【競合対策の基本③】お客様を理解する
2023/04/28
競合対策の基本として、
【競合対策の基本①】他社の悪口はタブー
【競合対策の基本②】他社の商品や営業戦略を分析する
を記していますが、今回は住宅営業に必須の「お客様を理解する」こととは具体的にどのようなことなのかを考えてみます。
Contents
お客様を理解することの重要性
注文住宅は、今市場にある商品の中で最も人生に影響を与える商品であると言っても過言ではありません。
そして、圧倒的に高額な商品でもあります。
したがって、表出しているお客様のご要望だけでなく、「隠れた」もしくは「お客様も気づいていない」ご要望にお応えするというきめ細やかな対応をしていかなければ他社との違いが見えにくく自社を選んでいただくことが困難な状況です。
多様化しているお客様
表面的な住まいづくり情報はネットで検索できる時代です。
お客様が気になったインテリアやデザインなどスマホで「こういう家にしたい」と見せてくださる時代です。その内容は多岐にわたっており、住宅営業担当者の過去の経験から得た対応では対応しきれないお客様も多く存在します。
多様化しているお客様に対応するためには、「今まではこうすれば解決できた・受注出来た」ではなく、総てのお客様に「個」で対応する必要性が高まっています。
お客様の何を理解するのか
多様化したお客様へ対応するためには、個々のお客様の「心の豊かさ」という付加価値をどれだけ提供できるのかというのが重要です。注文住宅は圧倒的に高額な商品ですが、お客様の「実現したいコト」への対応力が弱いのが現状です。この「お客様の実現したいコト」を理解することが競合対策の大きなポイントです。
競合他社への想いを知る
お客様が気になっている工務店/住宅会社の何を気に入っているのか、何を不安に思っているのかなどの「想い」を知ることで、自社住宅のどのアピールポイントが「このお客様」に響くのかを知ることが出来ますので、お客様の「競合他社への想い」を知ることは重要です。
また、お客様が競合他社の「気になっている」部分は、どの工務店/住宅会社で建てるのかに関係なく、住宅に対して関心をお持ちの部分ですので、この部分を具体的に理解していき、競合他社と自社との違いをお客様にとっての良い点・長所で訴求するポイントを検討すると大きく受注へ前進します。
「プラスの暮らし」を知る
「収納を増やしたい」「暖かい家が良い」などの現状の暮らしで不便に感じたりストレスになっていることを解消するためのご要望への対応は必要ではありますが、これは、暮らしのマイナス面を0(ゼロ)にする対応であり、このような対応はどの工務店/住宅会社も行っています。
現状の不平不満を解消することに加え、楽しいコト、うれしいコトなどのプラスの感情を刺激する「実現したいコト」を共有し、心豊かな暮らしを提供することをご理解いただくことが、競合他社との差別化の大きなポイントです。
ご要望の背景にある原因を知る
例えば、「広いリビングが欲しい」というご要望をおっしゃるお客様の「広いリビングが欲しい理由」は不明なままが多くを占めます。「リビングでアプリを使って家族で歌って踊ってカラオケ」をしたいからなどの明確な理由ではなく「ネット検索で見た広いリビングが良いと思ったから」という感覚的な理由であることも多々あり、こうしたご要望に応えていく営業スタイルだと、サイズオーバー/予算オーバーになり、競合他社との価格競争、サイズ競争に陥ります。
「こういうコトを実現したいからこれくらいのリビングが欲しい」という要求の背景にある原因/理由をお客様と共有することが必要です。
注意するポイント
お客様に「新しい住まいで何がしたいですか?」とお聴きしても明確に答えられないお客様がほとんどです。
住宅展示場や完成住まいの現場見学会の「この住宅を建てた人は、こういうことが実現したかったからこういう部屋になりました」という具体的な「実現したいコト」を「こうやって対応してカタチにしました」とお伝えすることが、お客様の「実現したいコト」を知る一つの方法です。
「あなたなら何をなさりたいですか」という誘いかけが、お客様の「実現したいコト」を引き出します。
まとめ
自社住宅のハード特長を説明される住宅営業が多くを占める中、お客様の「実現したいコト」という「プラスの領域」の住まいづくりは、競合他社にはない圧倒的なワクワク感でお客様を惹きつけることが可能です。
そのためにも、お客様が発言されたご要望の奥にある理由を理解していくことが競合対策の大きなポイントです。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子