お客様との信頼関係の築き方

「お客様と信頼関係を築きたい」と思う住宅営業担当者は多いと思います。
「自己紹介をしっかりした」、「ご来場時のご案内で余すところなく説明をした」だけでは、信頼関係が築けているとは限りません。
今回は、住宅営業がお客様から信頼を得るためのポイントについて考えてみます。

なぜ、お客様との信頼関係が必要なのか

現在のお客様は、ご来場される前に数ある住宅会社や工務店のホームページやSNSでどんな住宅なのかを調べ、何となくではありますが、ご自身の好みのデザインや気になる住宅の特徴がある会社にご来場されます。
ご来場された時点で、少なからず「この会社の住宅が良い」と思っていらっしゃるのに、信頼関係が築けなければ「失望」という負の感情が大きくなり、「この住宅会社/工務店はもうナシ」と判定されて、敗者復活戦にも出られなくなります。

信頼関係が築けている状態とは

注文住宅は、お客様の極めてプライベートな部分、世帯年収、家族構成、職業、土地の有無、自己資金などを把握していなければ住まいづくりができない仕事です。
警戒心や不信感をお持ちであれば、このようなプライベートなことはお話しくださいません。
住宅営業担当者が質問攻めで無理矢理に聞き出した状態ではなく、良い住まいづくりのために躊躇なくお話しくださる状態が信頼関係が築けているということです。

信頼関係を築くポイント

現在はホームページやSNSからある程度の情報が取得できる時代です。
ネットから得た情報から、時には無謀とも思えるご要望をお持ちだったりします。
こうしたご要望に対し、「すべて言われるがままにプランを作成して予算が合わなかった」や「『自社では無理なのに・・・』がお客様に伝わって対立軸を作ってしまった」などで他社へ行ってしまう状況をよく耳にします。
これは、お客様の言う通りにしているからプラン作成まで持っていけただけで、信頼関係を築いた状態ではありません。
極論を言えば、「自分の言う通りに動いてくれるし、プランを作ると営業が言っているから作ってもらった。でも予算が合わないなら別の会社に行ってみよう」という、「便利な営業」という認識であって信頼関係ではありません。
では、どうやって信頼関係を築くのでしょうか。

お客様の話を聴く

お客様は自分に関心を持って聴いてくれると認識すると、住宅営業担当者に対して安心感を持ちます。
そして、この「関心を持ってくれている」と認識していただけると下記のような効果があります。

・自分を理解しようとしてくれている
・良い住まいづくりができそう
・自分の要望を言いやすそう
・現在の困っていることが解決できそう

など、プラス要素がたくさんあります。
反対に、お客様の話を聴かずに住宅営業が「提案」、「説明」や「質問」ばかりすると、「本当にそうなのか?」「面倒だ」などとマイナス感情が湧き出てきます。
また、住宅営業が伝えたいことだけを説明し続けたりすると、うんざりされたり、飽きられたりして反感を買ったりします。
お客様に自社での住まいづくりを積極的に考えていただくためにも「聴く」ことは重要です。

反感を買わない

例えば、お客様が他社のことを気にされている場合に、その会社の良くない点を羅列し貶めようとするのは良くありません。
気になっているのは気に入っているということかもしれません。気に入っているものを否定されるのは面白いわけがありません。
お客様にとって面白くないことを言う住宅営業担当者には良い感情を持ちません。
客観的な情報をお伝えするのはOKですが、悪口はNGです。

すべて受け容れるが言いなりにならない

お客様の話は「徹底的に」受容れてお聴きします。
ここでのポイントは「受け容れる」が「言いなりにはならず」、お客様の「メリットになることをひたすら考えて行く」ことです。
この住宅営業担当者の姿勢は、お客様にとっては「認められた」という満足を得ますので、住宅営業担当者に向き合ってくださいます。

例えばキッチンを出来るだけ広くというご要望のお客様への対応は、どれくらい広くしたいのかなどを具体的にお聴きして受け容れますが、即「では○帖くらいですか?」という言いなりでの結論を急ぐ対応はしません。

お客様のためになる情報提供をする

上述した、キッチンを出来るだけ広くというご要望のお客様への言いなりではない対応とは、「なぜ広いキッチンが欲しいのか」、「キッチンは誰が使うのか」、「複数人一緒に料理するのか」など、広いキッチンが欲しい理由を深堀りしていきます。
そうすることで、お客様にとって「価値ある情報を届けてくれる人」になり、信頼関係が築けます。

