「考える営業」で全てのお客様を受注する

30年ぶりの住宅価格上昇局面を迎え、住宅営業の役割がより重要になってきています。
住宅の予算に、今までよりもシビアになっているお客様に、従来通りの営業の進め方は通用しません。
今回は、戦略を考える、プランを考えるなど、様々ある考えなければならないことの中でも、新しい視点を加えた「お客様のことを考える営業」について考えてみます。

「考える住宅営業」の目的

「考える住宅営業」の目的は、「住まいを楽しみ人生を楽しむ暮らしの実現」という、受注することでお客様に幸せな人生を送っていただくということです。
この軸が大切なポイントです。

お客様の何を考えるのか

「受注する」ということは「目標」であって「目的」ではありません。
したがって、「受注するためにお客様のことを考える」のは、間違いであると言って良いでしょう。
「受注するため」が軸になると、いやらしさがお客様に伝わり、受注に必須の住宅営業への信頼を得ることが難しくなります。
「お客様を幸せにする」、住宅営業にとっては、「住まいを楽しみ人生を楽しむ暮らしの実現」のために、住まうことで何を楽しみたいのか、人生の楽しみは何なのかというお客様の価値観やお考えに基づく新しい住まいで実現したいコトをお客様中心に考えることが大切なポイントです。

対処療法では心からの納得と信頼を得られない

広いリビングが欲しいお客様に、なぜ広いリビングが欲しいのかを考えて、お客様と具体化していくことが「考える住宅営業」です。
こういったことが、お客様にとっては「自分のことを考えてくれる住宅営業」としての立場を確立していきます。
「広いリビングが欲しい」→「では、○○帖くらいでどうですか?」という対応は、対処療法であり、信頼を得られる対応ではありません。

「お客様の住まいづくりに役立つ」視点で考える

住宅営業の現状は、住宅性能や工法などのハコとしての住宅の説明に偏重しています。
「お客様のために良い性能の住宅を」というのもわかりますが、ここにお客様が求めている事と住宅営業が伝えたいことに大きなギャップがあります。
お客様が求めていることは何かを考え、これに対して情報提供する必要があります。

新しい住まいでの暮らしが基点

「新しい家が欲しい」「暖かい家が欲しい」「収納たっぷりの家が欲しい」など、一般的に「暮らし」には目が向いていないお客様がほとんどで、この言葉に引きずられ「○LDKくらいが良いですか?」など、表面的なヒアリングに入り、「高性能住宅です!」とアピールするのは、お客様のことを考える住宅営業ではありません。
ご来場されたお客様には、「お客様へこれからの暮らしで実現したいコトを触発」して「その反応を見て判断する」ことで「お客様の住まいづくりの目的をご一緒に考える」ところから始まります。
「家族で仲良く暮らしたい」「ペットを飼いたい」など、暮らしの中の漠然としたコトを具体的にしていきます。どうすれば実現できるのか、どのレベルで実現したいのかをお客様と一緒に考えます。
この場合の「考える」というのは、具体化していくということです。

人生を心豊かなものに

「お客様の幸せ」という「ユーザーメリット」の情報提供が住宅営業の仕事です。
お客様の建築与条件の範囲内で最大の満足をしていただくためにどうすればよいのかを考えることが住宅営業が考えなけれなならないことです。
こうした、お客様の幸せを中心に置いた住宅営業は、受注の確度が高まります。
「モノからコトへ」の転換です。

まとめ

現状の住宅営業には、自社住宅の耐震性能、温熱環境や換気システムといった自社住宅の特長の話をして他社より優位な状況を作ろうと「誘導する傾向」がありますが、この方法は、住宅営業にとってはシナリオ通りに進められて満足かもしれませんが、お客様にとっては、必ずしも惹き付けられる話とは限りません。
お客様の「住まいを楽しみ人生を楽しむ暮らしの実現」について考えて情報提供していくことが、お客様のためでもあり、そして、受注確度が高くお客様のことを考えて受注する住宅営業でもあります。
今一度、住宅営業スタイルの見直しをおすすめします。

