2023年 住宅営業のトレンド
2023/01/27
インフレや住宅ローン金利の上昇などの家計を圧迫する要因がある場合、お客様は資金に対して「節約志向」です。「今まで、この営業方法で上手くいっているから」という理由で従来通りの営業を進めると、お客様の思考や言動に対応できずに受注を逃してしまいます。今回は、お客様の変化に合わせた住宅営業について考えてみます。
Contents
住宅営業が受注に至らない原因
自社住宅商品の特徴を説明しても、「良い住宅を提供しているのに売れない」、「最高の自然素材を使用している住宅だが『高い』と言われる」など、苦戦を強いられる住宅営業担当者の声をお聴きすることが多々あります。契約をお断りされる原因は何なのでしょうか。
説明が一方通行になっている
工務店・住宅会社の営業担当者の住宅展示場や完成住まいの見学会でのご案内は、大きく分けると下記の2パターンが多数を占めます。
① お客様追随型ご案内
② 住宅営業強引印象主導型ご案内
「①お客様追随型ご案内」は、お客様にお好きなように会場を見学いただいて、立ち止まったり、ご家族で何か会話を始めた時のタイミングを見計らって自社住宅商品特徴の説明を一生懸命始めます。
「②住宅営業強引印象主導型ご案内」は、お客様が見たい場所や関心事に関係なく住宅営業担当者が自信を持って説明できる場所で説明を始めます。
「①お客様追随型ご案内」、「②住宅営業強引印象主導型ご案内」のいずれにしても、自分の話したいことだけを説明しているという現状です。お客様にとっては興味が薄いかもしれないことでも構わず説明を続けていることが、受注に至らない原因のひとつです。
質問ばかりしている
ご来場されたお客様の住所/氏名/資金/土地の有無などの建築与条件を知りたいのはやまやまですが、資金力を推測するために「お勤めの会社は?」といった質問や「建築予定地は?ご両親様の土地?」、「部屋数のご希望は?」といった質問ばかり投げかけて、肝心の自社住宅商品の説明はほんのわずか、といったケースです。この場合、お客様にとっては尋問のように感じられ、さらには、「自分の話を聞いてくれない信用に値しない営業担当者」というレッテルを貼られてしまい、受注に至りません。
お客様や世の中の変化に適した営業スタイルをとる
従来通りの営業の進め方をしていても受注が獲得しにくくなったと感じている方がいらっしゃるかと思います。これを、住宅の価格上昇、低予算といった「お金にまつわる問題だから」と捉えていては、これから先の受注獲得はさらに厳しくなります。
お客様の変化を知る
現在のお客様の思考・言動の特徴は以下の通りです。
①自分らしさを大切にする
②体感・体験に価値を感じる
③情報収集はネットで
建築適齢期である20代後半~40代前半のお客様は、個性や人間性を尊重された学校教育を受けており、「みんなと一緒」である必要は無く、「自分に合ったモノやコト」を好みます。したがって、「一般に良い住宅と言われる家」、「良い部材や設備を使った家」、「高い性能の家」などの「モノの良し悪し」で判断しかねない表現には魅力を感じません。家を建てることによって出来る「楽しいコト」「うれしいコト」「安らぐコト」などに魅力を感じます。
そして、お客様が住まいづくりを考え始めた時に、最初にとる行動がネットでの情報検索です。初期段階では、「住宅会社」「工務店」などのキーワードで住宅展示場や完成住まいの見学会の検索するかもしれませんが、色々と探していくうちに目に入る画像から、「こんな家にしたい」「こんなインテリアが好き」などの好みが明確になり、ご自身の希望を叶えてくれそうな工務店・住宅会社にコンタクトを取るというお客様が増えています。
つまり、漠然としながらも、ご自身が希望する住宅のイメージを持ってご来場されているのが現在のお客様ですので、お客様の想いをお聴きすることを後回しにした説明は「①自分らしさを大切にする」「②体感・体験に価値を感じる」に対応しておらず、受け容れ難いものなのです。
個々のお客様に合わせた応対をする
先述した通り、「みんなと一緒が良い」という価値観ではないのが現在のお客様ですので、「○○○様」の想いに応える応対をする必要があります。
お客様の興味・関心の対象を理解し、その内容に合った説明が大切なポイントです。
まとめ
今まで受注を獲得してきた営業方法では、自分らしさを大切にし、体感・体験に価値を感じる現在のお客様の思考や言動に対応できずに受注を逃してしまう確率が高まります。今後、受注を獲得するためには、個々のお客様の想いや興味・関心の対象を理解したうえで、適切な情報提供をしていくことが重要です。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子