まとめ

お客様と信頼関係を築くことは、住宅営業にとって重要なことです。
お客様の御用聞きのような住宅営業が信頼されるわけではなく、そのお客様にとって役立つ情報を届けてくれる住宅営業になることが重要であり、そのためには、お客様の話をお聴きし、ご要望に対する理由を深堀りして対応していくことがポイントです。

ハウジングラボでは、お客様の「納得」と「満足」を高めて標準6週間で受注を獲得する住宅営業手法をご用意しています。新人でも短期間で修得可能な「いい暮らし実現営業」、他社従来営業とは大きく差別化した“この家が欲しい”を引き出すコミュニケーションができる「気づき共感営業」、ハイエンド層のお客様に対応可能な「暮らし触発営業」などです。また、住宅会社様が、安定継続/発展するための、「商品」「商品開発」「集客・マーケティング」「営業」「設計」「マネージメント」など、注文住宅事業「総合ビルドアップサポート」から、コンパクトな工務店様の住宅事業を営業ツール面からサポートする「お役立ちLabo」サポートまでをご用意しています。

是非ご活用ください。

■住宅コンサルティング
https://www.housing-labo.com/consulting
■住宅営業/マネージメント/住宅設計研修
https://www.housing-labo.com/training
■お役立ちLabo
https://www.housing-labo.com/onlinesupport

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

関連記事

【競合対策の基本①】他社の悪口はタブー

住宅営業を進める上で必ずと言っていいほど存在する競合他社への対策は、受注を獲得するためには重要な対策のひとつです。しかしながら、間違った対策を打つと自分(自社)の信頼を失ってしまう危険があります。お客様は、その話をどのよ […]

【競合対策の基本③】お客様を理解する

競合対策の基本として、【競合対策の基本①】他社の悪口はタブー【競合対策の基本②】他社の商品や営業戦略を分析するを記していますが、今回は住宅営業に必須の「お客様を理解する」こととは具体的にどのようなことなのかを考えてみます […]

【住宅営業の基本 | 聴き方編】「聴く」と「聞く」では大違い。身につけるべき「聴き方」とは

「聴く」と「聞く」の違いをご存知でしょうか。辞書によると、「聴」・・・耳でとらえて知る「聞」・・・音声を耳に感じとるとあります。つまり、住宅営業の場合で言うと、お客様に真摯に向き合い理解しようと集中して聴くのか、住宅営業 […]

「暮らし視点の住宅営業」は、大きな他社差別化になる!

今後の住宅市場は外形として捉えれば建築適齢期の人口減が進み、一方で空き家率は13.6%もあるという市場です。需要漸減化の「モノ」が余っている市場で「対価」を支払うだけの「魅力ある住宅」をお届けできるのかという課題が、住宅 […]

新着記事

新築同等以上のフルリフォーム事業成功のポイント-②

新築事業の勢いが無くなり減速していく中、これをカバーして余りある事業としての新築同等以上のフルリフォーム事業分野を開発し事業として確立することは、今後の住宅事業戦略で重要です。従来のリフォームのような小規模な案件が多い、 […]

【住宅展示場の来場者数推移から見る集客対策】集客数減少 → 受注棟数減少の解決方法

最新の情報では、2024年7月の総合住宅展示場の来場者数は、前年同月比14.2%の減少、1月~7月までの今期来場者の累計は前年比3.2%減へと推移しています。大手ハウスメーカーの新築受注棟数もで概ね減少しています。集客数 […]

「非住宅木造建築」分野で成功するポイント

木造で住宅建築に取り組んでこられた住宅会社/工務店/建設会社にとって、非住宅木造建築分野は「未開拓分野」でありますが、保有建築技術の応用で自ら積極的に切り拓くことができる分野です。 戸建住宅市場が、人口減少と出生率の低下 […]

新築同等以上のフルリフォーム事業成功のポイント-①

新築住宅は、人口減少、出生率の低下で、少なくともこの先40年は、確実に需要が減少します。一方で、住宅ストック戸数は増加をし続けており、リフォーム需要は、インフレが継続する昨今の経済環境も含めて成長が期待されています。特に […]

間違いだらけの注文住宅事業

過激な表題ですが、正確に表現すれば、注文住宅を発注する側のお客様が軸を持たずに住宅会社へ注文を出しているため、予算は低めで、要求はランダムかつ過大になりがちです。それに振り回されているのが現実だと思います。 注文住宅は、 […]

市況によって上昇する価格に振り回されない住宅営業とは

ウッドショックから始まり、多くの住宅会社・工務店で坪単価が上昇しています。 「住宅の坪単価が上がったから売れない」というのはプロの世界では通らない話です。 具体策としてどう対処するのかを考えてみましょう。 Content […]