競合他社と差別化して集客力を強化する
2023/10/20

「自社住宅は良い住宅だから、差別化できている。でも集客はうまくいかないし、お客様が来場されても自社より劣る住宅を売っている競合他社と比較され受注できない」という状況は、「お客様にとって」という視点を加えると解決します。
今回は、競合他社と差別化して集客力の強化を図る方法について考えてみます。
Contents
自分の評価基準で差別化していないか

例えば、「温熱環境等級5だから冬暖かく、夏涼しく、ZEHです」は、お客様に競合他社との大きな差があるように伝わっているのでしょうか。
競合他社のホームページを見てください。
温熱環境を訴求している会社は、必ずと言っていいほど温熱環境等級を明示しています。
仮に、この他社の温熱環境等級が自社より低い「4」であったとしても、お客様にとって「大きな差」として捉えていらっしゃるのでしょうか。
自社の思い入れとお客様の判断基準の乖離
自社住宅の良さは、温熱環境などの性能面に基づく快適性や構造などの躯体の安心感を数値で表し、デザインなどの感性に訴えているのではないでしょうか。
こうした自社の特徴が差別化ポイントと考えたとして、住宅業界人には凄さが伝わると思いますが、お客様に凄さが伝わるかということを加味しなければ「差」は伝わりません。
温熱環境等級が5であれ、4であれ、数値としての「差」は見えますが、「暮らしていくうえで何が違うのか」が見えないと「差」として認識していただけません。
「差」が見えなければ、「何となく気になった会社」「価格がストライクな会社」などの、ぼんやりとした選定基準で候補は挙がるが、物価高で足踏みしている状況になり、集客につながりません。
お客様の判断基準

お客様に伝わらない「差」では差別化できません。
お客様にわかりにくい伝え方では効果が無いのです。
反対に、住宅営業担当者が「そんなことが・・・」と思っていることでも、お客様が惹かれるポイントであれば差別化ポイントになるのです。
お客様が惹かれるものとは
ホームページやSNSなどで
ZEHビルダー評価最高の星6つ!
温熱環境等級5だから冬暖かく、夏涼しい!
とメインで打ち出したとして、この「星6つ、温熱環境等級5」に惹かれて来場されるお客様は何組なのでしょうか。
もちろん、自社住宅の特徴として住宅性能の説明は必要であり、安心感を与えるものではありますが、お客様が求めていることは他のことにあります。
お客様が興味をお持ちなのは、星6つの評価の住宅会社/工務店のZEH住宅で得られる未来像です。
極論を言うと、お客様が求める未来像が手に入るのであれば、温熱環境等級が5でも4でも、星が6でも5でもどちらでも良いのです。
未来の暮らし
集客段階だけでなく、お客様のご案内から始まる営業段階で有効なのが「暮らし視点」です。
建物としての住宅を魅せるよりも、「楽しい暮らしが見える」暮らしの場として、暮らしを楽しんでいる家族が「動的に入った」ビジュアルに訴えるのが基本です。
例えば、窓の外には冬景色が広がり、部屋の中では裸足の子どもが走り回って遊び、それを嬉しそうに見守るパパとママといった暮らしの楽しいワンシーンを魅せます。
お客様は、画像や動画から「冬なのに裸足で過ごせる暖かい環境で楽しく過ごせる」ことを認識してくださいます。
このような訴求は、「この家族はそういう楽しみ方なのか」と理解し、「自分たちなら、こうしたいかな」と興味を抱いていただき、「行ってみようか」という行動へつながります。
数ある競合他社の中から自社に興味関心を持っていただくためにも、楽しい暮らしが見える訴求は、差別化した集客におすすめです。
ビジュアル情報を活用する
情報の吸収は、視覚情報が80%以上を占めているとも言われていますし、建築適齢期のお客様はホームページやSNSなどの各種媒体に慣れ親しんでおり、文字情報だけでなく画像や動画などの視覚に訴える情報も活用して情報の取捨選択や自分に合うか合わないかなどの判断をしていますので、ビジュアルでの訴求をおすすめします。
まとめ
お客様に選ばれるためには、競合との差別化が必要不可欠です。
そのためには、住宅業界人以外の人が「わかる」視点で訴求することがポイントです。
温熱環境等級がどれだけ凄いのかを説明するのではなく、すごい温熱環境等級がもたらす楽しい未来を魅せることの方が差別化につながり、集客と受注に効きます。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子