

「普通の住宅営業」ではなく暮らし視点でお客様と向き合いご自身の暮らしに簡単に気づいていただくスキルを持つ住宅営業とお客様の価値観に沿った住宅設計/デザインを実現できる二刀流の人材がポイントです。
この人材を有効に使うために活動の内容を重要なところに絞り切って使うことで受注生産性を高めます。
年間12~16棟位しか受注できないのが現状のトップ住宅営業の生産性の限界ですが、この4倍程度の生産性が期待できる住宅事業スタイルであり住宅営業と営業設計の生産性革新でもあります。

●ソフト系かハード系かの自社の選択

ソフト系の住宅会社/ビルダーは、この要となる人材育成のハードルがかなり高いということ、資質のある人材とその人材への教育投資が必要になります。
一方ハード系は「しっかりした技術力と信用力」があれば「営業力は事実上不要」です。
また、その代わりどうしてもハード系は受け身にならざるを得ません。
自社の住宅事業に受注棟数的にもノウハウ的にも「プラス」効果があると考えての取り組みになると思います。

まとめ

全国規模の優れたソフト系の住宅会社/ビルダーと優れたハード系の住宅会社/ビルダーがオンラインを有効に活用して進める注文住宅事業の新しいスタイルも研究段階から実用段階へ入ろうとしています。

営業・設計・工事という住宅会社機能を高度に分業化することでお客様は全国どこでも地域格差無く暮らし視点の住いづくりノウハウを有効に活用でき、地元の優良住宅会社/工務店の技術力に支えられた良い住まいづくりが可能になります。
新時代の地域密着の住まいづくりを可能にするのがネット活用の分業ネットワーク住宅事業です。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
代表取締役社長 松尾俊朗
一級建築士

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