地場工務店・住宅会社向け 住宅事業成長への課題解決(営業編②)
2022/03/08
住宅事業の成長戦略を取られている地場工務店/住宅会社様に、住宅事業を成長させることによって現れる、様々な課題をクリアしていくための情報を共有させていただきます。
住宅事業成長への課題解決 営業編
①『営業の人員の入れ替わりが激しく定着しない』『受注が安定しない』
https://www.housing-labo.com/sales/post-2011.html
②『新人が中々育たない』
③『新たな拠点を担える人材がいない/育たない』
https://www.housing-labo.com/sales/post-2091.html
今回は②『新人が中々育たない』原因と解決策について記します。
新人の即戦力化が事業成長のカギ
住宅営業の新人を育てるためには、しっかりとした教育体制を取っていても、通常3~5年掛かり、教育体制ができていないと10年で一人前と言われています。
これは、住宅事業成長のために住宅営業人員を採用しても、成果を出せるのは3~5年掛かってしまうということです。
新人が育つまで待っていたり、人材採用が難しくなってきている現在では、住宅営業経験者の中途採用だけでは事業成長スピードが鈍化してしまいます。
新人を即戦力化して、1か月で新人でも営業に貢献できるようにする、つまり、スピード感を持った新人教育が事業成長と事業運営には必要です。
新人が行う営業活動を限定する
住宅営業に求められる知識やスキルは多岐にわたります。
自社住宅商品知識だけではなく、基本的な建築知識や会話スキル、接客応対スキルなど新人に全てを求めることはできません。
すべての営業活動を学ばせてから実践に投入すると、社内教育に一年掛かり、上司や先輩にサポートを受けながら営業活動を2~4年行い、3~5年掛かってようやく一人前になる、というように時間が掛かります。
住宅営業の新人を即戦力化するためには、最初は営業活動を限定して段階的に業務内容を拡げていくことになります。
最初の1か月は初回面談、3か月目にはサポートを受けながら受注まで、半年後には一人で初回面談から受注までを一人でできるようにする。
頭で分かったことでも実際の営業活動では必ず頭で思い浮かべた通りには行きません。
住宅営業の新人に教育を行い、実践させても結果を出すためには時間が掛かります。
最初は初回面談のことについてのみ教育し、実戦で経験を積み、初回面談については1か月で一人前にできるようにする。
日々少しずつ確実にできる範囲を段階的に広げていくことで、半年後には一人前の住宅営業として独り立ちができるようになります。
必要な知識はツールで補う
展示場や見学会のご案内の際、新人がどうしても不足してしまう知識については、ツールで補うことが可能です。
自社住宅商品特徴や必要な建築知識の資料を用意することで、お客様と一緒に読みながらご案内できます。
この時の資料は写真や画像などのビジュアル資料が有効です。
人間の情報取得の8~9割が目からの視覚情報と言われています。
お客様は口頭で説明をされるよりもパッと見てわかる資料を使って説明される方が理解がしやすくなります。
過去の記事でも紹介していますのでご一読ください。
住宅営業の新人を即戦力化する! モデルハウスや見学会でのご案内応対ツールが味方になる
https://www.housing-labo.com/sales/post-1531.html
知識を習得すると、人はどうしても知っている内容をすべて伝えたくなるものです。
特に新人は覚えた知識をお客様に一生懸命に説明しようとしてしまいますが、お客様にとって必要な情報以外を長々と説明されても嫌がられてしまいます。
住宅展示場や見学会のご案内で、お客様がパッと見てわかる資料を活用することで、お客様にとって必要な情報を的確にお伝えできます。
一定以上の成果を上げる新人教育体制
住宅営業の新人の教育体制ですが、よくある住宅営業の教育は上司や先輩の後についていき、その人の住宅営業のやり方を教えてもらい、上司や先輩の個人的な営業手法を身に付けていくやり方になっています。
この手法では上司や先輩の個人の癖がついた営業手法になります。
それでも、その営業手法の癖が新人に合えば時間が掛かったとしても結果につながることもありますが、上司や先輩の営業手法が合わなければ、新人からすると「あの人だからできるんだ」ということになってしまいます。
会社として合理的で誰もが実践可能な営業手法で新人を育てる教育体制を取っていく必要があります。
過去の記事で新人育成の基本について記していますのでこちらをご一読ください。
工務店・住宅会社・ホームビルダー 住宅営業の新人育成の基本
https://www.housing-labo.com/sales/post-1715.html
会社としての新人教育体制をとり、営業プロセスを確実に実行できる新人教育ができれば、入社一か月で初回面談に関しては戦力になり、半年で受注が取れる営業として一人前に成長できます。
まとめ
住宅事業の成長には営業人員の確保は欠かせません。
人材不足の昨今では経験者の中途採用だけでなく、異業種から転職してくる新人や新卒新人の採用も必要になります。
住宅営業の新人が成長するためには10年、教育体制を取っていても3~5年掛かると言われていますが、人が育つまで事業成長のチャンスは待ってくれません。
住宅営業に求められるすべての知識やスキルを教育していては時間がいくらあっても足りません。
それこそ教育だけで何年も掛かります。
かといって上司や先輩の後についてまわり営業手法を教えていく教育方法では、ついている上司や先輩の個人的な癖のついた営業手法を修得することになるか、やり方が合わずに「あの人だからできる」とあきらめてしまいます。
住宅営業の新人が行う営業活動を限定して教育と実践をしていくことで、初回面談だけでも一か月で戦力化できると新人でも十分な貢献ができます。
営業活動の一部でも成功体験があれば自信にも繋がりますので、次のステップの営業活動への取り組みにも意欲的になります。
初回面談から受注までのプロセスを段階的に習得していくことで、日々成長でき短期間での戦力化が可能になります。
《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
企業サポート事業部
取締役事業部長 松尾励朗