ハウジングラボでは、お客様の「納得」と「満足」を高めて最短6週間で受注を獲得する住宅営業手法をご用意しています。新人でも短期間で修得可能な「いい暮らし実現営業」、他社従来営業とは大きく差別化した“この家が欲しい”を引き出すコミュニケーションができる「気づき共感営業」、ハイエンド層のお客様に対応可能な「暮らし触発営業」などです。また、住宅事業を安定継続/発展するための、「商品」「商品開発」「集客・マーケティング」「営業」「設計」「マネージメント」の分野からアプローチする注文住宅事業の「総合ビルドアップサポート」やコンパクトな工務店様・住宅会社様の住宅事業をサポートする「住宅営業ゼミ」をご用意しています。

是非ご活用ください。

■住宅コンサルティング
https://www.housing-labo.com/consulting
■住宅営業/マネージメント/住宅設計研修
https://www.housing-labo.com/training
■住宅営業ゼミ
https://www.housing-labo.com/onlinesupport

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

関連記事

【売れる住宅営業になる!】今の時代に適した住宅の売り方

インフレ下での顧客心理は「節約志向」になり、住宅の「予算」も「低めの予算」に下振れしています。このような市況環境で、従来通りの住宅営業のしかたを進めると、良い住宅を提供しているにもかかわらず、「高い」と言われて自社から離 […]

お客様の住まいづくりに役立つ情報提供のしかた

お客様は、Instagramで気に入った画像イメージを見つけ、Youtubeでこんな暮らしがしたいというように、「情報収集力」はお客様に主導権が渡っています。自由設計を標榜している大多数の住宅会社/工務店は、このお客様か […]

「モノからコトへ」の住宅事業の新スタイル

景気は回復基調にありますが、目の前の集客が少ないとか、建設資材は上がり続けるとか、明暗が混ざった昨今の市況環境です。もう少し全体を俯瞰して考えてみると、自動車産業と同じように住宅産業も100年に一度の大変革期に差し掛かっ […]

「暮らし視点の住宅営業」は、大きな他社差別化になる!

今後の住宅市場は外形として捉えれば建築適齢期の人口減が進み、一方で空き家率は13.6%もあるという市場です。需要漸減化の「モノ」が余っている市場で「対価」を支払うだけの「魅力ある住宅」をお届けできるのかという課題が、住宅 […]

新着記事

【2025/2026年 注文住宅事業の進め方】「暮らし視点」で受注力・商品力・人材力を進化させる

少子化・人口減少・金利上昇・物価上昇と、注文住宅業界を取り巻く経営環境は今、大きな構造変化の渦中にあります。しかし、すべてがマイナスに振れているわけではありません。むしろ多様化・個別化が進み、「自分らしい暮らし」「人生の […]

【住宅展示場の来場者数推移から見る集客対策】集客数減少 → 受注棟数減少の解決方法

近年、住宅業界を取り巻く環境は、お客様のSNS、ネットからの情報収集が一段と進み、いつのまにか、集客数もさることながら、来場段階でのお客様の考え方も大きく変化しています。特に総合住宅展示場の来場者数推移に注目すると、来場 […]

【2025年住宅市場】新しい「中級住宅」の定義と現状認識

かつては、多くの家庭が手の届く価格で、ある程度の性能やデザイン性、暮らしやすさを兼ね備えた「ちょうどいい住宅」として捉えられていた中級住宅ですが、今はその基準が崩れつつあります。 経済状況の変化、ライフスタイルの多様化、 […]

【2025年住宅市場】60歳代に目を向ける注文住宅事業

現在の新築住宅市場において、中心となる顧客層は30〜40歳代のファミリー層です。特に35歳前後の世帯が主なターゲットとなっており、結婚し、子育てを始めるタイミングで住宅を取得するケースが一般的です。しかしながら、日本の人 […]

住宅事業の集客革新!|令和の集客方法を、考え方から新しいアイデア、イベント活用事例まで徹底解説

住宅業界の集客において、従来の手法では限界が見え始めています。多くの住宅会社や工務店が住宅性能や間取りを中心に訴求していますが、お客様にとってはどれも似たように映りがちです。これからの住宅事業での集客では、新しいアイデア […]

【2025年住宅市場】城南地区から横浜/湘南方面エリアで住宅事業成功を掴むには

現代の住宅市場においては、単なる「住むための家」ではなく、「心豊かな暮らし」を実現する住まいが求められています。特に、東京の城南地区(品川区・目黒区・大田区・世田谷区・渋谷区・港区)から横浜/湘南方面にかけてのエリアでは […]