注文住宅とは?売れる営業は、注文住宅の本質を理解し行動している

注文住宅とは、お客様が希望する暮らしが実現する住宅のことです。住宅業界に従事する方に注文住宅とは?という質問は愚問かもしれませんが、「注文住宅の本質」を理解して営業している方は案外少ないものです。今回は、注文住宅の本質とその営業について考えてみます。

Contents

注文住宅営業の現状

お客様、そして多くの工務店・住宅会社が「お客様のご要望通り」な住宅が注文住宅であると捉えていると思います。これは間違いではないのですが、表面的なお客様のご要望だけを満たした対応になっていないかということに課題があるのでは、と考えます。

「お客様第一主義」の落とし穴

「お客様中心」「お客様視点」「お客様目線」などの「お客様第一主義」の工務店・住宅会社は数多く存在します。しかしながら、この「お客様第一主義」をはき違えているのではないかと見える対応をされている住宅営業担当者がいらっしゃいます。

例えば、ご夫婦で料理をするのが好きなお客様が「広いキッチンが欲しい」とおっしゃっる場合に、「では○○帖くらいですか?」という対応は正しいのでしょうか。確かに、「広いキッチン」を満たす対応かもしれませんが、キッチンで料理するという暮らしのご要望を満たしているとは限りません。
お客様が広さを求める理由が何なのかを知る必要があります。
鍋などの調理器具や調味料、食材を置きたいから広さが必要なのか、ご夫婦二人で調理する広さが必要なのか、単純に広く開放感ある場所で料理をしたいのか、それとも、子供たちと一緒にコミュニケーションをとりながら料理をするために広さが必要なのかなど、どのようにキッチンを使うのかによって広さはもちろん、キッチンタイプやパントリーの有無/配置、ダイニング・リビングとの関りにも影響します。

確かに、広いキッチンができると新築時は嬉しいでしょう。しかし、暮らし始めてから「ここのスペースがもったいない」や「広いキッチンだけど、広すぎてパントリーまで距離がありすぎる」などの不満が噴出するかもしれません。

お客様の暮らしをお聴きせずに言われるがまま「○LDKのキッチンは○帖にしましょう」という対応は、「お客様がおっしゃる広さ」には対応できていますが、「暮らし視点」が欠けているため、その家で暮らし始めたお客様のためにはなっていません。

よく言われる「家は3回建てなければ満足できない」理由は、ここにあります。

注文住宅の本質とは?

注文住宅の本質をお客様の暮らしを中心に考えると「暮らしを楽しみ人生を楽しむ住まいの実現」であると思います。新築時の嬉しさだけでなく、暮らし始めてからの心豊かな人生を楽しむ住まいが注文住宅であるべきです。

「注文住宅の本質」に則った営業で受注する

・お聴きする
中途半端にお客様のお話をお聴きするのではなく「徹底的に」お聴きします。一見住宅に関係ないお話でもしっかりお聴きします。住宅営業担当者が「充分に話を聞いた」と思うのではなく、「お客様がお話になりたいことを充分に話せた」状態までお聴きします。この時の大切なポイントは、お客様の「暮らしのメリットになることを考えて行く」ことです。

・意図を理解する
料理自体も楽しいが、家族で料理をするときの楽しさを求めて「広いキッチン」を要求されているのかもしれませんし、他の意図があるかもしれません。お客様のお話を充分にお聴きすることでお客様が実現したい暮らしが見えてきますので、「それならこんな工夫をしましょうか」という「自分のため」と感じていただける対応が、お客様の満足度を高めます。

<参考記事>
【住宅営業の基本 聴き方編】「聴く」と「聞く」では大違い。身につけるべき「聴き方」とは

まとめ

お客様のご要望を丸ごとそのままプランに落とし込む営業は「お客様第一主義」とは言えません。お客様にとっては、むしろ、「他社と似たような対応をしている」と捉えられてしまい受注につながりません。注文住宅の本質である「暮らしを楽しみ人生を楽しむ住まいの実現」をベースに、お客様のお話を徹底的にお聴きし、お客様にとって魅力的な心豊かな暮らしの住まいづりを進めると、満足度が高まり受注が近づきます。

