受注まで6週間! 消費者心理を理解して購買意欲を刺激する住宅営業とは

土地探しも含め初回面談から受注獲得まで数ヶ月~数年を要する、というのが注文住宅業界のが常識ですが、消費者心理を理解し、お客様の購買意欲を刺激するテンポ良い営業で6週間で受注を獲得する住宅営業について考えてみます。

受注までの期間が数ヶ月単位の主な原因

注文住宅の初回面談から契約までの一般的な大まかな流れは下記の通りです。

1.土地探し、工務店/住宅会社検討
2.敷地調査、プラン/見積依頼と比較検討
3.土地売買契約、建築請負契約

上記のいずれの段階においても、土地探しが難航している、競合他社のプランや見積もりが出揃っておらず比較検討に時間がかかっているなどの様々な理由で、場合によっては数カ月単位で時間がかかるのは当たり前というのが注文住宅業界の常識だと思います。

・他社との比較検討
住宅は数千万円もする買い物ですし、さらに物価上昇中ともなれば、複数の工務店/住宅会社のプラン、価格などをあらゆる面から比較検討するのは当然のことです。

・土地が決まらない
希望の広さや価格、お子様の学区、職場までの距離、土地の向きなど、ご希望の土地が見つからない場合も多々あります。

長期化の最大原因

上述した初回面談から受注までの長期化を招く「他社との比較検討」「土地が決まらない」原因は、「他社と大差なく見えるため比較検討したくなる営業方法」にあります。これは、どういうことかと言うと、自社住宅商品を売るために、住宅商品が持つ特徴である性能/構造、広さや間取りなど住宅というモノを主体とした商品説明、ご希望の間取り/広さ/予算などの建物のご希望を質問しており、多くの工務店/住宅会社の営業担当者は、この営業方法をとっています。工務店/住宅会社によって工法の違いや性能等級の差はあれど、「多少の違いはあっても、同じような説明を受けた」という認識です。

お客様にとっては、どの工務店/住宅会社からも似たような説明や質問をされ、部屋数などの希望を伝えたのであれば、比較検討したくなるのは当たり前のことです。

「土地が決まらない」ことも、希望の土地概要は他社にも伝えていますので、同じ土地を提案されていたりしますし、ご希望条件総てを満たす土地を見つけようと時間がかかっていたりもします。

購買意欲を刺激する営業で受注する方法

購買意欲を刺激するためには、お客様にとって価値ある「コト」の訴求が大原則です。極論を言うと、「モノが良い=売れる」という訳ではありません。住宅の性能は必要ですが、「心が満たされるか」ということが大切なポイントです。

説明する順番を変える

では、他社とは異なる購買意欲を刺激する住宅営業とはどのような方法なのでしょうか。


①「この住宅は、○○工法で耐震等級3、断熱性能7と、高いレベルで基準をクリアしていますので安心快適です。」

②「ここのアイランドキッチンは、ご夫婦お二人で楽しく会話しながら料理もできますし、お子様に料理を教えたり家族全員がキッチンに集まっても楽しくコミュニケーションが取れます。アイランドキッチンは対面キッチンよりも広さが必要ですが、○○工法で耐震等級3、断熱性能7と、高いレベルで基準をクリアしていますので安心快適さも実現します。」

という例で言うと、上記の①は、住宅そのものの良さを説明して魅力に感じていただこうとしていますが、②はお客様が楽しくなり、かつ、その楽しさも安心安全快適の上に成り立っていることが伝わる説明をしています。

楽しさを伝えることで購買意欲を刺激し、さらには、この営業方法は他社では行っていない営業方法ですので、この時点で他社よりも優位に立つことが可能です。現在のお客様は、購入の際の判断基準は、心の豊かさをベースにしていますので、他社と比較検討されても、多少高くても、「これ欲しい!」と思っていただければ購入に至るのです。

土地探しの負のループから抜け出す

お客様や住宅営業担当者も、ご希望条件であるエリアや大きさ、形状などに目が行きがちですが、これに囚われていると土地選定が進まなくなる状況に陥ります。土地単独の条件で土地を探すのではなく、実現したい楽しいい暮らし視点で土地探しを進めると、必ずしもお客様の希望条件を満たす土地が最適とは限りません。「住宅内部と外部空間で実現したいコト」と「土地の希望条件」を照らし合わせ、「楽しい暮らし」が実現できる土地であることを説明することがポイントです。

営業を進めるテンポ

人は1週間後には覚えたことの約8割を忘れるとも言われています。したがって、6週間で受注を獲得するためには、次回のアポ獲得間隔が重要です。次回のアポは1週間以内に獲得します。アポを前倒しするのはOKですが、先送りすると記憶が薄れ、お客様のワクワク感が無くなってしまいますので、1週間後のOB宅などの「ご案内アポ」を獲得します。次回の「ご案内アポ内容」の魅力を伝え、お客様のモチベーションを上げるためにも、前回ご来場された日と次回のご案内アポの間にお客様宅へ訪問するアポを獲得します。

