伝達力が住宅営業の受注を左右する

「お客様に自社住宅商品の特徴を余すところなく説明したが、良い反応が得られなかった」などの、ご案内や商談時に一生懸命アピールしたのにも関わらず、アンケートの取得ができなかったり、次アポが得られなかったりした経験があるかと思います。
次のステップにつながらないのは、住宅営業担当者に「伝える力」が無いからなのでしょうか。
今回は、住宅営業の伝わる伝達力について考えてみます。

Contents

伝達力とは

伝達力とは、物事を相手に伝える力です。
一生懸命説明をしているのに、お客様の反応が鈍いのは、お客様に聞く気が無い場合やご自身が伝えたい事を伝えるスキルが低い場合もありますが、それ以前に、「お客様が興味を持ってくれる説明をしているか」ということを見直す必要があります。

お客様が聞いてくれること

お客様が本気で聞いてくださるのはお客様ご自身が興味を持っていることを説明してくれた時です。
つまり、「お客様が知りたいこと」を住宅営業担当者が伝えた時です。
「お客様が知りたいこと」を伝えると、伝える住宅営業担当者の会話スキルが高いか低いかは関係なく、お客様は真剣に興味を持って聞いてくださいます。
会話スキル、コミュニケーションスキルを身につける以前に、お客様が知りたいことを把握するスキルが重要なのです。

「お客様が知りたいこと」と「住宅営業が伝えたいこと」を考える

お客様から良い反応を得られない場合、「お客様が知りたいこと」と「住宅営業が伝えたいこと」が異なる場合が考えられます。
「お客様が知りたいことを伝える」ことは簡単でご自身はできていると考えがちですが、振り返ってみるとできていないことが多々あります。
新人は、「自社住宅商品の特徴を説明する!」と意気込んでいたり、ベテラン住宅営業担当者は、過去の経験から、「この説明の次は、あの話を」などのご自身のパターンに持っていく流れを作りだしがちです。

お客様が知りたいこと

何かを伝える際の基本は、「お客様が知りたいこと」に応えることです。
では、お客様が知りたいことをどうやって把握するのかというと、お客様のお話を徹底的に聴くことです。
「広いリビングが欲しい」とおっしゃるお客様には、なぜ広いリビングが欲しいのか、広いリビングで何がしたいのか、それは誰としたいのか、など、広いリビングが欲しい理由を鮮明にしていきます。
お客様の話を徹底的にお聴きすることにより、お客様が強い興味関心をお持ちのことが見えてきますので、そのことを伝えます。

伝わる伝え方

コミュニケーションをとる際の情報は、視覚情報が80%以上を占めていると言われています。
そして、現在の建築適齢期のお客様はデジタルネイティブ世代ですので、ホームページやSNSなどの各種媒体に慣れ親しんでおり、文字情報だけでなく画像や動画などの視覚に訴える情報も活用して情報の取捨選択や自分に合うか合わないかなどの判断をしています。
言葉によるやり取りだと齟齬が生じ、意思疎通に誤解が生じる可能性が高いこともあり、画像や動画を活用して伝えることは住宅営業担当者にとって重要な要素になっています。

画像や動画中心のツールを活用する

前述したように、言葉や文字よりも画像や動画の方が情報吸収量が多いため、画像や動画中心の資料やツールを活用することをおすすめします。
この資料やツールは、「パッと見てわかる」、「いいなと感じる」画像や動画を使用します。
子どもがリビングで遊んでいる、キッチンで家族全員で楽しそうに料理しているなど、家族の暮らしの動きが見える画像や動画です。
こうした具体的な楽しい暮らしのシーンの画像や動画を使用することによって、楽しさが実感として伝わります。
「わかりやすく見せる」ことが重要です。

まとめ

住宅営業に必要な伝達力は、「お客様が知りたいことを伝える力」です。
お客様が知りたいことを徹底的にお聴きして把握し、視覚に訴える資料・ツールを活用してお伝えします。
こうした伝え方は、お客様の強い興味関心をひき、受注にぐっと近づきますので、是非、お試しください。

ハウジングラボでは、お客様の「納得」と「満足」を高めて標準6週間で受注を獲得する住宅営業手法をご用意しています。新人でも短期間で修得可能な「いい暮らし実現営業」、他社従来営業とは大きく差別化した“この家が欲しい”を引き出すコミュニケーションができる「気づき共感営業」、ハイエンド層のお客様に対応可能な「暮らし触発営業」などです。また、住宅事業を安定継続/発展するための、「商品」「商品開発」「集客・マーケティング」「営業」「設計」「マネージメント」の分野からアプローチする注文住宅事業の「総合ビルドアップサポート」やコンパクトな工務店様・住宅会社様の住宅事業をサポートする「住宅営業ゼミ」をご用意しています。

是非ご活用ください。

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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

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