『住まいづくりの主役はお客様』を実行できる住宅営業は売れる

『住まいづくりの主役はお客様』と聞くと当たり前で、住まいづくりに携わる方であれば誰しもが思っていることです。しかし、『住まいづくりの主役はお客様』の接客ができている営業担当者は意外と少なく、実践できている方はトップセールスになっています。

Contents

『住まいづくりの主役はお客様』がいつの間にか忘れられている

モデルハウスにお客様がご来場された時に住宅営業はモデルハウスをご案内し、間取りや仕様/設備について説明をしていきますが、これではお客様が主役ではなくご来場いただいたモデルハウスが主役でお客様は説明を受けた観客です。
『住まいづくりの主役はお客様』と理解していても接客では案内している場所を主役としてしまい、いつの間にかお客様が主役とすることを忘れていることがあります。

モデルハウスはお客様の住まいづくりに役立つ場所

『お客様を主役』と考えるとモデルハウスや完成住まいの見学会は自社特徴をアピールして、売り込む場所ではありません。
住宅建築は写真や動画を見ただけでは分かりづらく、お客様に実際に体感体験をしていただかなければ正しく伝わらないことが多くあります。したがって、モデルハウスや完成住まいの見学会は主役であるお客様にとってご自身の住まいづくりに役立つ体感体験や情報が得られる場であるべきです。

住宅営業はお客様の住まいづくりのパートナー

住宅営業も『お客様を主役』として考えると役割が明確になります。
接客案内時に建築知識や軽快な話術を駆使してお客様の信頼を獲得するのではなく、お客様の住まいづくりにとって必要な体感体験と情報をお届けすることで住まいづくりに役立つパートナーとして信頼を得ることです。

お客様を主役にした接客案内

お客様を主役にした接客案案内とは具体的に何をしていくのか。
お客様の住まいづくりにとって必要な体感体験と情報をどのようにお届けすべきかポイントを説明します。

接客案内スタート時にお客様にお伝えすること

冒頭でモデルハウスにお客様がご来場された時に住宅営業はモデルハウスをご案内し間取りや仕様/設備について説明をすることはお客様が主役ではなく、ご来場いただいたモデルハウスが主役になっていると記しましたが、お客様はご来場される際には、モデルハウスや完成住まいの見学会の会場を見に来られています。

お客様が主役の接客案内ではご案内開始前に「お客様ここに住むとして見てください」とお伝えします。
お客様がご自身が住まわれる視点でモデル住宅を体感体験していただくことがお客様が主役の接客案内のスタートになります。

接客案内中にもお客様が実際に使うことを想定する

「お客様がここに住むとして見てください」といって案内を開始しても、お客様はご自身が本当に住むとしてリアリティーを持って見れるわけではありません。
案内場所ごとに営業担当者がそこを利用する場面での具体的な状況を、営業自身の体験を織り交ぜて「私ならこういう活用をしたいなといつも思っています」というような自己開示をしながら、お客様にご自身ならどう活用するのか、どのように過ごすのか、ということに気づいていただけるように案内します。

例えば、リビングを案内する際には
お客様にどのようにリビングでくつろがれるのか、平日帰宅してからや休日のリビングでの過ごし方を実際に行っていただきます。
ご主人様と奥様がソファーに座ってテレビを見ていたり、お子様はクッションを抱いて床でゴロゴロしながらSNSを見たり具体的に誰がどのように過ごす(過ごしたい)のかをやっていただきテレビとの距離や必要な広さ、ゴロゴロするときの床の材質などはどうなのかカーペットを敷いた方がいいのかなどを体感体験していただきます。新しい住まいのリビングはどのように設えて、こういう過ごし方をしたいというように具体的に気づいただくことで住まいづくりを自然な形でご一緒に考えることができます。

お客様の実現したい住まいのカタチが具体化する

ご案内の際にお客様が使われる想定を体感体験していただくと、先ほど例に出したリビングようにお客様の新しい住まいはどんなリビングにしたいのかが実感を持ってお客様に伝わります。
お客様にとってご自身の実現したかった住まいのカタチが見え、住まいづくりが進んでいく接客案内につながります。

お客様が求められるアポ取得ができる

お客様が実現したい住まいのカタチが見えると、お客様の持っておられる(検討されている)土地で実現できるのか確認するために土地の大きさを確認しましょうと敷地調査のアポや、お客様と近い使われ方とサイズのリビングを実現されたOB様のお客様宅があるのでそのお宅の資料を事前にお持ちした上で、お伺いして見ていただきOBのお客様にも使い勝手などを、直接お聞きすることも可能ですからぜひ行ってみましょう。とお客様の住まいづくりに役立ち、受注のいつながる有効な次アポが取得できます。

『住まいづくりの主役はお客様』の接客案内のメリット

お客様を主役にした接客案内のメリットはアポ取得ができるようになるだけではありません。
モデルハウスや完成住まいの見学会にご案内するたびに、お客様の実現したい住まいが具体化していくことで、ご契約までの期間を短縮できます。
また、実際にご自身が体感体験して実感を持った納得をしていただくことができるので、お客様が様々な情報を収集されていく中で迷われて決めきれないということも起きりにくくなります。

まとめ

『住まいづくりの主役はお客様』ということは住まいづくりに関わる人間であれば誰しも思っていることですが、住宅営業の接客を考えると実際に実現できていないことがあります。
実際にお客様を主役に置いた接客案内が実行できると、お客様に体感的にご納得しいただけることにもつながり、スムーズに住まいづくりを進めていくことができます。

もちろん実行していくのには、いつもの案内からどうしても抜け出せなかったりお客様が思っているように動いていただけなかったなど様々なことがあります。
しかし『住まいづくりの主役はお客様』という接客案内ができるとご来場いただいたお客様を確実に受注していくことができるようになりますので、是非チャレンジしてください。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
企業サポート事業部
取締役事業部長 松尾励朗

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