住宅営業の初回接客品質向上のポイント
2024/03/15
住宅展示場や完成住まいの見学会などでの初回接客は、受注成否の80%に影響すると言われるほど重要です。
住宅は、高額商品なため購入するかどうかの決定には慎重になるのが当然なうえ、物価上昇率に給与所得の上昇率が追いついていないことなど、住宅の購買行動がさらに慎重になっています。
今回は、初回接客でお客様の心を掴む住宅営業について考えてみます。
Contents
お客様の警戒心を解く
ほとんどのお客様にとって住宅の購入は、一生に一度の大きな買い物です。
数千万円もする住宅ですから、警戒心全開になられるのも当然です。
この警戒心を解き、自社住宅商品のファン化に持ち込み、質の高い次アポにつなげるのが初回接客の役割です。
ご案内時の内容も重要ですが、それ以前に、お客様に「信頼に値する住宅営業」と認めていただけなければ、どんなに素晴らしい住宅でもお客様は半信半疑な気持ちになってしまいます。したがって、視覚から与える信頼感である「笑顔」と「姿勢」、さらに、聴覚からもお客様の信頼を得る「話し方」も重要なポイントとなります。
営業の基本を身につける
住宅営業に限らず営業という職についている人にとって、第一印象が大切です。
お客様は、営業担当者と初めて対面してからの7~90秒で、「話しても良い相手」かどうかを判断されるとも言われています。
第一印象を良くする営業の基本は下記の通りです。
笑顔
自然な笑顔を絶やさずに接客することは、自社での住まいづくりに前向きに向き合っていただける要素の1つです。
お客様が笑顔と感じるのは、
・口角が上がっている
・目尻が下がっている
・上の歯が見えている
状態です。
自然な笑顔は、お客様の警戒心や不安を取り除き、安心感を与え、ポジティブにすることができます。
口の笑顔
①大げさに思うくらい歯が見えるように「イ」の形にして、口角を上げます。
②「おはよう」「ありがとう」「お疲れ様」などの挨拶で笑顔を意識して伝える。
歯が見えるような「イ」の形に出来ないようであれば、大きく口を開けて「アイウエオ」と発生することから始めてください。
日本人は口角が下がっている人が多いとも言われており、口角を上げる意識をして、習慣にしていきます。
目の笑顔
①動物や赤ちゃんなど癒し動画を見るようなイメージで、目の力を抜いて見ます。
目の下の頬を少し上げ、目を三日月形にするイメージを持ちます。
②「ありがとうございます」など、 よく使う言葉に合わせて、眉の上げ下げを調整します。
鏡の前での練習の時は、鼻から下を手で隠したり、マスクをしたりして、目の表情だけで笑っていると分かるかどうかをチェックします。
目で上手く笑顔になっていないと感じた時は、顔を動かさずに眼球だけを上下左右に動かした後に、ぐるりと一周します。
鏡の前と上司や同僚など他の人の前でも練習し、チェックしてもらいます。
姿勢
お客様をお迎えする時の立ち姿、ご案内時の立ち姿、着座してご説明/打合せする際の座り姿で好印象を与えます。
・立ち姿
全ての動作の基本となるのが立ち姿です。
目線は水平にして、手は体の前で組むのが基本です。
かかとをつけて、つま先を30~60度程度開き、背筋を伸ばし、アゴを引いて(目の真下に)胸を張ります。
良い姿勢は、年齢を実年齢より若返らせ、信頼をいただくオーラを生み出します
・座り姿
背もたれにもたれかからず、握りこぶし1つ分ほど空けて座り、背筋を伸ばし、アゴを引いて(目の真下に)胸を張ります。
膝の角度は90度が基本です。
男性は、握りこぶし2つ分程度膝を開き、つま先とかかとの開く角度は、30~60度程度開きます。
女性は、膝をつけ、つま先とかかとはつけておきます。
話し方
初回面談時にどんなにお客様の立場になり、お客様のためになるご案内をしても、どのような話し方をするのかで、住宅営業と自社住宅への認識が全くと言っていいほど変わってしまいます。