ハウジングラボでは、お客様の「納得」と「満足」を高めて受注を獲得する住宅営業手法をご用意しています。新人でも短期間で修得可能な「いい暮らし実現営業」、他社従来営業とは大きく差別化した“この家が欲しい”を引き出すコミュニケーションができる「気づき共感営業」、ハイエンド層のお客様に対応可能な「暮らし触発営業」などす。また、住宅事業を安定継続/発展するための、「商品」「商品開発」「集客・マーケティング」「営業」「設計」「マネージメント」の分野からアプローチする注文住宅事業の「総合ビルドアップサポート」やコンパクトな工務店様・住宅会社様の住宅事業をサポートする「お役立ちLabo」をご用意しています。

是非ご活用ください。

■住宅コンサルティング
https://www.housing-labo.com/consulting
■住宅営業/マネージメント/住宅設計研修
https://www.housing-labo.com/training
■お役立ちLabo
https://www.housing-labo.com/onlinesupport

《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子

関連記事

2023年 住宅営業のトレンド

インフレや住宅ローン金利の上昇などの家計を圧迫する要因がある場合、お客様は資金に対して「節約志向」です。「今まで、この営業方法で上手くいっているから」という理由で従来通りの営業を進めると、お客様の思考や言動に対応できずに […]

お客様の満足度・納得度が高くなる住宅営業とは

お客様も住宅業界関係者も気づかぬうちに暮らし方が変化しています。お客様のご要望に対して、経験値を基に「○○○の場合は△△△で対応する」というような、ある意味マニュアルのような対応では、現在のお客様の満足・納得を得られませ […]

住宅の価格アップ時代には「気づき共感営業」が強力な武器になる

住宅業界は30年振りの価格アップ時代に突入しました。「超低金利デフレ時代」が続きましたが、外的要因によって資源/資材のインフレへと急速に転じています。住宅価格アップ時代に適応させ、住宅事業を発展させる方策がこの春からは必 […]

住宅営業の1丁目1番地は「お客様を受容れる」こと

春の需要期に入ってきていますが、思うように集客できないという住宅会社が多いのではないでしょうか。住宅営業には売りづらい時期かもしれませんが、30年近くに亘って長期にデフレと超低金利が続いた方が異常な事態だったと思います。 […]

新着記事

小さな家の豊かな暮らし

1950年代の2DKを起点に4LDKまで部屋数と共に面積が拡大してきた日本の住居。気が付けばアメリカに次いで世界第2位の住宅の広さを手に入れました。それでもエンドユーザーは「もっと広く」の要求が続いていまます。この声に応 […]

お客様への提案営業は時代遅れ 多様化する価値観に対応する住宅営業方法

提案営業と言われて早半世紀が経過しましたが、この間にネットが導入され、SNSが進化するなど、情報発信者が「エンドユーザー」へ移った令和の時代に、「提案営業は逆効果」となってしまいました。「提案営業」は情報化社会では「見方 […]

住宅展示場や見学会の少ない来場者から確実に受注する方法

住宅展示場や見学会への来場者数が減少したことを嘆いても始まりません。新規来場者数の減少も是とした上で受注を如何に上げていくのか、という発想が営業の考え方です。住宅営業担当の各人がすぐに取り組める内容の具体策をいくつか考え […]

増加傾向の新たな客層に対応する住宅業界の集客手法

住宅業界全体の集客が減少している中、集客手段はチラシやホームページ、SNSの活用、総合住宅展示場への出店、住宅の総合情報サイトへの登録、フランチャイズへの加盟など、以前は一番効果の高いものや自社の特性に合ったものを選んで […]

住宅会社/工務店のSNSでの情報発信セオリーとは

現在、住宅会社/工務店の集客方法として、SNSでの情報発信は非常に活発に行われています。20代後半から30代前半までのセンスのいい客層にアピールするには「Instagram」、30代後半から40代前半までの自身の暮らしへ […]

住宅営業の基礎力を身に付けるために

住宅営業には会話力、プレゼン能力など様々なスキルが求められます。もちろん、自社住宅商品や住宅建築に関する知識は前提として必要ですが、最初に身に付けるべきスキルは「お客様に見られるスキル」「お客様を見るスキル」です。 Co […]