プランヒアリングが苦手な住宅設計者がやるべき2つのコト
2021/10/13
住宅コンサルティングをしている際、プランヒアリングがどうしても苦手だという住宅設計担当者の相談を受けることがあります。
なぜプランヒアリングが上手くいかないかの原因と解決策について考えていきましょう。
プランヒアリングが苦手な住宅設計担当者が陥るヒアリング
プランヒアリングでお客様のご要望をお聞きしていくと、お客様がその時に関心をお持ちの断片的で様々な情報や、以前お聞きした時とは違うご要望だったりと、まとまらない場合があります。
どこにどれくらいの大きさが必要なのかお聞きたいけれど、どこも大きい方がいいなど、全てのご要望にお応えすることが難しいこともあります。
また、ヒアリングで聞いたこととお客様の思っていることが上手く合致しておらず、プラン提案時にお客様から思っていたのと何か違うと言われてしまうことも。
これらは、お客様ご自身の要望がまとまっていないことと、お客様とヒアリングした住宅設計担当者との認識のズレが原因です。
お客様のご要望を上手くまとめるポイント
お客様ご自身が決めきれていないご要望を引き出し、「ここだけは実現したい」という優先順位を決めていただくと、お客様のご要望を上手くまとめることが可能になります。お客様のプランのツボを押さえるプランヒアリングが必要です。
24時間生活タイムスケジュール
お客様のご要望の整理をしていくのに役立つのが、お客様のご家族それぞれの現状の生活タイムスケジュールをヒアリング前に書いていただくことです。
これがあると、ヒアリング時に質問のきっかけとして使え、お客様の現在の生活の中での不満や改善ポイントを整理しやすくなります。
お客様ご自身も自身や家族それぞれの生活を再確認でき、要望がまとまりやすくなります。
ヒアリング時の質問の起点となり、要望の整理に活躍しますので、プランヒアリングが苦手な方はまずお客様の24時生活タイムスケジュール表を事前に書いていただきましょう。
自宅写真を撮っていただく
お客様からお聞きしたご要望と、こちらが理解していることとのズレを無くすのに最適なのが、お客様の現状のお住いの写真を撮っていただくことです。
例えば、お客様が「キッチンはモノが溢れて大変なので、収納できるようにしたい」とおっしゃられている時に、左の写真を見ればどの程度のものが溢れているのかが共有でき、それをどこにどうやって収納したいと考えておられるのかをお聞きすることができます。
ヒアリング時にお客様に現状のお住いの写真を撮り、お客様の持ち物や生活実態を正確に把握することができれば、お客様の要望の中身を正確に把握することができます。
まとめ
プランヒアリングを苦手とされている方の上手くいかない原因のほとんどは、お客様のご要望の整理が上手く出来ていないことと、お客様のご要望とプランヒアリングされる方との認識のズレにあります。
この2つの問題はプランヒアリングの事前準備として、お客様に生活タイムスケジュール表と現状のお住いの写真を撮っていただくことで解決することが可能です。
何度もプランを修正して徐々に整理していくこともできますが、お客様と住宅設計担当者、両者の労力と時間がかかってしまいます。
スムーズなプランヒアリングとプラン提案の為に2つの事前準備を是非試してみてください。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
代表取締役社長 松尾俊朗
一級建築士