住宅営業に「不向き」と感じた時の対処法

自身の営業成績が思うように上がらなかったり、お客様への対応が上手くいかなかったりすると、「自分は住宅営業に向いていないのではないか」と後ろ向きになることがあるかもしれません。人は悩み始めると狭いものの考え方になってしまいます。今回は、住宅営業という仕事に行き詰ったときの対処方法について考えてみます。

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「住宅営業に向いてない」と感じる時の主な理由

「自分は住宅営業に向いていないかも」と感じる理由で多いものは下記の通りです。

話が上手くできない

人とのコミュニケーションが上手く取れない、内向的である、話の流れを上手く作れない、など自分が住宅営業として話すことに自信が持てないことが挙げられます。

断られると気分が滅入る

説明も聞かずに会話をしてくださらないお客様など、「拒否」の反応が怖いと感じて萎縮してしまい、そうすると、お客様はさらに話を聞いてくださらなくなるという悪循環に陥ってしまう場合です。

ノルマがつらい

月、四半期、半期、年単位での目標額が設定され、このノルマを達成しなければ、上司から厳しく追及されたり、これをプレッシャーと感じてしまったりと苦痛に思ってしまう場合です。

住宅営業に向いていないと感じた時の対処法

自分は、住宅営業に向いていないと後ろ向きになってしまった時には、今までの営業のしかたを変えてみることが行き詰まり感を解消する一つの方法です。

話が上手くできない → 自分が話すより「話してもらう」ことに注力する

住宅展示場や見学会でのご案内や初めてお会いするお客様と接する時に、会話が苦手だが自社住宅商品の説明なら出来るからと、すぐに、自社住宅商品の特徴を一生懸命丁寧に説明を始めたりしていませんか?
話すのが苦手なのであれば、ビジュアルに訴える資料をで惹きつけ、この資料に則ってお客様に話していただくことができます。
例えば、お父さんとお子様が一緒に考えながら勉強している画像、お母さんとお子様がクッキーをを作っている画像が載っている資料などをお見せして、「お客様だったらどのように楽しみたいですか?」というように、お客様の新し住まいでの暮らし(コト)を触発するような質問です。
人は、自分が興味があることに関しては、語りたい傾向が強いものですので、この特性を利用します。
そして、お客様が話してくださったことの中にある「お客様が知りたいこと」に応えていくというスタイルは、話すのが苦手な方でも充分に対応可能です。

断られると気分が滅入る → 対立軸を作らない

営業は「断られるのがあたりまえ」「断られてから始まる」と言われますが、そもそも、どんな理由であれ「拒否」の雰囲気が感じらると苦痛に感じてしまうわけですから、拒否されない状況を作り出すことがポイントです。
お客様が来場されると、多くの住宅営業担当者は自社住宅の説明をして、資金や土地の有無を聞き出そうと頑張る傾向がありますが、ひと通り住宅の説明をしてから「さあ、質問に答えてください」では、お客様にとっては「自分のことを何もわかっていない人に応える義務はない」となるのは当たり前です。
例えば、ご案内中に、他社のモデルハウスを見学し、気になっている部分をお話ししてくださったお客様に、その部分のマイナスポイントアピールは良くありません。お客様が気になっている部分を否定していることになりますので、他社批判と捉えられる対応は避けるべきです。他社住宅であっても、お客様が気になっている部分、気に入っている部分などについては反論ではなく、逆に褒めるくらいの対応をして、何故気になっているのかをお聴きして自社住宅での住まいづくりに活かしていく方が、「寄り添ってくれている」という感覚や「この人は分かってくれているな」という安心感をもっていただけ、拒否感が軽減されます。

ノルマがつらい → プラスαな暮らしを触発する営業に切り替える

お客様は、現状の暮らしの不満の解消やネット上で見た情報から「暖かい家が良い」「広いリビングが良い」などのご要望をお持ちです。
こうしたご要望にお応えするだけでは「この住宅がいい!」にはなりません。
現状は、このようなお客様の発言に対するご要望を満たすだけの対応をしているため受注につながりにくいのです。
例えば、「足元まで暖かくなった家で何をしたいのか」「広いリビングでどのように過ごしたいのか」など、現在の不満を解消することに加え、楽しいコト、うれしいコトなどのプラスの感情を刺激する「実現したいコト」を共有し、心豊かな暮らしを提供できる住宅であることをご理解いただくと、「この住宅がいい!」を得られます。
そして、テンポよくお客様との面談をスケジュールします。
人は1週間後には覚えたことの約8割を忘れるとも言われていますので、「次回のアポは1週間以内」に、というテンポで進めます。先送りするとお客様の記憶が薄れ、ワクワク感が無くなってしまいますので、OB宅などの「ご案内アポ」を獲得したりと、あの手この手でアポを獲得します。
アポを獲得する時のポイントは、次回の「ご案内アポ内容」の魅力を伝え、お客様のモチベーションを上げることです。
そうすると、従来よりも短期間で受注を獲得することが可能になります。

まとめ

「住宅営業に向いていないかも」と感じた時には、今までのご自身の営業スタイルを振り返り、改善していくことをおすすめします。
お客様に「この住宅がいい!」と自社住宅を選んでいただけるためには、自分が話すよりもお客様に話していただく、お客様との間に微塵たりとも対立軸を作らない、お客様にとって楽しいコトを掘り下げていくという営業スタイルがポイントです。

ハウジングラボでは、お客様の「納得」と「満足」を高めて標準6週間で受注を獲得する、スピード感のある住宅営業手法をご用意しています。
自社特徴の好印象化で「いいね」を積み重ねる住宅営業手法をもとに、住宅事業の安定経営をサポートします。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

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