お客様の心理・行動パターンの変化を知って住宅営業に活かす
2023/07/28

コロナ禍という社会環境を経験した現在、お客様の購買に関わる行動のしかたが変化してしまいました。
お客様の変化に合わせた集客や営業をしなければ、立ち行かなくなります。
今回は、お客様の行動が以前と比べどのように変化したのか、そして、「これからの住宅営業にどう活かすか」について考えてみます。
Contents
「お客様の心理・行動変化を知る」ことが重要な理由

受注を獲得するために、来場されたお客様に自社住宅商品の特徴や自社サービスについて一方的に説明しただけでは上手くいかない場合がほとんどです。
お客様に自社住宅を選んでいただくためには、お客様の心理・行動がどのように変化して購買に至るのかを理解し、住宅営業に活かすことが重要です。
お客様は何を望んでいるかを知り、どういう状況なら自社住宅商品を選んでくださるのかを理解するということです。
お客様の行動変化

時代の変化に伴い、お客様の購買行動は変化してきました。
~2000年頃
新聞や雑誌などへの広告、折込チラシやテレビやラジオへのCMが主流の時代です。
自分が知りたい商品の情報を入手するのが現在ほどたやすくなく、商品を比較・検討する機会は多くありませんでした。
したがって、住宅展示場や見学会などの現物を見に行き、住宅営業担当者から説明を受けるという、足を稼いで情報を得て判断し購入に至るということがメインでした。
2000年代
インターネット環境が充実してきた時代。
ネット環境でご自身が欲しい情報を検索し、住宅の比較・購入検討を行うようになりました。
広告やCMを見て興味を持ったが、詳しいことが分からないので詳細をネット上で情報収集して、納得したら住宅展示場や見学会に行き、さらに情報収集を進めて比較検討して判断するなどです。
以前よりもかなり多い情報量があるため、これまで以上に各社の住宅商品の情報を比較検討する傾向が強まりました。
2010年代
スマートホンの本格的な普及により、より多くの人が気軽にインターネットを利用できるようになりました。そして、SNSの利用も拡大し、誰でも気軽に情報を発信できるようになったことから、住宅購入を検討中のお客様は、ホームページからは工務店や住宅会社が発信する情報を収集し、SNSからは工務店/住宅会社だけでなく、個人が発信しているモノやコトを探し、自分が良いと思ったモノやコトを自分の家でもできないか?と考えるようになりました。
お客様の心理変化

1960~70年代は、マイホームを持つこと自体が目的とも言える「モノ消費」の時代です。
家族を持ち、そして、一戸建て住宅という自分たちの家を持つことが人生の目標というのが、ほぼすべての人に当てはまる心理です。
そして、1980~90年代は、モノ消費でも「モノが持つブランド力」に価値を見出した時代です。
「このブランドだから」がメインの購買欲求となって購入していました。車、バッグ、時計などを代表とするインポートブランドなどが一つの例です。
現在は、「心の充実」が重視されています。モノを購入したことで得られる体験に価値を見いだす「コト消費」です。
今の時代の住宅営業とは

現在のお客様は、ご来場前にネットで住宅会社/工務店の情報収集をして見に行く価値がある会社なのかを判断します。そして、手に入れる住宅で「何ができるのか、心が満たされるか」という部分に重きを置いています。
「心の充実」というのは、「うれしい」「楽しい」「ワクワク」「癒される」などの感情がプラスに向かうということです。
集客段階
自社住宅だと「心の充実」が伝わる発信をすることが大切です。
ここで注意したいのが、「新しい住まいでは現在のお住まいの不満が解消できる」というのは、現在のお住まいのマイナスポイントを0ポイントまで上げることはできますが、0以上にはならないということです。
確かに、「収納量が増える」「ツライ冷え/暑さの緩和」などはうれしいことですが、このようなことはマイナス事象の解決であって「心が満たされ豊かになる」こととは異なります。
営業段階
「家で出来る楽しいコト」で「心の充実」を触発します。
例えば、ご主人様も奥様も料理をされるご家族の場合、アイランド型キッチンにすると、ご夫婦一緒に料理をしている様子がお子様にも見え、ご夫婦の周りにお子様が集まってくる。そして、お子様も一緒に料理をするようになり、楽しいコミュニケーションが交わせるキッチンになることをお伝えすると、「楽しいコミュニケーションの場としてのキッチン」に気づいていただき、新しい住まいでのキッチンへの期待が高まります。
「心が充実する暮らしのコトは何ですか?」と質問しても答えられるお客様は皆無に等しいですので、普段の暮らしでお客様がどのように過ごされているのかをお聴きすることも効果があります。
毎日のルーティーンになっているコト、休日にされているコトなどです。
例えば、「食事を作る前に必ず1杯の紅茶を飲んでいる」などの日常すぎて気にも留めていないようなことでも良いのです。そして、この「コト」が幸せになる空間にできることをお伝えし、お客様がノッてきてくださったらこの部分を深堀していくのも一つの方法です。
まとめ
モノとしての住宅が売れていた時代はとうに過ぎ去り、現在は「心が充実する住宅」が受け入れられます。
様々な角度から「心が充実する家」を発信して集客し、お客様が実現したいコトを実現する住宅を提供する営業を進めるのが、今の時代に適した住宅営業です。
ハウジングラボでは、お客様の「納得」と「満足」を高めて標準6週間で受注を獲得する住宅営業手法をご用意しています。新人でも短期間で修得可能な「いい暮らし実現営業」、他社従来営業とは大きく差別化した“この家が欲しい”を引き出すコミュニケーションができる「気づき共感営業」、ハイエンド層のお客様に対応可能な「暮らし触発営業」などです。また、住宅会社様が、安定継続/発展するための、「商品」「商品開発」「集客・マーケティング」「営業」「設計」「マネージメント」など、注文住宅事業「総合ビルドアップサポート」から、コンパクトな工務店様の住宅事業を営業ツール面からサポートする「お役立ちLabo」サポートまでをご用意しています。
是非ご活用ください。
■住宅コンサルティング
https://www.housing-labo.com/consulting
■住宅営業/マネージメント/住宅設計研修
https://www.housing-labo.com/training
■お役立ちLabo
https://www.housing-labo.com/onlinesupport
《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子