建築資材高騰で坪単価アップへの対応

建築資材高騰で坪単価アップが加速しています。
コロナ禍での世界的な原材料不足に加え、インフレで住宅業界のみに限らず大きな影響を受けています。日本は新型コロナウィルス感染拡大からの景気回復が遅れており、中国やアメリカなどに材料の買い負けも発生し、住宅業界ではウッドショックから始まり、様々な建築資材の高騰につながっています。建築資材、設備機器の価格高騰が常態化しいる現在、取るべき対応について考えていきましょう。

【参考記事】
ウッドショックによって住宅業界で変化すること

坪単価アップで客層が変わる

ここで重要なのが坪単価が5万円以上UPすると客層が変わるということです。

競合他社も一緒に値段が上がるのだから関係ないということはありません。
住宅への需要がデフレ下の中、今対応しているお客様は価格が上がるのであれば下の価格帯グレードの住宅を視野に入れます。

値引きや仕様変更で現状価格帯の維持は数か月であれば対応可能ですが、数年となると利益率が下がり、事業の不安定化につながります。

常態化する建築資材価格の高騰には、従来の住まいづくり手法を変えた対応へのシフトも検討の必要があります。

自社の新価格の対応客層を確認する

日本人の給与は20年数年伸びておらず、物価変動を加味した実質賃金は下がり続けています。
住宅業界でもローコスト住宅がここ20年で勢いを増しており、市場は需要デフレ下にあります。
その中での建築資材が高騰したからといって従来の価格帯層のお客様が予算アップをしていただけるかというと難しいのが現実です。

何故なら、建築資材高騰で対応する客層が変わるからです。

住宅価格帯と変化するお客様属性を再確認して、自社住宅の価格帯がどの客層に変わったのか、自社が対応する客層(価格帯と属性変化)がどう変化したのか、上図で再確認してください。

客層に合った対応へのシフト

集客、住宅営業、住宅設計の手法は価格帯ごとのお客様特性により異なります。
自社新価格帯に合わせた集客、住宅営業、住宅設計の手法の迅速なシフトが急務です。
集客や住宅営業と住宅設計の進め方を修正し、新たな客層にあった住宅事業の進め方に対応します。

【参考記事】
住宅営業 住宅の価格アップ時代には「気づき共感営業」が強力な武器になる
集客 異業種とのコラボで集客する
集客 新しい客層を集客する
住宅設計 新たな客層に合った住宅設計

まとめ

建築資材高騰は数年続くことが予想される中、住宅への需要はデフレ傾向です。
坪単価が5~7万円以上の値上がりにより、確実に客層が変わります。
自社の新たな価格帯と客層を再設定し、客層に対応した集客、住宅営業、住宅設計手法のシフトが急務です。

ハウジングラボでは、お客様の「納得」と「満足」を高めて標準6週間で受注を獲得する、スピード感のある住宅営業手法をご用意しています。
自社特徴の好印象化で「いいね」を積み重ねる住宅営業手法をもとに、住宅事業の安定経営をサポートします。
「商品」「商品開発」「集客・マーケティング」「営業」「設計」「マネージメント」の5分野からなる住宅営業サポートです。

是非ご活用ください。

■ハウジングラボの住宅営業サポート
https://www.housing-labo.com/consulting

住宅事業の安定継続/発展に役立つセミナーも開催しています。
■住宅営業セミナー
https://www.housing-labo.com/seminar

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
代表取締役社長 松尾俊朗
一級建築士

関連記事

増加傾向の新たな客層に対応する住宅業界の集客手法

住宅業界全体の集客が減少している中、集客手段はチラシやホームページ、SNSの活用、総合住宅展示場への出店、住宅の総合情報サイトへの登録、フランチャイズへの加盟など、以前は一番効果の高いものや自社の特性に合ったものを選んで […]

住宅の価格アップ時代には「気づき共感営業」が強力な武器になる

住宅業界は30年振りの価格アップ時代に突入しました。「超低金利デフレ時代」が続きましたが、外的要因によって資源/資材のインフレへと急速に転じています。住宅価格アップ時代に適応させ、住宅事業を発展させる方策がこの春からは必 […]

手つかずの新客層への対応が住宅事業を前進させる

住宅業界では4LDK発想のファミリー層が「戸建住宅の客層」と固定概念で捉えてしまっています。 しかしながら、世帯人数の構成比でみると「1人・2人世帯が全世帯の2/3以上」を占めています。 従来は社会に出て一人暮らしを始め […]

新着記事

新しい「中級住宅」の定義と現状認識

かつては、多くの家庭が手の届く価格で、ある程度の性能やデザイン性、暮らしやすさを兼ね備えた「ちょうどいい住宅」として捉えられていた中級住宅ですが、今はその基準が崩れつつあります。 経済状況の変化、ライフスタイルの多様化、 […]

【2025年住宅市場】60歳代に目を向ける注文住宅事業

現在の新築住宅市場において、中心となる顧客層は30〜40歳代のファミリー層です。特に35歳前後の世帯が主なターゲットとなっており、結婚し、子育てを始めるタイミングで住宅を取得するケースが一般的です。しかしながら、日本の人 […]

住宅事業の集客革新!|令和の集客方法を、考え方から新しいアイデア、イベント活用事例まで徹底解説

住宅業界の集客において、従来の手法では限界が見え始めています。多くの住宅会社や工務店が住宅性能や間取りを中心に訴求していますが、お客様にとってはどれも似たように映りがちです。これからの住宅事業での集客では、新しいアイデア […]

【2025年住宅市場】城南地区から横浜/湘南方面エリアで住宅事業成功を掴むには

現代の住宅市場においては、単なる「住むための家」ではなく、「心豊かな暮らし」を実現する住まいが求められています。特に、東京の城南地区(品川区・目黒区・大田区・世田谷区・渋谷区・港区)から横浜/湘南方面にかけてのエリアでは […]

住宅会社の未来を切り拓く「集客と受注」戦略——市場変化に適応するために

近年、住宅業界はかつてないほどの変革期を迎えています。従来の集客戦略や営業手法では通用しなくなり、住宅会社や工務店は、新たな時代に適応するための「集客と受注」の再構築が求められています。 人口減少や少子高齢化、ライフスタ […]

新築同等以上のフルリフォーム事業成功のポイント-③

今回は、従来のリフォームのような小規模な案件が多い、一般的なリフォーム事業ではなく、新築するのと同等か、それ以上のメリットをお客様に提供する「フルリフォーム事業」成功のポイント③として、フルリフォーム事業の営業について考 […]