受注できない時の住宅営業の課題と対応策
2023/11/10

受注できないのは、「集客数が少ないから」なのでしょうか。
住宅展示場協議会と住宅生産振興財団によると、全国の9月時点での住宅展示場の来場者組数は前年比3.2%減とのことで、多少の増減はあるにせよ、以前のような集客数は見込めません。
集客数頼りの住宅営業の課題と転換策について考えてみます。
Contents
集客数減少時の住宅営業の課題

以前のような集客数が期待できない環境では、「多くのお客様を集客して、その中から自社に好意的なお客様を追客して受注に持ち込む」方法は不可能です。
ここに受注不調の原因があります。
「性能・構造・デザイン」頼みの営業
「惹かれる」基準がモノからコトへと変化しているのに、性能・構造・デザイン偏重の営業の進め方をしていることが受注できない課題のひとつです。
性能・構造・デザインで優位性を得ようとしても、お客様がここに対して、「関心は無くは無いが大きな関心ではない」ことと「他社との大きな差が見えない」ため、受注できないのです。
伝えたい事を伝える営業スタイル
「自社住宅の良さをわかってもらいたい」「資金と土地について聞き出したい」と「伝えたいこと」や「聞き出したいこと」優先で接客を進める傾向があります。
お客様からの不満の6割が「話を聴いてくれない」「相談したかった」という調査結果があります。
お客様の話をしっかり向き合ってお聴きできていないところに問題があります。
受注するために必要な住宅営業の接客対応

限られた見込客から受注するためには、「自社に好意的なお客様を追客して受注に持ち込む」方法ではなく、「ご来場いただいたお客様すべてを受注する」接客対応への転換が必要です。
不安なポイントを知る
お客様が不安を抱いているポイントは、人によってそれぞれです。
「知らない会社の住宅営業だけど、この会社は大丈夫なのかな」という「会社」や「住宅営業という人」に対する不安かもしれませんし、「地震が来ても大丈夫な家なのかな」などといった「住宅」に対する不安かもしれません。
大切なのは、お客様の話をお聴きしながら不安なポイントが何であるのかを知り、共感しながら気持ちに寄り添って一つずつ解消していくことです。
例えば、他社よりも自社住宅の方の耐震等級が低いことを気にされているお客様に、他社住宅の耐震性能のデメリットだけを伝えて自社住宅の耐震性能の安全性をアピールするのは良くありません。
このような場合には、他社を褒める対応をしつつ、何故不安なのかをお聴きして、自社住宅での住まいづくりに活かしていく方が、「寄り添ってくれている」という感覚や「この人は分かってくれているな」という安心感をもっていただけます。
お客様の話をよくお聴きして重視するポイントへの接客対応
初期段階では、「充分な収納が欲しい」、「広いリビングが欲しい」などの物理的に満たされる新しい住まいを求めていらっしゃいますが、接客を進めていくと何かしらの「こだわり」をお持ちであることがわかってきます。
この「こだわり」は、ゲームをするための防音室が欲しいというような大掛かりなものではなくても、毎日「夕食後にウィスキーを飲んでいる」などといった日常のワンシーンでも良いのです。
ささやかではあるけれど、確実に心が満たされる小さな幸せを見つけていきます。
ウィスキーは誰とどこで飲むのか、銘柄、ボトルの容量、ストレート・水割り・ロック・ハイボールなどの飲みかた、グラスの種類と数、ミニバーは必要か、どこに何を保管しておくのかなど、ウィスキーを飲むシーンに関係するすべてのこだわりを明確にしていきます。
そうすることで、新しい住まいでの幸せな時間への期待が高まり、受注が近づきます。
普段の暮らしでお客様がどのように過ごされているのかをお聴きして、お客様がノッてきてくださったらこの部分を掘り下げていくことがポイントです。
家族全員の重視するポイントに対応する
小さな幸せの明確化は、ご主人様だけ、奥様だけ、ではなく、家族全員の小さな幸せをお聴きするようにします。
家族全員の小さな幸せは、積み重なると大きな家族の幸せになりますので、自社住宅を選んでくださる大きなポイントになります。
まとめ
住宅営業が受注できない原因は、集客数が減少したからではなく、従来から変わらない営業の進め方にあります。
お客様の不安を払拭して、重視するポイントにお応えし、日常の暮らしの小さな幸せの積み重ねで未来の暮らしへの期待感を持っていただくと購買意欲を刺激しますので受注が可能になります。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子