まとめ

消費者心理を理解し、お客様の購買意欲を刺激するテンポ良い営業で6週間で受注を獲得するためには、何かを購入する際の判断基準は「モノ」ではなく「コト」であるという消費者心理を理解し、「コト」の訴求が大切なポイントです。そして、大半の記憶が1週間程度薄れることを念頭に置き、週末に行動していただく内容が、お客様にとって楽しく良い住まいづくりにつながるように週中にも関係資料をお届けして、週末の行動が受注にに結びつくように工夫します。

ハウジングラボでは、お客様の「納得」と「満足」を高めて最短6週間で受注を獲得する住宅営業手法をご用意しています。新人でも短期間で修得可能な「いい暮らし実現営業」、他社従来営業とは大きく差別化した“この家が欲しい”を引き出すコミュニケーションができる「気づき共感営業」、ハイエンド層のお客様に対応可能な「暮らし触発営業」などです。また、住宅事業を安定継続/発展するための、「商品」「商品開発」「集客・マーケティング」「営業」「設計」「マネージメント」の分野からアプローチする注文住宅事業の「総合ビルドアップサポート」やコンパクトな工務店様・住宅会社様の住宅事業をサポートする「お役立ちLabo」をご用意しています。

是非ご活用ください。

■住宅コンサルティング
https://www.housing-labo.com/consulting
■住宅営業/マネージメント/住宅設計研修
https://www.housing-labo.com/training
■お役立ちLabo
https://www.housing-labo.com/onlinesupport

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

関連記事

住宅展示場・見学会への新規来場数減少で重要性を増す週中アポ

新規来場者数が減少しているという事態では、「来場者を全て受注する」というのが営業の基本姿勢です。コンサルティングを実施している何社かのデータを詳しく分析すると、受注した案件のお客様との面談間隔が3.5日のお客様が最も受注 […]

土地さえ決まれば住宅を受注できる!?

住宅営業からよく聴く話です。超低金利のデフレが長期に亘り、さらにローコスト住宅全盛期と相まって、「アパート代で土地付き一戸建てが買える」というのは地方では当たり前のキャッチフレーズになりました。都市部ではコロナ禍で同じ金 […]

新卒の住宅営業新人をGWから戦力化させる方法

春になると新卒新人が入社される会社も多くあると思います。「早く一人前にと会社は考え」、「本人も早く戦力になりたい」という気持ちで両者の方向性は一致しています。ところが実際には「そうは言ってもそれなりの時間はかかる」と上司 […]

新着記事

【住宅展示場の来場者数推移から見る集客対策】集客数減少 → 受注棟数減少の解決方法

最新の情報では、2024年7月の総合住宅展示場の来場者数は、前年同月比14.2%の減少、1月~7月までの今期来場者の累計は前年比3.2%減へと推移しています。大手ハウスメーカーの新築受注棟数もで概ね減少しています。集客数 […]

「非住宅木造建築」分野で成功するポイント

木造で住宅建築に取り組んでこられた住宅会社/工務店/建設会社にとって、非住宅木造建築分野は「未開拓分野」でありますが、保有建築技術の応用で自ら積極的に切り拓くことができる分野です。 戸建住宅市場が、人口減少と出生率の低下 […]

リノベーション(建替並みか、それ以上のフルリフォーム)成功のポイント-1

新築住宅は、人口減少、出生率の低下で、少なくともこの先40年は、確実に需要が減少します。一方で、住宅ストック戸数は増加をし続けており、リフォーム需要は、インフレが継続する昨今の経済環境も含めて成長が期待されています。特に […]

間違いだらけの注文住宅事業

過激な表題ですが、正確に表現すれば、注文住宅を発注する側のお客様が軸を持たずに住宅会社へ注文を出しているため、予算は低めで、要求はランダムかつ過大になりがちです。それに振り回されているのが現実だと思います。 注文住宅は、 […]

市況によって上昇する価格に振り回されない住宅営業とは

ウッドショックから始まり、多くの住宅会社・工務店で坪単価が上昇しています。 「住宅の坪単価が上がったから売れない」というのはプロの世界では通らない話です。 具体策としてどう対処するのかを考えてみましょう。 Content […]

小さな家の豊かな暮らし

1950年代の2DKを起点に4LDKまで部屋数と共に面積が拡大してきた日本の住居。気が付けばアメリカに次いで世界第2位の住宅の広さを手に入れました。それでもエンドユーザーは「もっと広く」の要求が続いていまます。この声に応 […]