女子力がポイント! 住宅展示場・見学会での集客企画で受注に直結させる

新規来場者が減少しています。
集客は落ちていますが受注は好調というのが現状の市況だと思います。
総合住宅展示場に来場さるお客様も5年前は3~4軒程度のモデル住宅を観て回るのが普通でしたが、コロナ禍の影響もあり最初から観るモデル住宅を絞って来場されています。

そういう意味では、ホームページやSNSでの情報発信は重要です。
このSNSでの情報発信に対しても「いわゆる女子力」は重要ですが、集客企画も暮らし視点で訴求するため「女子力」が必要な時代です。

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量より質の集客企画

外観を見比べてみて、全国大手住宅会社の住宅とローコスト系住宅会社の住宅には大きな差が見られなくなり、性能的にも各項目で最上級の性能を表示しています。
「どこも同じような建物」と素人目には見えてしまいます。
「住宅の魅力の均質化と低下」です。
「大きく良く」見せようとしてサイズを敷地目いっぱい大きくし、仕様をあげると「豪華で大きすぎて現実離れしている」とお客様から敬遠されます。
それではと「現実的なサイズで標準仕様」で見せると「なんか夢がなくてしょぼい」と思われてしまいます。
住宅という「モノ」を見せての集客限界がここにあります。

そもそも集客企画の狙いは、「量の確保」から「受注につながる質の高い集客」の時代に入っています。
「こんな暮らしがしてみたいな」という「憧れ」と「これなら自分たちにもできそう」が合いまった「ときめきの暮らし」が見える集客企画が必要です。

従来のような様々なキャンペーン企画で来場者数を追う集客企画から、少人数でも受注につながる質の高い集客へのシフトです。
この集客企画には暮らしを楽しむ感性としての「女子力」が必要になっています。

行ってみたいイベントを内包したモデル住宅/完成住まいの現場見学会

「集客」はモデル住宅とか完成住まいの現場見学会という「モノ」への集客です。

たしかにお客様は住宅というモノを買いに来ていますが、実際に手に入れたのは「こんな暮らしがしたかった」という自身があこがれる「ときめきの暮らし」というのが本来の住まいづくりです。

こうした暮らしのときめく部分などのプラス領域に焦点を当てたイベント企画は受注につながり有効です。

●「ときめきの暮らしに気づく」イベント

収納の工夫、躯体性能などを訴求しても「収納不足」「寒い」「暑い」「地震が心配」という暮らしのマイナス領域のことになります。

暮らしのプラス領域の「ときめきの暮らしに気づく」イベントは、「憧れ」や「楽しい暮らし」が具体的に見えて、自分たちがそれをベースにどういう暮らしにしたいのかという「暮らしを楽しみ人生を楽しむ住まいの具体化」に繋ぐことが出来れば、初回面談からいきなりお客様の住まいづくりに入れます。

限度はありますが、原則として「暮らしのプラス領域」はプライスレスです。

実現したいコトの触発です。

●SNSでの集客宣伝

「イベントテーマ」が見える1枚の画像だけでも、お客様の想像力を掻き立てます。

「グリーンのある生活」がテーマであれば、暮らしの中にどのようにグリーンを取り入れているのかが分かる人物入りでの心豊かな楽しい暮らしのシーンが見える画像/動画を掲載します。
「こんな暮らしがいいなあ」から「私ならもっとこうしたい」とお客様の想像力を掻き立てることがポイントです。
お見せしたシーンを売っているのではなく、そのシーンをベースに「いいね」から「こうしたいな」へ昇華させる余韻を持った画像/動画です。

女子力の高い社員の方にご担当いただく必要があります。

●触発から気づき共感へ

イベントの設えも、細部まで「グリーンのあるときめきの暮らし」が伝わるようにします。

イベントへの集客よりも、そこから始まる「暮らし触発営業」が実行しやすいようなイベント会場のモデル住宅や完成住まいの現場見学会の細部の設えがポイントです。
まさに「神は細部に宿る」という言葉通りになると思います。
イベントの「グリーンのある生活」で触発して、「お客様ならどのように日頃の生活を楽しまれますか」という固有名詞のお客様の住まいづくりにいきなり入っていくことができます。

「質の高い集客」とは、こういうように「来場」⇒「触発」⇒「自分ならどうしたいのか(気づき共感営業)」⇒「具体化」の流れが組み立てられていることを指します。

暮らし視点のイベント企画

住宅という「モノを見に来るお客様」を集める集客企画から、「ときめきの暮らし」という「コトを体感体験しに来るお客様」へ集客企画の視点をシフトします。

集客キャンパーンの景品目当ての名簿数を増やすより、確実に受注につながる少数客の集客です。
集客=受注ステージのスタートが具体的に進められるように細部まで高い女子力で企画します。

「女子力」保有者は女性に限ったことではありません。
女子力の高い男性社員も最近は急増しています。
社内の隠れた人材を活かすチャンスでもあります。

まとめ

今後はさらに集客減少は継続的に進むと思われます。
少子高齢化という需要母数の漸減に加えて、戸建/マンションのリノベーション、賃貸住宅の高装備化など様々な住居の選択肢が増える中で注文住宅を選択していただくために、注文住宅の購入という投資しがいのある魅力を訴求する集客イベント企画が必要です。

従来のモノ売り発想を「モノからコトへ」と発想を切り替える好機ととらえて、女子力あふれる「ときめきの暮らしイベント」企画で確実に受注につながる集客策を推進しましょう。

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
代表取締役社長 松尾俊朗
一級建築士

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