【競合対策の基本①】他社の悪口はタブー
2023/03/31

住宅営業を進める上で必ずと言っていいほど存在する競合他社への対策は、受注を獲得するためには重要な対策のひとつですが、間違った対策を打つと自分(自社)の信頼を失ってしまう危険があります。今回は、競合他社を賞賛しつつ差別化を図り、自社の信頼を得て受注を獲得するための競合対策について考えてみます。
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悪口と捉えられる競合対策は自社の評価が下がる

従来、お客様の動向の主流は、総合住宅展示場に、まず行ってみて、「気になったモデルハウスに入ってみる」、「全てのモデルハウスを見て回る」など、現地で外観やパンプレットを見てから実際に見学するモデルハウスを決めるというパターンでした。しかしながら、現在は、総合住宅展示場や完成住まいの見学会の見学に行こうと考えているお客様は、ご自身が見学する(したい)工務店/住宅会社の候補を事前にホームページやInstagramなどのSNSで情報収集し、「これが見たい」というある程度の好みに合った工務店/住宅会社のモデルハウスを見学するという動向に変化しています。
お客様が「気になった」「好みの住宅」だから見学した他社住宅のことを、マイナス面を強調して「他社住宅は良くない」ことを伝えるやり取りは、お客様の感性や思考を否定していると同じことです。人は、自分の好きなモノやコトを悪く言われると「面白くない」ものです。気分を害することを伝えてくる住宅営業には、「この住宅営業は自分のことをわかってくれないから話すのをやめようかな」と良い感情を抱かないばかりか、敬遠する傾向にあります。
信頼を失くす他社批判
「A社は金もうけしか考えていない」、「B社の住宅は大したことがない」など、本当に根拠があるのか怪しい、敵意に満ちた批判や攻撃は誹謗中傷と捉えられ、自社のブランドを傷つけ、営業の人間性も疑われてしまいます。
けなすつもりは無くても誹謗中傷
「C社は安いが安いなりでモノが良くないですよ」「D社の断熱性能はウチより低いからおすすめしません」など、自社住宅への誇りがある故に「自社住宅が1番良い住宅」「他社住宅は良くない」ニュアンスが表出したやりとりは、「他社住宅に対する誹謗中傷」と捉えられますので、避けるべき発言です。
競合対策のポイント

競合対策のポイントは、「他社をけなさない」ことが大原則です。
同業他社を認め尊重する
競合他社へのリスペクトは住宅業界に限らず営業の常識です。
意識しているか無意識なのかに関わらず、つい、自社より劣っている部分を捉え叩き潰そうとする攻撃をしてしまいがちですが、他社への攻撃は百害あって一利なしです。むしろ競合他社を褒めて共感の意を伝えることで、「褒めている部分が自分が思っていた部分と同じ」「他社を褒めるのは自社住宅に自信と誇りがあるから」などの自社への評価が上がります。褒めることでお客様は安心して競合他社のどこが良いのか、気に入ったのかを教えてくださり具体的にその内容がよくわかります。原因さえつかめれば対策を打つことは可能です。
競合他社を褒める際のポイントは、やみくもに褒めるのではなく、他社の長所をベースにして分析しておくことが必須です。
客観的に分析する
競合他社の住宅が、お客様にとってどこが魅力的なのかを研究します。この時のポイントは、「良い点、長所を探す視点」で調べることです。自社とは異なる「良い点・長所」が見えてきます。この競合他社の「良い点・長所」への対策こそが、お客様に自社商品を選んでいただくポイントを見つけ出すことに繋がります。
この分析は、自社住宅の良さを客観的に把握し、お客様に訴求する際にも大変有効です。
お客様を知る
お客様が競合他社の住宅の「気になっている」部分は、どの工務店/住宅会社で建てるのかに関係なく、住宅に対して関心をお持ちの部分です。この部分を具体的に理解していき、競合他社と自社との違いをお客様にとっての良い点・長所で訴求するポイントを検討すると大きく受注へ前進します。
まとめ
競合時に他社を攻撃するのは、受注にはつながらず、逆に営業活動を進めていく上で悪影響を及ぼします。
競合他社の長所を理解し、共感して、リスペクトする。そして、自社のことも客観的に把握して、お客様にとっての良い点・長所で対策することで、信頼を得て受注につなげる営業活動を進めることができます。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子