ウッドショックによって住宅業界で変化すること

ウッドショックによる建築資材の高騰、建築資材供給不足や工期の遅れに加え、現在、新たな変化も起き始めています。
この新たな変化について考えてみましょう。

Contents

ウッドショックとは

そもそも、ウッドショックとは何か。
一言でいうと、木材の供給が需要に追いつかず木材価格が高騰したことを言います。
この原因は、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、アメリカや中国の二大消費地でオフィスへの勤務からテレワークに切り替わり、ライフスタイルやワークスタイルの変化によって住宅の買い替えやリフォームが急増し、木材の需要が一気に高まったことが挙げられます。
また、元々、虫害や山火事等で原料が不足しており、新型コロナウィルス感染拡大によって製材所の休業などで供給量が減少したことも原因の一つです。

全ての建築資材の高騰

木材や建築資材は、2021年5月から価格が上がり始め、7月頃から急激に価格が上昇しています。
そして、2021年1月と比べると2倍近くの価格に上昇している地域もあります。

建築資材価格の今後の予想

かつては圧倒的な仕入量を持っていた日本ですが、人口減少や経済力の低下などによって住宅着工数の減少が進んだ結果、木材需要量が減少したため、世界における日本の木材購買力は低下しています。
つまり、木材の大量消費国であるアメリカや中国に買い負けている状況です。

さらに、アメリカでの木材生産量が増えていない事、木材を運搬する海運料金の大幅上昇、世界の主要港で労働力やコンテナ不足によって物流遅延が生じていることなどもあり、木材供給不足による高価格帯での推移の終息時期は「いつ」と断言できないのが現状です。

住宅購入に対するお客様の変化

住宅コンサルティングを実施している全国の住宅会社様の住宅展示場への新規で来場されたお客様は、この数ヶ月で激減しています。
つまり、輸入材の価格上昇と連動するように新規来場組数が低下しており、お客様は建築資材高騰に敏感に反応し、住宅購入活動を控える行動が現れています。

2022年に向けて価格上昇対策で取り組むべきこと

建築資材高騰による影響で約5~7万円/坪を値上げに踏み切った工務店・住宅会社・ビルダーもおり、今後、更に価格が上がると予想されます。
建築資材高騰の鎮静化が見通せない状況ですので、以下の対策が急務です。

コストダウン

住宅建築におけるコストダウンは避けられない課題です。
しかし、協力業者だけが痛みを負うコストダウンを図ったり、住宅建築資材費を削減して住宅の品質を下げるのではなく、品質を保ちながら無駄なコストを削減する方法を考える必要があります。

お客様への対応方法

新規で来場されるお客様が減少しているため、自社の展示場や住宅見学会などに来場された全てのお客様を受注する覚悟で臨むことが必須です。
そして、お客様が発するご要望にお応えすることに加え、「お客様ご自身も気づいていないご要望」を引き出して叶える応対が、自社を選んでいただくポイントとなります。

まとめ

ウッドショックの終息時期は不透明です。
工務店、住宅会社、ビルダーが、コストダウンやお客様への対応方法の本質的な対策に取り組むことが大切です。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
代表取締役社長 松尾俊朗
一級建築士

関連記事

市況によって変動する価格に振り回されない住宅営業とは

昨年のウッドショックから始まり、多くの住宅会社・工務店で坪単価が上昇しています。 「住宅の坪単価が上がったから売れない」というのはプロの世界では通らない話です。 具体策としてどう対処するのかを考えてみましょう。 Cont […]

建築資材高騰で坪単価5~7万円超アップへの対応

建築資材高騰で坪単価5~7万円以上アップが現実になってきました。コロナ禍での世界的な原材料不足は住宅業界のみに限らず影響を受けています。日本は新型コロナウィルス感染拡大からの景気回復が遅れており、中国やアメリカなどに材料 […]

新着記事

競合他社に負けてしまう原因

必ずと言っていいほど存在する競合他社の「自社よりも劣っている部分」の説明で差別化を図ろうとするのは間違いです。他社を落とさず、自社住宅商品の特徴で差別化を進めるための考え方や、差別化された強みをどう伝えるのかについて考え […]

購買意欲に火をつける住宅営業の秘訣

一定水準の生活環境を整えることが難しくない日本の住宅では、お客様の心を満たす住宅であることをご理解いただくことが受注に必須の対応です。初期段階では物理的な「新しい住まい」を求めて来場されるお客様がほとんどですが、コミュニ […]

集客で差をつけるポイント

集客に苦戦している工務店・住宅会社は多いと思います。人口減少やコロナやインフレなどによる社会環境変化が集客数減少の原因のひとつではありますが、その他にも「お客様が来てくださらない」原因があります。今回は、暗く先行き不透明 […]

「高くてもこの会社で建てたくなる」顧客心理とは

インフレ下で1棟あたりの住宅価格が以前よりも数百万円アップしています。お客様も住宅営業担当者も「より安く」という意識がありますが、住宅価格を抑える工夫をして安くしただけで受注できるのでしょうか。今回は、高くても納得と満足 […]

第一印象で差をつける営業の立ち居振る舞い

営業という仕事は、多くの場合お客様と一番初めに接する仕事ですので、お客様に最初に与える印象というものが非常に重要であることは言うまでもありません。第一印象が良くないと、良い住宅を提供していても「この営業は信用できない」な […]

受注歩留まり率を高める住宅営業とは

「なかなか受注ができない」と日々あの手この手と対策を考えながら営業活動をしているかと思います。数多くのお客様に営業活動をして、その中から反応の良いお客様の受注を目指すのは、集客難の時代には厳しい方法です。限られた見込客か […]