最強の住宅営業になる条件は「お客様の暮らしを中心に考える視点」を持つこと
2022/10/07
ウッドショックから始まった住宅関連資材の価格高騰に加え、世界的なインフレの影響でエネルギーや食品なども含む日本の消費者物価指数がとうとう3%を突破し、家計への影響は大きくなっています。このような状況下では、家計の出費を抑える動きがさらに強まりますが、価格に見合う住まいとしてお客様に認識していただいて中高級住宅事業を推進していくために重要な住宅営業について考えてみます。
Contents
中高級住宅事業の成功ポイント
あらゆるモノの物価が上昇し、この伸び率に伴ったお客様の収入が伸びていない現在、住宅面積の縮小や設備などのグレードダウンで対応するなどのあらゆる対策を講じていると思いますが、果たして単純な住宅面積縮小や設備等のグレードダウンで良いのでしょうか。日本ではモノが充分に揃っているご家庭が多数を占め、「豊かさ」の判断基準は「モノ」から「心の豊かさ」に転じています。新しい住まいで心の豊かさを充分に感じていただける住まいづくりのお手伝いが「お客様の暮らしを中心に考える視点」を持った住宅営業と言えます。
暮らしの心の豊かさとは
「心の豊かさ」とは、「暮らしの『プラス面』の実現したいコト」と考えます。現状の生活・住まいの不平不満(ex.収納スペースが狭いetc)の解消は、暮らしのマイナス面をハード(モノ)で解消することであって「暮らしの『プラス面』の実現したいコト」とは異なります。「暮らしの『プラス面』の実現したいコト」とは、不平不満というマイナス面(ハード)の改善と利便性が向上した住まいで、心豊かにどう暮らすのか(ソフト)ということです。心が豊かになる要素は、お客様ごとに異なりますので、それぞれのお客様の「実現したいコト」を理解することがポイントです。
住居タイプ別暮らしの特徴
住まいの形態は、マンション・アパートなどの集合住宅、戸建て住宅それぞれに持ち家や賃貸が存在し、お客様にとっての選択肢は多種多様です。
<集合住宅>
・LDKと部屋数、築年数、立地条件などを判断基準にして選択し、集合住宅にご自身の暮らしを合わせていくのが主流
<ローコスト住宅>
・LDKと部屋数、動線、収納など、「一般解」の戸建住宅で不安や不満(マイナス面)の解消が可能
・暮らしのマイナス面の解消は可能だが、そのお客様に合った暮らしのプラス面を付加するのは相当難しい
お客様の心豊かになる要素を掴む
住宅購入を検討されているお客様が最初に考えるのが「暮らしのマイナス面の解消」であることが多数です。このマイナス面の解消が出来た住まいで何がしたいですか?というのが「暮らしのプラス面」です。だからといって「何がしたいですか?」とダイレクトにお聴きしても明確に答えられるお客様は皆無と言っていいほどです。したがって、モデル住宅や完成住まいの見学会での初期にご記入いただくアンケートやご案内中のお客様の様子から少しでも興味関心をお持ちの部分にご案内し、「何がしたいのか」をお客様と一緒に深めていきます。
「コト」でご案内するポイント
お客様がご来場されて「ご自由にご覧ください」では、お客様の興味関心の部分が掴めません。住宅営業がお客様をリードしながら、ご案内することが重要です。そして、下記の3つの視点で観ていただくようにお勧めすると、お客様の「暮らしのプラス面で実現したいコト」が掴みやすくなります。
① 「お客様ご自身が住むとして」という視点
② 「お客様ご自身がどのように使うのか」という視点
③ 「そこで楽しむコトは何か」という視点
参考記事:【住宅営業の基本 | ご案内編】住宅展示場や見学会は営業がリードすると受注に近づく
参考記事:【住宅展示場・見学会のご案内の基本】初回クロージングに繋がるアンケート設問設定
住宅営業の「コト」営業のポイント
お客様が興味関心をお持ちの部分をご案内する際のステップは下記の通りです。
① 体感体験していただく
例えば、「広々としたリビング」に関心をお持ちのお客様には、ご夫婦やご家族みなさんに、住宅展示場や完成住まいの見学会のリビングで普段の過ごし方を再現していただき、「広いリビング」は具体的にはどれくらいの広さなのかを確認します。
② ロジックで説明する
体感体験していただいた後に、「広いリビングが可能なのは、自社住宅商品の構造・性能があるから」という説明をすると、お客様はストンと腹に落ちるようにご理解してくださいます。
③ 住宅営業が自己開示する
住宅営業ご自身の、「広いリビング」の体験談をお伝えします。例えば、開放感ある広いリビングには、自然と家族全員が集まって、その日の出来事などの会話をしている、などの何気ない日常の小さな幸せ談です。
④ お客様に自己開示していただく
広いリビングが実現したら何をしたいのかを考えていただきます。
⑤ 現在の住居と比較評価していただく
暮らしの楽しさに加え、住まいの良さの評価基準は、お客様の現在お住まいになっている住居ですので、ご案内している住宅展示場や完成住まいの見学会会場と比較評価していただきます。
⑥ 採用の検討をしていただく
お客様の興味関心を掴んで上記の①~⑤までのステップを踏んだら、多くのお客様は自社住宅の良さを実感してくださっています。このタイミングで、「新しい住まいでは是非採用しましょう」とテストクロージングすると住まいづくりの具体化が進みます。
まとめ
○LDKという一般解の住宅でも人は暮らせますが、ここには「お客様の暮らしを中心に考える視点」が存在していません。お客様の生涯にわたって幸せな時間を過ごしていただくための「心豊かな暮らし」を提供するのが、「お客様の暮らしを中心に考える視点」であり、本来の中高級住宅であると考えます。
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《執筆者》
株式会社ハウジングラボ
営業企画課長 眞田 智子