伝わる資料作成のポイント

お客様のご案内時にお見せする資料、プレゼン時にお見せする資料など、お客様の目に触れる資料は多数あります。自社住宅商品をお客様に理解していただくためには「伝わる資料」である必要があります。今回は、お客様に伝わる資料とはどんな資料なのか、そして、資料作成のポイントを考えていきます。

資料作成を始める前に決めること

お客様にお見せする資料は、自社を「家を建てる会社」として選んでいただくために、受注までの各段階・場面で使用する重要なものです。各段階・場面に応じた資料作成をするために、決めておくポイントは以下の通りです。

・「誰」に「何」を「いつ」伝えるのか
・お客様に「どう」思ってもらいたいのか

「誰」に「何」を「いつ」伝えるのか

誰にお見せするのか、何を伝えたいのか、いつ使う資料なのかが明確になっていないと、焦点がズレた資料になってしまう可能性があります。例えば、初めてご来場されたお客様のご案内時にお見せする資料なのか、アポ後の面談時にお見せする資料なのかによって、資料の内容は変わります。また、住宅性能を伝えたいのか、デザインを伝えたいのか、利便性を伝えたいのかなどによっても資料の内容は変わります。「誰」に「何」を「いつ」を初めに明確にすることをお勧めします。

お客様に「どう」思ってもらいたいのか

お客様に「どう」思ってもらいたいのかを明確にすることも資料作成時のポイントです。
「キッチンの話をもっと聞きたい」と思っていただきたいのであれば、キッチンの種類ごとの特徴や使い勝手など魅力を伝えたいですし、プレゼン時に「この会社で建てたいな」と思っていただきたいのであれば、自社住宅の魅力に加え資金やスケジュールなど、現実的で具体的な内容も必要です。「どう」思っていただきたいのかが変わると資料内容も変わりますので、目的を明確にすることをお勧めします。

伝わる資料とは

「パッと見て分かる、いいなと感じる」というのが受注に近づく効果が高い資料です。

人は目から7割、耳から2割の比率で情報を受け取っています。視覚から入る情報が圧倒的に強いため、目に訴える資料が有効です。ここで言う「目に訴える資料」とは、画像や動画を使用した資料のことを指します。
Instagramなどの画像で「こんな家できますか?」と、自分が好きなイメージの住宅の画像を見せてくださるお客様が増えてきていますので、お客様も画像・動画での資料の方が馴染みやすいというメリットがあります。

画像・動画を使った資料

多くの住宅会社/工務店ではSNSでの情報発信を行っています。SNSで使用している画像・動画を資料にも入れ込んで資料作成するイメージです。使用する画像を「暮らしぶり」が見える画像・動画にすると、さらに伝わる効果が高まります。

暮らしぶりが見える画像・動画は効果が高い

「オシャレ」「カワイイ」「カッコイイ」「クール」などのイメージの住宅の外観や内観の画像は、住宅そのもののイメージを膨らませ、お客様の好みを刺激するために効果的です。さらに、「暮らし」が見える画像・動画も加えると、お客様の新しい住まいでの暮らしを想像していただけます。お客様は、ご自身の楽しい暮らしが見え、それが実現できることがわかるとグンとテンションが上がりますので、自社に惹き付ける効果を高めます。

住宅の使い方がわかる画像

例えば、お父さんの方が早く帰宅した時は、お父さんが夕食を作り、料理ができるのをお母さんと子どもがダイニングでお茶をしながら楽しみに待っているシーンの画像の場合、口頭での説明がなくてもお客様は画像の力でその暮らしを実感でき、「自分だったらこの部分をこんな感じにしたいかな」などの具体的な考えが出てきます。住宅の使い方がわかる画像のポイントは、「なるほど!」と具体的な内容が伝わる画像・動画にします。

画像のキャプション

例えば、上述した「お父さんが夕食を作り、料理ができるのをお母さんと子どもがダイニングでお茶をしながら楽しみに待っている」画像に、このシーンの簡単なキャプションをつけると、さらにお客様に伝わる効果が高まります。

第三者の目を借りる

資料の骨子を作成した段階と資料完成後に、「伝えたい意図が伝わるか」「情報量は適切か」などをチェックしてもらって修正すると、更に伝わる効果が高い資料ができます。

まとめ

お客様にお見せする資料は、どんなに充実した情報が載っている資料でも「伝わる」資料でなければ受注に近づけません。「誰」に「何」を「いつ」伝え、お客様に「どう」思ってもらいたいのかをまず明確にし、新しい住まいでの暮らしのシーンが見える画像を使用して、自社に惹き付ける資料作成をお勧めします。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

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