一生懸命ご案内をしても、お客様がつまらないと思われたり、住宅営業の熱意が伝わらなかったりなど、もったいない現象が起きてしまう可能性があります。アメリカの心理学者であるアルバート・メラビアンによって提唱されたメラビアンの法則によると、コミュニケーションにおいて言葉と口調・表情などが一致しておらず、矛盾した内容を発している状況では、人は表情やパフォーマンスを優先して判断する傾向にあるとのことですので、発する言葉、話すスピード、声のトーン、表情を一致させてお客様に不安感や不信感を与えないようにします。
・話すスピード
300語/分が基準です。
文字数ではなく語(ワード)数で、NHKのアナウンサーがニュースを読む速度です。
・声のトーン
「ドレミファソラシド」の「ソ」の音くらいの比較的高めの音域を使い、声の通りを良くします。
声のトーンが高いと、一般的に明るい印象を持っていただけますが、高すぎると騒々しく、耳障りになりますので注意が必要です。
・声の大きさ、強さ
住宅営業の声が小さいと、「自信がなさそうな住宅営業」と認識されます。
反対に、大声で話すと、騒々しい、威圧感があるなどの不快感を与えてしまいますので、大きすぎない声で話します。
腹式呼吸の要領でお腹から声を出して、声量を上げます。
声を張り上げるのではなく、大量の息を出すというイメージです。
口先で話そうとせず、腹の底から声を出します。
話すスピードの練習方法
NHKのニュースを録画し、ニュース内容を書き起こして台本を作り、録画を再生してアナウンサーと一緒に話す練習を繰り返すと効果的です。
不快感を与えない声の大きさ、強さ、トーンにする練習方法
腹式呼吸の要領でお腹から声を出す(息を出す)ようにして、声量を上げる練習をします。声を張り上げるのではなく、大量の息を出すというイメージです。
胸を張って背筋を伸ばすと、ひとつひとつの言葉がハッキリ聞き取れる強さになり、自然と声に張りが出ます。
口先で話そうとせず、腹の底から声を出すことが重要です。
先述したNHKのニュースを活用した話すスピードを練習した後に、自分を録画しながら話す練習をします。話すスピード、声のトーン、大きさ、強さを客観的に確認し、表情や姿勢も同時にチェックします。さらに、上司や同僚の前でも話す練習をして、改善点を指摘してもらうのもおすすめします。
自分が話すよりも「聴く」ことに重点を置く
お客様は、自分に関心を持って聴いてくれる住宅営業担当者には、不信感ではなく安心感を覚え、心のバリアがなくなります。
お客様が関心をお持ちのことや知りたいことにはお応えしますが、基本は、ご家族それぞれの興味関心事をお聴きし、深く堀り下げていきます。
例えば、家族と過ごす時間も楽しいが、「一人で動画見ている時間も好き」というお客様には、一人になれる場所で動画を見たいのか、リビングやダイニングなどの家族もいる場所でTVで動画を見たいのか、寝転ぶのか、スマホ(タブレット)スタンドは必要なのかなどの動画を見る環境もお聴きし、最適な空間についても共有して、家族全員の新しい暮らしへの期待を高めます。
購買意欲を掻き立てる
日本の住宅は、どの住宅会社/工務店で建てても一定水準以上の生活環境を整えることが難しくなく、お客様も「それが普通のこと」と認識しておられます。
また、「モノ」よりも「コト」を欲しがるお客様が多数を占める現在は、楽しいコト、うれしいコトなどのプラスの感情を刺激することがお客様の購買意欲を掻き立てることに高い効果があります。
日常の小さな幸せシーンを積み重ねる
毎日の暮らしの中の1シーンが、より良く楽しく幸せに過ごせるようになるだけでお客様の気持ちは高まります。
例えば、朝イチでコーヒーを飲むというような、お客様からお聴きしたことの中でも見過ごしてしまいそうな日常のコトに対して、「幸せな空間で過ごしていただくための住まいづくり情報」を伝えます。
自社住宅を手に入れることによって実現する「幸せで楽しい暮らし」の積み重ねです。
このような幸せの積み重ねは、「欲しい」を刺激する重要なポイントです。
まとめ
初回接客で、お客様の警戒心を解くために、営業の基本(笑顔/姿勢/話し方/傾聴)を身につけておくことが大前提です。
そのうえで、「お客様の楽しい暮らし」で購買意欲を掻き立て、質が高い次アポに持ち込みます。
そうすることで、受注成否の80%を占める初回接客は成功と言えます。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子